一生に一度は渡りたい日本の吊り橋

日本全国には約73万の橋が架かっています。その73万分の1、絶景を誇る「名」吊り橋を毎月ひとつご案内しています。今月は徳島にある日本三奇橋のひとつ、「祖谷のかずら橋」をご紹介します。カズラで編まれたフォルムは、冒険の香り!夏休みに秘境の吊り橋へ出かけてみませんか?

今月の吊り橋


祖谷のかずら橋

日本三大秘境のひとつと言われる徳島県の祖谷エリアには、その山深さから平家の落人が隠れ住んでいたという伝説が残っています。

橋の起源については諸説あり「平家の落人が追っ手から逃れるために切り落とせるようカズラで編んだ」「弘法大師(空海)が四国巡行の際に村人の為に作った」という説があります。実際、昔はこの地帯唯一の交通施設でした。現在の吊り橋は、昭和初期に観光用に再建されたものです。

山深い秘境にひっそりと架かる吊り橋は
海外の観光客にも人気

通行料を払ったら早速、渡橋です。渡る際は一方通行で、1回のみ。誰かが歩く度にかずら橋はきしんでゆらゆら揺れるので、手すりにつかまってゆっくり進みます。足下ばかりに目が行きがちですが、周辺に広がる渓谷美も堪能してくださいね。かずら橋を渡ったら、その先にある琵琶の滝まで歩いてすぐです。

足下を見ると、大きな隙間。
歩きやすい靴が必須

50mの絶壁を白糸のように
清流が流れ落ちる

祖谷のかずら橋

完成年 不明
全長 45m
川からの高さ 14m
渡橋料金 550円

渡橋時間 7、8月は7:30~18:30(夜間はライトアップのみ・渡橋不可)

秘境の渓谷にかかる祖谷のかずら橋は、国の重要有形民俗文化財に指定されています。橋の全体を覆うシラクチカズラは重さは6tにもなり、技術の伝承や安全性確保のため3年ごとに架け替えられていて、今年1月にかけかえられたばかりです。硬いシラクチカズラを蒸して柔らかくし、冷え切らないうちに巻き付けて架け替えられました。

手作業でひと月かかる架け替え工事。
今年は初めて見学会が催された

日本三大秘境の祖谷エリアには、立ち寄りたい場所がたくさん。祖谷や大歩危の温泉宿に泊まれば、ライトアップされた祖谷のかずら橋を見ることができます。お出かけの際は山奥に入る前にIC周辺で給油しておくと、ドライブも安心です。

名前(ふりがな)

「ひの字」渓谷展望所は、祖谷渓を代表するビュースポット!祖谷のランドマークでもある「小便小僧」と同じ道沿いです。

名前(ふりがな)

祖谷のかずら橋から30kmのところにある「奥祖谷二重かずら橋」。吊り橋好きの方はもうひと吊り橋、いかがでしょう?