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スマホで上手に紅葉を撮影したい!よくあるシチュエーション別・簡単テクニック5 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2023年8月27日

スマホで上手に紅葉を撮影したい!よくあるシチュエーション別・簡単テクニック5

秋にお出かけしたいスポットといえば、赤や黄色に色づいた木々を楽しめる紅葉スポットです。この季節しか見られない美しい風景は、写真にも残しておきたいですよね。

スマホのカメラはどんどん進歩しており、今では誰もがお手軽にきれいな写真を撮れるようになりました。しかし、SNSでたくさん「いいね!」がつくような素敵な写真を撮るのは、なかなか難しいものです。

また、実際に撮ろうとしても、「せっかく遠出したのにお天気が悪い」「混みすぎていて人が写ってしまう」など、その時々によって悩ましい問題が出てきます。そんなときの解決方法をシチュエーションごとにお伝えしますので、現地で困ったときは実践してみてください。

あわせて、お出かけ前にチェックしておきたい撮影テクニックやおすすめの撮影スポットを実際の写真とともにご紹介します。

はじめに:抑えておきたいスマホ撮影の基本テクニック

まずは、SNSに載せるための写真を撮影する基本的なテクニックをおさえておきましょう。

ポイント①アップしたいSNSのサイズにあわせて撮影する

SNSにアップするのが目的なら、利用するSNSで推奨されている縦横比やサイズに合わせて撮影しましょう。Instagramでは現在は長方形の写真も載せられるようになりましたが、見慣れた正方形で載せたいという人も多いのではないでしょうか。

撮影した画像はあとからトリミングすることもできますが、撮影の時点で正方形にしておくとイメージがつかみやすくなります。また、スマホで見ると横幅が固定されるため、正方形で撮るとモチーフが大きく見え、インパクトがあります。正方形だと被写体が見切れてしまうなど、長方形のほうが向いている写真もあるので、撮影時にディスプレイを見ながら縦横比を選ぶといいでしょう。

Twitterは写真が1枚の場合のサムネイルがヨコの長方形で固定されているため、正方形やタテの長方形だとタイムラインに出てきたときに一部が見切れてしまい、タップしてもらわないと全景がわからないことがあります。

ポイント①アップしたいSNSのサイズにあわせて撮影する

朝露に濡れるモミジを正方形とヨコ長方形(横幅は2枚とも同じ)で比較。被写体は同じでも構図いっぱいに被写体を写した正方形アングルの方がより印象的な仕上がりに

ポイント②ピントを合わせる

紅葉を撮ろうとしても、ピントがまったく別のところに合ってしまっていては、撮りたかったものがぼやけて写ってしまい残念な結果になりかねません。

iPhoneをはじめとするスマホのカメラには、ディスプレイをタップすることで好きなところにピントを合わせられる機能が備わっています。ピントをカメラ任せにせず、自分の目で確かめながら合わせていくだけでも写真のクオリティがぐっと上がります。

また、ピントの位置を変えることで写真の主役が変わり、いろいろな雰囲気の写真が撮れるので、試しながら撮ってみましょう。

ポイント②ピントを合わせる

奥のモミジにピントが合ってしまい、撮りたかった手前のモミジがボケてしまった写真

ポイント③明るさを調節する

カメラをただ向けただけだと、せっかくの紅葉が暗く写ってしまってきれいに撮れないことがあります。よくあるのが、空の明るさが撮影の基準になってしまうこと。空は植物の葉より断然明るいため、カメラがなるべく暗めに撮ろうとして紅葉まで暗くなってしまうというわけです。

カメラを向けたら、明るさの基準をどこに置くかを決めましょう。iPhoneではピントを合わせると同時に、ピントの合った部分の明るさが基準になるようカメラが自動で調節してくれます。Androidは機種によって機能が異なりますので、カメラの設定などを確認してみてください。多くの機種では、露出を手動でも変更することができますので、適切な明るさに調整しましょう。

ポイント③明るさを調節する

モミジの明るさが基準の写真(左)と空の明るさが基準の写真(右)

ポイント④赤や黄色以外の色を入れる

紅葉を撮影するときに赤や黄色に色づいた部分だけを写すと、画面が1色に見え単調になりがちです。SNSのタイムラインでも目立たず、スルーされてしまうかもしれません。

そんなときは空の青や常緑樹の緑を入れることで写真にコントラストが生まれ、ぐっと華やかな印象になります。また、背景を黒っぽくすると赤が引き立って締まった印象になり、大人っぽさが出ます。

あえて紅葉の色ではない寒色や暗色を積極的に取り入れ、赤や黄色の美しさをより際立たせてみましょう。

 

ポイント④赤や黄色以外の色を入れる

常緑樹の緑を入れて撮った写真

ポイント④赤や黄色以外の色を入れる

背景を暗めにすると赤色が引き立つ

ポイント⑤光に透かして撮影する

植物の葉は光に透けるので、あえて透かして撮影することで重なり合った部分が影になり、アーティスティックな雰囲気の写真になります。太陽の向きや時間帯にもよりますが、木の下に入って枝を見上げるようにして撮るとうまく映ります。

紅葉に限らず、新緑の撮影などにも使えるテクニックです。

ポイント⑤光に透かして撮影する

光に透かして撮ると葉の重なり合った部分が影になる。緑の葉にピントと明るさを合わせ撮影

こんな時はどうすればいい?シチュエーション別・撮影方法

テクニックはわかったけれど、いざ、紅葉スポットに行ってみたらいろんなシチュエーションや天候があり、うまく撮影できないことも。

よくあるシチュエーションの、こんな時はどうすればよい?解決方法を紹介します。

①紅葉と一緒に記念写真を撮りたい!

きれいな紅葉を見にいくのなら、せっかくですから自分の写真を残しておきたいですよね。ポートレートや自撮りのために三脚や自撮り棒を使いたいときは、まずそういった機材の使用が禁止されていないスポットを選びましょう。

寺院や庭園などは建物や木の保護、事故防止のために機材が使えない場所がほとんどです。インカメラで自撮りをするにしても、狭い場所に人がたくさん集まる場所よりは、公園や自然の中といった広い場所のほうが撮りやすくなります。

手軽にきれいな記念写真を撮りたいときは、背景をできるだけシンプルにするのが大切です。特に、看板や電線などが入り込まないよう心がけましょう。

また、直射日光が顔に当たると濃い陰影ができてしまうため、木の枝の下に入るなど、明るい日陰を選ぶと表情がきれいに写ります。

落ち葉を手に持って撮る」「赤く色づいたモミジの間から顔を出す」「落ち葉の上にしゃがんで上から撮る」など、紅葉の季節ならではの撮り方も楽しんでみましょう。

市販されているリモコンシャッターを使えば、スマホのカメラでも遠隔でシャッターを切ることができ、セルフポートレートも難しくありません。ただし、木の枝を無理に引き寄せたり、場所を長時間にわたって占拠したりといった行為は周囲への迷惑にもなりますので、注意が必要です。

 

 

②あいにくの曇り空……背景が白でぼやける

曇りの日は光の量が不足するため、なかなかきれいな写真を撮ることができません。また、曇り空を入れると白っぽくぼんやりとした寂しげな写真になってしまいます。なるべく空を写さず、足元など低い位置に目を向けてみましょう。

ただ、曇りの日は濃い影ができにくく、それを生かしてふんわりとした雰囲気の写真を撮ることができます。モチーフによっては曇りのほうがきれいに撮れる場合もあるので、あきらめずに被写体を探してみることが大切です。

②あいにくの曇り空……背景が白でぼやける

曇り空を入れたため寂しい印象になった写真

②あいにくの曇り空……背景が白でぼやける

普段なら見過ごしてしまう「小さい秋」が見つかるかも

③思ったより紅葉がきれいでなかった、見頃のピークを過ぎていた……

紅葉の美しさは日々移ろうもので、たった数日ずれただけでピークが過ぎてしまった、ということは十分ありえます。そんなときは色調を変えられるフィルターを使って撮影することで、ある程度雰囲気を演出することが可能です。

もしくは全体を撮影するのは諦めて、きれいに紅葉が残っている部分だけを写すようにしましょう。1枚の葉にズームすることで、画面の外側に広がる美しい紅葉を想像させるような写真を撮ることができます。

 

③思ったより紅葉がきれいでなかった、見頃のピークを過ぎていた……

残っている赤い葉にズームした写真

④人がたくさんいて入り込んでしまう……

紅葉の人気スポットであればあるほど、同じように景色を楽しみにきている人がたくさんいます。どうしてもその風景を撮りたいときや全景を写したいときは、人がいなくなる瞬間を根気よく待つしかありません。もしくは、早朝など人の少ない時間帯に撮影しましょう。

また、葉っぱをズームアップして接写を楽しむ木の下から見上げるようにして撮るなど、人が写り込みにくい方法で撮るという方法もあります。あまり紹介されていない穴場スポットを探してみるのもおすすめです。

 

④人がたくさんいて入り込んでしまう……

混雑するスポットでは木を見上げながら撮影する

⑤ライトアップと紅葉がうまく撮れない……

ライトアップ撮影にチャレンジするときは、必ずフラッシュ(ストロボ)を強制的にオフにしましょう。フラッシュは、すでにライトの光が当たっている紅葉を撮影するときには不要です。

さらに、シャッタースピードが調節できる機種であれば、できるだけ遅く設定します。ただ、シャッタースピードを遅くするということは、それだけの時間シャッターを開けっぱなしにするということなので、その間スマホを動かさずに固定する必要があります。

手で持っているだけとどうしてもブレてしまうので、どこかに置くか、三脚などで固定するといいでしょう。また、ナイトモード夜景モードが搭載されているカメラアプリを使ってみるという方法もあります。

 

いざ、実践!撮影したくなる紅葉スポットへ

紅葉を撮影するためのポイントをおさえたら、実際にお出かけして写真を撮ってみましょう。今回は西日本で筆者がこれまでに訪れたことのある、写真撮影におすすめのスポットをご紹介します。

撮影時期や時間帯、撮影時のワンポイントなどを、実際に撮影した写真と一緒にお伝えします。素敵な写真が撮れるフォトジェニックなスポットに行きたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

奈良公園(奈良県)

奈良公園(奈良県)

東大寺や春日大社、奈良国立博物館などが隣接する、奈良随一の観光スポットです。「鹿と紅葉」「お寺と紅葉」など、日本の風情たっぷりの写真を撮ることができます。観光客は多いものの敷地がかなり広いので、人がまばらな場所を選べば紅葉と一緒に写るのも難しくありません。赤だけでなく、イチョウなどの黄色も楽しめます。

 

撮影は11月中旬で、当日は午後からの訪問でしたので影が長めに写っています。このときは夕暮れが始まる雰囲気を生かしつつ、鮮やかさよりもノスタルジックな雰囲気になるように心がけました。鹿を撮影するときは、驚かせてしまわないようにフラッシュがオフになっていることをしっかりと確認してから撮るといいでしょう。

【見頃の時期】2019年10月下旬~2019年12月上旬

【住所】奈良県雑司町ほか

【アクセス】第二阪奈道路宝来ICから国道308号・県道1号を経由し、国道369号を奈良県庁方面へ車で6km

奈良公園の詳細を見る

奈良公園(奈良県)

鳳来寺山(愛知県)

鳳来寺山(愛知県)

鳳来寺や鳳来寺東照宮のある奥三河を代表する紅葉スポットで、毎年もみじまつりが開催されています。表参道から鳳来寺へいたる石段は1425段あり、ここから登るのであれば歩きやすい靴と服装が必須。車で行く場合は、鳳来寺山パークウェイ駐車場に停めると石段を登る必要がなく、鳳来寺まですぐです。

 

11月末に午前11時ごろから夕方にかけて撮影しました。背の高い木が多く、木漏れ日を生かして撮影するのがおもしろいスポットです。鳳来寺周辺は道が狭く混雑するため、引いたアングルで人が入り込まない写真を撮るのは難しいかもしれません。モミジのアップなどはきれいに撮れます。山を下りた表参道周辺にも撮影向きのスポットがあり、こちらのほうが比較的すいています。

【見頃の時期】2019年11月中旬~2019年12月上旬

【住所】愛知県門谷

【アクセス】<自動車>三遠南信自動車道鳳来峡ICから国道151号を経由し、県道524号(鳳来寺山パークウェイ)を鳳来寺方面へ車で16km<公共交通機関>JR飯田線本長篠駅から豊鉄バス田口行きで8分、鳳来寺下車、徒歩15分(石段昇り口)

鳳来寺山の詳細を見る

鳳来寺山(愛知県)

臨済宗永源寺派大本山 永源寺(滋賀県)

臨済宗永源寺派大本山 永源寺(滋賀県)

愛知川のほとりに立つ古刹で、滋賀を代表する紅葉の名所です。紅葉の期間中は夜間のライトアップも行われています。境内には美しく整えられた庭園があり、これぞ日本の美といった光景を堪能できるスポットです。シーズン中はかなり混雑するため、人のいない写真や自分と紅葉の写真をじっくり撮りたいのであれば、朝早くから行くといいでしょう。

 

訪れたのは11月中旬で、真っ赤に染まった木もあれば緑からオレンジに変わっていく過程の木もありました。露出などはいじらず、秋晴れの爽やかさや気持ちよさを表現するために、太陽光だけで撮っています。

【見頃の時期】2019年11月中旬~2019年12月上旬

【住所】滋賀県永源寺高野町41

【アクセス】<自動車>名神高速道路八日市ICから国道421号を永源寺方面へ車で10km<公共交通機関>近江鉄道本線八日市駅から近江鉄道バス永源寺車庫行きで33分、永源寺前下車、徒歩15分

臨済宗永源寺派大本山 永源寺の詳細を見る

臨済宗永源寺派大本山 永源寺(滋賀県)

博物館明治村(愛知県)

博物館明治村(愛知県)

明治をテーマにした屋外型のテーマパークで、日本各地から移築された明治建築の建物が立ち並んでいます。園内は自然が多く、レトロな建物と紅葉の風景が楽しめる穴場的なスポットです。電線などがなく車も走っていないので、街中のスポットよりも撮影しやすいでしょう。園内にはレストランやカフェなど食事休憩できる場所も豊富で、1日中滞在できます。

 

訪問したのは11月下旬の午後からで、ちょうど紅葉のピークの時期でしたのでにぎわっていました。とはいっても敷地が広く、有名な紅葉スポットと比較すればかなりゆったりと撮影できます。特徴のある建物をバックにさりげなく入れるなど、構図に工夫しがいがあります。

【見頃の時期】2019年10月下旬~2019年12月上旬

【住所】愛知県犬山市字内山1番地

【アクセス】<自動車>中央自動車道小牧東ICから3km<公共交通機関>名古屋鉄道名鉄犬山駅から明治村行きバスで20分

博物館明治村(愛知県)

博物館 明治村

住所
愛知県犬山市内山1
交通
名鉄犬山線犬山駅から岐阜バス明治村線で20分、明治村下車すぐ
営業期間
通年
営業時間
9:30~17:00(時期やイベント開催により異なる)
休業日
無休(夏季、冬季に休村日あり、要HP確認)
料金
入村料=大人2000円、シニア(65歳以上)・大学生1600円、高校生1200円、小・中学生700円(シニア(65歳以上)は要証明、大学生・高校生は要学生証。身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳持参で1種・A判定は本人と介護者1名、2種・B判定は本人のみ入村料半額)

旧細川刑部邸庭園(熊本県)

旧細川刑部邸庭園(熊本県)

建物は2016年に起きた地震の影響で閉館中ですが、紅葉の季節は期間限定で庭園が開放され、ライトアップも行われています。植え込みなどの緑や敷石の白など、ほかの色を取り入れやすく、どこで撮っても絵になります。木と木の間隔が広めで、写真の奥行きも出しやすいスポットです。

 

訪問したのは11月下旬で、晴天ではなくほとんどの時間で薄い雲がかかっていました。そのためパッと明るい感じで撮るよりも、露出に補正をかけず、薄曇りのお天気を生かして落ち着いた和の雰囲気を感じさせる写真を心がけました。地面が白っぽいスポットはそんなに多くないので、ほかでは撮れない写真が撮影できます。

【見頃の時期】2019年11月17日~2019年12月2日(公開期間)

【住所】熊本県熊本市中央区古京町3-1

【アクセス】<自動車>九州自動車道熊本インターチェンジから約10km<公共交通機関>熊本城周遊バスしろめぐりんで博物館・旧細川刑部邸前下車すぐ

 

まとめ スマホカメラできれいに紅葉の思い出を残そう!

スマホカメラに搭載されている機能とちょっとした工夫を合わせれば、スマホでも十分にきれいな写真を撮ることができます。作品をSNSに載せれば、美しい秋の景色の記憶を誰かと共有できるのも嬉しいところです。どこかにアップロードしなくてもスマホの中に残っていれば、「あのときはこうだったな」と思い出すきっかけにもなります。写真が苦手な人やあまり撮ったことがない人もぜひチャレンジしてみてください。

 

》》11月~12月が見頃の紅葉スポット紹介記事へ

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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