更新日: 2024年9月15日
【新潟】火打山で紅葉トレッキング!世界が認めた天上の楽園!
妙高市にある日本百名山「火打山」の紅葉。
火打山では、天上の楽園とも称される「高谷池」の素晴らしい紅葉がみられます。
紅葉時期は9月下旬~10月上旬。世界が認めた火打山の紅葉を楽しみましょう!
目次
日本百名山「火打山」とは
新潟県妙高市に位置する火打山(標高2,462m)は、糸魚川市(いといがわし)と妙高市にまたがる妙高戸隠連山国立公園内の頸城(くびき)アルプスの最高峰で、日本百名山および花の百名山にも選ばれた、新潟県が誇る秀峰です。
火打山には高層湿原をはじめ、四季折々の高山植物が咲き誇ります。絶滅危惧種の「ライチョウ」が生息する日本最北限の地としても知られています。
火打山
- 住所
- 新潟県妙高市新潟県妙高市杉野沢
- 交通
- 上信越自動車道 妙高高原ICより約30分 / 妙高はねうまライン 妙高高原駅から頸南バス 笹ヶ峰直行バス 笹ヶ峰下車
- 料金
- 入山協力金=500円(任意)
火打山の紅葉トレッキングで訪れたい「高谷池」
火打山登山の中腹、標高2,100m付近に広がるのが高谷池です。この高層湿原は2015年、米国系大手ニュースメディアCNNによる「日本でもっとも美しい場所31選」に選ばれた、知る人ぞ知る絶景紅葉スポット。
色とりどりの鮮やかな秋色に染まった湿原は「天上の楽園」とも形容され、特に「天狗の庭」と呼ばれる大湿原は、逆さ火打山も同時に見られる極上のスポットです。
住所:新潟県妙高市杉野沢八貴山国有林
電話番号:0255-86-3911(妙高高原観光案内所)
営業期間:4月~11月(冬季閉鎖)
アクセス:笹ヶ峰登山口までは車の場合、上信越自動車道「妙高高原IC」より所要30分、鉄道・バスの場合、妙高はねうまライン「妙高高原駅」下車、頸南バス「笹ヶ峰直行バス」に乗り換え「笹ヶ峰」バス停下車、所要約50分
料金:入山協力金500円(任意)
WEBサイト:にいがた観光ナビ
火打山の紅葉トレッキングの難易度とコース概況
歩行距離や標高差はややありますが、登山道はよく整備されており、途中よじ登るような大きな岩場や鎖場もなく、コースとしては中級レベルとなっています。分岐には案内標識や1kmおきの距離表示も設置され、必要に応じて目印のピンクテープも取り付けられているため安心して登ることができます。
とはいえ、雨の後などは道が泥でぬかるみ、足場の悪い急登もあるため、トレッキングシューズや登山用ストック、軍手や足元を保護するゲーター(スパッツ)など一通りの登山装備は必要です。
難易度:中級レベル
標高:約2,462m
標高差:約1,160m(笹ヶ峰登山口の場合)
歩行距離:約9km(笹ヶ峰~高谷池~火打山 片道)
歩行時間:上り約5時間、下り約3時間半(休憩含まず)
登山時期:4月~11月(紅葉は9月下旬~10月上旬)
山小屋:高谷池ヒュッテあり(要予約)
火打山の紅葉トレッキング 高谷池トレッキングコースガイド
今回は、火打山登山で最も一般的な、笹ヶ峰(ささがみね)登山口からスタートするトレッキングコースをご紹介します。コースタイムの平均が9~10時間ということで、日帰りの場合は早朝出発、山小屋泊の場合でも、遅くとも午前10時までにはスタートすることをおすすめします。
【スタート】笹ヶ峰登山口
火打山登山は笹ヶ峰高原内にある笹ヶ峰登山口が一般的。火打山はお隣の妙高山と併せて登山されることが多く、入口の小屋の看板は「火打山・妙高山登山道」となっています。
入口前には20台ほどの駐車場がありますが、満車の際は向かいの笹ヶ峰キャンプ場駐車場を利用しましょう。
小屋に設置された登山届
小屋の中には登山のコースマップや注意事項、そして登山届を提出する箱があります。日帰りであっても忘れず提出してからスタートしてください。また、山の環境保護、登山道の維持管理などに充てられる入山協力金500円も収めていきましょう。
【第1のポイント】黒沢橋
登山口から次のポイントとなる黒沢橋までは木道が整備され、比較的ゆるやかな上り坂。ブナやヤマモミジ、ハルニレなど、爽やかな緑や落葉樹の黄色に包まれ、森林浴が楽しめます。
第1のポイント・黒沢橋
スタートからおよそ50分、美しい沢にかかる黒沢橋に到着。ここまでは比較的なだらかなコースなので体力的にも余裕でしょう。ただし、ここからが本格的な急登や坂がはじまり、一気にきつくなります。
【第2のポイント】「十二曲り」の坂
やがて第2のポイント「十二曲り」の坂に差し掛かります。文字通り、12回曲がりくねった坂ですが、歩行距離はそう長くなく、意外とすんなり登ることができます。この坂を過ぎた辺りからさらに坂がきつくなります。
心を癒やしてくれる美しい紅葉
坂はきついものの、このあたりから燃えるような紅葉や高山植物を楽しむことができ、急登の疲れを束の間癒やしてくれます。くれぐれも無理なく自分のペースで登りましょう。
【第3のポイント】富士見平
スタートしてから2時間半前後で第3のポイント、妙高山と火打山の分岐である富士見平に到着します。ここまで来たら高谷池まではあともうひと踏ん張り!
色彩パレットの紅葉が広がる火打山
登山道から見え隠れする火打山の紅葉は、まさに色彩のパレット。途中、大岩から望むアルプス展望台もあるので、息を呑む絶景をご堪能ください。
岩場の急坂
高谷池までゴロゴロした岩場の坂もあります。くれぐれも足元に気をつけながら、あともう少し頑張りましょう。
【第4のポイント】高谷池ヒュッテ
ようやくトンガリ屋根が特徴の高谷池ヒュッテに到着。ここから火打山山頂までさらに2時間ほどあるため、しっかり休憩していきます。宿泊する場合はヒュッテで受付を済ませてください。
新棟に1室最大5名まで利用できる個室2室を新設
住所:新潟県妙高市杉野沢八貴山国有林
電話番号:0255-86-3911(妙高高原観光案内所)
営業期間:4月~11月(営業期間中は無休、11月~4月は3階のみ避難小屋として利用可)
アクセス:笹ヶ峰登山口から徒歩3時間~3時間半
事前予約:電話、FAX、メール受付
宿泊料金:6,000円(素泊まり)、7,000円(1泊朝食)、7,500円(1泊夕食)、8,500円(1泊2食)/テント1,000円/人(トイレ協力金含む)
持参するもの:マスク、タオル数枚、除菌シート、アルコールジェル
WEBサイト:高谷池ヒュッテ
テント場
ヒュッテ前のテント場には水場もありますが、池の水を直接引いているためそのまま飲むことはできません。煮沸するか浄水するか、ミネラルウォーターを事前に持参しましょう。なお、テント設営の際はヒュッテにて受付を済ませてから行いましょう。
【第5のポイント】高谷池
高谷池ヒュッテの目の前は高谷池です。高谷池自体はそれほど大きくありませんが、池塘(ちとう※湿原に生まれた大小の湖沼)と紅葉のコラボレーションはまさに色彩あふれる絵画の世界!ヒュッテの上から、あるいは火打山へ続く登山道から眺めることができます。
湿原に渡された木道
湿原内は木道が整備されています。木道脇には青紫色のオヤマリンドウなどかわいらしい高山植物がたくさん咲いています。なお、木道は幅が狭く上り坂もあるため、すれ違いの際は気をつけて譲り合いましょうね。
【第6のポイント】天狗の庭
高谷池からしばらく歩くと、湿原のハイライトともいえる「天狗の庭」に到着します。艶やかに彩られた天狗の庭と池塘(ちとう)に映る逆さ火打山、空の青とのコラボはまさに天上の楽園。言葉を失う美しさです。
火打山山頂まであと少し
天狗の庭の標高が2,110m、山頂までの標高差はおよそ350m、距離にしてあと2kmほどです。湿原を過ぎればあとはひたすら上を目指して登るのみ。途中、ライチョウが生息するという雷鳥平があるので、運が良ければライチョウに出会えるかも。
【ゴール】火打山山頂
お疲れさまでした!スタート地点からおよそ5時間、標高約2,462mの火打山山頂に到着です。三角点は石積みの中で、山岳信仰の石仏が祀られています。山頂は広く開けていて、見晴らしも最高です。
なお、奥には焼山(やけやま)山頂への尾根が続いていますが、現在このルートは通行止めとなっていますのご注意ください。
山頂からの下りも絶景
一休みしたら今度は下山。山の天候はとても気まぐれ、すぐに雲やガスが覆いかぶさります。しかし、晴れ渡っていれば眼下は絵巻物のような色彩あふれる世界。疲れもふっとびますね。
日帰りの際は、下山に3時間半~4時間はかかるため、少なくとも13時前には下山を開始しましょう。笹ヶ峰登山口に到着したら所定の箱に下山届を提出するのも忘れずに。
火打山の紅葉トレッキングの疲れを取るなら「苗名の湯」へ
登山の後はやっぱり温泉で汗を流したい!
そんなときには、笹ヶ峰高原の玄関口、妙高市杉野沢に唯一存在する温泉「苗名(なえな)の湯」はいかがでしょう。笹ヶ峰登山口から車で約30分、夜は20時まで営業しています。
施設内に飲食レストランなどは併設されていませんが、広めの休憩所でくつろぐことができます。入浴後のコーヒー牛乳はたまりませんよね。
この秋は天上の楽園・火打山の紅葉トレッキングへ行こう
決して楽ではないけれど、苦労してまで見る価値のある極上の絶景、それが天上の楽園「高谷池」です。妙高山をセットに登る登山愛好家が多いため、泊りがけの登山客が多く、夏や秋の繁忙期は高谷池ヒュッテの予約が早く埋まってしまう可能性があります。気になったらぜひ早めの予約と問い合わせをおすすめします。
この秋、世界が認めた絶景にチャレンジしてみてはいかがですか?
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】山と高原地図 編集部
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