更新日: 2023年2月3日
海外旅行はいつから行ける?再開のためのステップ6 年末年始はキャンセル料の有無がポイント
まだまだ予断を許さない新型コロナウイルスの感染状況ですが、国内は「Go Toトラベル」キャンペーンも好調のようで、少しずつ国内旅行を始める人も増えてきています。完全回復にはまだ時間がかかるでしょうが、「注意しながら旅行をする」というスタイルがしばらくは定着していくことでしょう。
一方で海外旅行はどうでしょう。アジアの一部、オセアニアのように感染が終息に向かっている国々もあれば、ヨーロッパのように気を許すとまた感染者が増える国々、アメリカやブラジル、インドのようにまだまだ拡大中という国もあります。
今回は日本と海外の現状と、観光を目的とした海外旅行再開に向けての予測をまとめてみます。
目次
海外旅行再開のためのステップ6
観光のための海外旅行が再開されるために必要な事項・ステップを予測してみます。
1.外務省の危険情報が少なくともレベル1になること(現在は全世界に対してレベル2)。
2.日本帰国後の14日間の待機期間が緩和されること。少なくとも空港での抗原検査の結果が陰性であれば、公共交通機関を使い、帰宅できるようになること。
3.渡航先の入国制限が緩和され、現地での待機期間がなくなること
4.目的地の観光施設などが営業を再開し、観光資源が利用できること
5.国際線の定期便が通常運行に戻ること
6.ワクチンが開発されること(使用されるのは2021年以降の見込み)
今後、これらが前後しながら段階的に進むことになるでしょう。
上記ステップに至るまでの、現在の状況を記載していきます。
日本からの海外旅行は行ける?日本政府の対応
結論として、2020年10月時点では海外旅行は実質不可能と言えるでしょう。
以下に出国、入国に関する現在の状況を記載します。
●日本から海外への渡航(出国)
基本的には外務省が発表する「感染症危険情報」を目安に判断します。(外務省 海外安全ホームページ)
レベル1:十分注意してください。
レベル2:不要不急の渡航は止めてください
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
2020年10月2日現在、外務省が全ての国を対象に発出した「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」は、3月25日から継続しています。
※一般的に旅行会社が催行する主催旅行はレベル2以上で催行中止
- 3月25日発出 全世界に対する危険情報の発出 レベル2(全世界の危険情報の発出)
さらに欧州や米国、東南アジアなどの多くの国は「レベル3(渡航中止勧告)」となり、海外渡航は実質、できない状態です。
- 6月5日発出(レベルの引き上げ、または維持)レベル3の国(各国に対する感染症危険情報の発出)
ただし、感染者数が減りつつある国に関しては、外務省は様子を見ながらレベルを引き下げていく方針です。
なお、外務省の危険情報による渡航中止要請は、法的拘束力はありません。あくまで要請であり、それを止めるのにパスポートの返納を求めるケースがあるぐらいです。
●海外から日本への入国について
法的には、上陸申請前14日以内に159の国・地域に滞在歴のある外国人などは、日本人の配偶者や子、または再入国許可があるなど「特別の事情」がない限り、上陸を拒否されています(10/2現在)。
ただし、日本国籍者の帰国に関しては、原則は法的に帰国を拒否することはありません。
詳しくは法務省の以下のページを参照ください。
●流行地域からの帰国者に対する検疫状況(厚生労働省)
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日本への帰国者に対して以下のように厳しい検疫が行われています。
1. 入国後、全員にPCR検査が実施。結果が出るまでは空港内(1〜3時間)、あるいは政府が指定する施設で待機。症状がなく、公共交通機関を使わないで移動できる場合は、自宅待機も可。
2. 検査結果が陰性の場合、自宅、または自分で予約した任意のホテルへ公共交通機関を使わないで移動し、2週間の外出自粛要請に従う。
※この場合の公共交通機関とは、バスや電車、国内線、タクシーを含む。公共機関を使わない手段としては、自家用車、ハイヤーなど
3. 検査の結果、陽性となった場合は入院。
最新情報は、厚生労働省の以下のページを参照ください
厚生労働省:水際対策の抜本的強化に関するQ&A(7/1更新)
海外の国々の日本人受け入れ状況/行動制限措置は?
外務省によれば、日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置をとっている国は101か国/地域。
外務省の渡航中止要請を無視して渡航をしたとしても、入国後に行動制限措置を取っている国は100か国/地域と、その範囲はほぼ全世界に及んでいます(10月2日現在)。
どの国が該当するかは、以下の外務省のページを参照ください。ただし、最新情報が反映されるのに時間がかかることがあります。
外務省海外安全ホームページ:新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国後の行動制限)(9/29更新)
今後は徐々に海外の行き来ができるようになる?渡航が緩和されていく予定の国々
今後、徐々に出入国が緩和されていきますが、現時点での状況を確認してみましょう。
●相互にビジネス渡航が可能な国
渡航緩和の第一弾として、日本政府は以下の国々に対し、ビジネス渡航に限り相互の往来再開を開始しています(10月2日付)。
1.レジデンストラック(入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の往来を再開)
• タイ
• ベトナム
• マレーシア
• カンボジア
• ラオス
• ミャンマー
• 台湾
• シンガポール
2. ビジネストラック(入国後14日間の自宅等待機期間中も行動範囲を限定した形でのビジネス活動が可能)
・シンガポール
※それぞれの国で提出書類などが異なるので、必ず各国大使館などのホームページを参照してください。
※ビジネス渡航のためなどのPCR検査については各クリニックで検査を行い、渡航先が求める「健康証明書」を発行しています。原則として渡航の72時間前以内に行うことになっています。
●相互ではなく日本人の入国条件が一方的に緩和される国
欧州委員会は、7月1日より日本を含む15カ国からEUへの渡航制限(観光やビジネス含む)を段階的に解除していくと発表しました。
ただしこれは相互ではなく、日本からの渡航はいまだレベル3(渡航中止勧告)の国がほとんどで、EU側が一方的に入国を認めたもの。
条件の足並みはそろわず、空港でのPCR検査や入国後の待機期間など、実際の受け入れは各国に任せるということになりました。
以下は、おもな国々が日本人の入国に際し、現時点(10/2)どのような対応をしているかの例です。すべてを網羅している訳ではなく、参考までにいくつかあげました。
●入国前や入国時にPCR検査の必要なし、入国後の14日間の隔離期間なし
イギリス(到着の前の登録条件あり)、スペイン、フランス、メキシコ
●入国前や入国時にPCR検査の必要あり、入国後の14日間の隔離期間あり
アイスランド、アイルランド、イタリア
●観光目的の入国は不可
オーストリア、ベルギー、ドイツ、オーストラリア、カナダ、インド、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、韓国、台湾、中国など多数
※イタリア、スペインなどの入国条件ですが、ドイツの空港経由の場合は不可なのでご注意くだささい。
(参考)
ANA 新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国の入国条件変更状況について(9/1更新)
JAL 各国の入国制限、検疫体制について(随時更新)
※正確な情報は、各国の大使館にお問い合わせください。
海外旅行のパッケージツアーは現在販売されている?
現在、ほぼすべての旅行各社でパッケージツアー(募集型企画旅行)の催行を中止しています。
ツアー催行の基準を、外務省の危険情報「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」以上としているところが多いことが要因です。
全世界を対象にレベル2が発出されているため、募集型の海外ツアーはどの国や地域においても、催行できない状況です。
航空券や宿泊などを個別に手配する手配旅行に関しては、レベル2でも取り扱う旅行会社は多いのですが、主要国が「レベル3(渡航中止勧告)」の段階になっているため、こちらも実質、海外渡航はできない状態です。
また、多くの国/地域において、外国籍者の入国禁止や、入国後の14日間の移動禁止措置を取っています。
以上の結果を踏まえると、観光での海外ツアーは、事実上不可能といえるでしょう。
海外旅行ツアーはいつから再開されるの?
夏以降の海外旅行について、大手に限らず旅行会社の中にはツアーを受け付けているところがあります。
注意しなくてはならなのは、これはツアーが「催行される見込みがあるから」販売しているのではなく、「催行されないことが決定していないから」。
ツアーが販売されているからといって、確実に催行されると考えないほうが良さそうです。
一例としてハワイへのツアーをあげましょう。
10月中は、日本からハワイ便は臨時便を除き、全便運休しています。
ハワイ到着後は14日間の隔離義務があるため、ツアーは実施できません。
ルックJTBなどは、12月23日までのツアーの販売を中止しているものの(10月2日現在)、その後(12月24日以降)にツアーが催行されることを保証するものではありません。
たとえハワイ州政府が受け入れても、日本が危険情報をレベル1以下にし、帰国後14日間の待機措置を解除しない限りは現実的に無理だからです。
国際線の運航状況は?
以上のような状況にもかかわらず、意外にも、国際線は減便しつつも運航しています。
もちろん乗客は減っていますが、どうしても渡航しなければならない人はいます。生活の場が外国にあり帰らねばならない人、海外赴任者やその家族、留学生たちなどです。
ただし、7月以降は各航空会社とも減便していた国際線を徐々に再開する意向を示しています。
新型コロナウイルスの感染状況により、状況が急に変わることがあるので、最新の情報は各航空会社のホームページなどでご確認ください。
JAL(10月1日〜31日)
・北米路線/羽田~ニューヨーク(週4往復)、羽田~シカゴ(週4往復)、羽田~ダラス(週4往復)、成田~ボストン(週4往復)、成田~サンフランシスコ(週4往復)、羽田~ロサンゼルス(週2往復)、成田~ロサンゼルス(週4往復)、成田~バンクーバー(週3往復)。
・欧州路線/羽田~ロンドン(週5往復)、羽田~パリ(週4往復)、成田~フランクフルト(週3往復)、羽田~ヘルシンキ(週3往復)
・ハワイ・グアム線/全面運休 ※臨時便あり
その他、東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニア方面などは、JALのホームページをご覧ください。
〔10月1日以降搭乗分〕最新の運航計画について(2020年9月30日更新)
ANA
総じてJALよりも便数は多く運行。
北米・欧州への運行地は上記JALと大体同じですが、メキシコシティ便は週6往復。オセアニア便もシドニーへ週3〜5往復。
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