パリ五輪では、バスケットボール日本代表AKATSUKI JAPANの奮闘が連日報じられています。
さらに、バスケブーム再燃の追い風となった映画『THE FIRST SLAM DUNK』も、2024年8月13日(火)より全国一斉復活上映がスタート。アツくなってきた!——ということで、8月号では映画の聖地をご紹介。
「試合中の描写=コート内」の印象が強い作品ではありますが、読み進めれば「あの場所が聖地!」と思っていただけるはずです。
取材・文:353
今月の聖地巡礼トリップは
映画とコミックの
『SLAM DUNK』の聖地へ
※許可のない撮影をしたり無断で私有地へ入ることのないよう、現地を訪れる際にはマナーを守った散策を楽しみましょう。
桃原西公園(沖縄県)
まずは沖縄にある
「聖地」へ!
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主人公は宮城リョータ。沖縄出身であるリョータの生い立ちと成長が、サイドストーリーとして描かれていきます。そのため沖縄の「聖地」が多いです!
まず冒頭。幼いリョータが兄ソータとバスケの練習をしている公園は、沖縄県北谷町にある「桃原西公園」ではないかと言われています。沖縄の地名は読み方に注意! 「桃原」は「とうばる」と読みますよ。
現在はバスケットゴールがないのですが、以前はバスケットコートになっていたそうです。劇中ほどではないものの海も近く、雰囲気を味わえる場所となっています。
桃原西公園
- 住所
- 住所 沖縄県中頭郡北谷町桃原2-1
渡具知ビーチ(沖縄県)
「キノコ岩」が見えるビーチ
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の「沖縄編」で最も印象的なのは、リョータとソータの「秘密基地」がある海岸ではないでしょうか。こちらは「渡具知ビーチ」がそのモデルです。「渡具知」は「とぐち」と読みます。
フォトジェニックな形をした「キノコ岩」が見えるビーチは、見れば「あの場所だ!」とすぐに分かるはず。秘密基地になっていた洞窟は、そのものずばりがあるわけではないようですが、似たような洞窟は見つけることができます。
高校生のリョータが、靴を脱ぎ捨ててシャトルランをしていたのもこのビーチ。洞窟に入るのは危ないけれど、浜でシャトルランはしてみたいですね!
渡具知ビーチ
- 住所
- 沖縄県中頭郡読谷村渡具知
辻堂海岸(神奈川県)
印象的なシーンで
登場する海岸
海岸といえばもう一箇所。映画のラスト、試合を終え広島から帰ってきたリョータが母カオルと向き合うシーンも印象的です。舞台は『SLAM DUNK』の聖地・湘南に戻り、神奈川県藤沢市にある「辻堂海岸」がその場所と言われています。
カオルがリョータの置き手紙を読んでいた流木。右手には富士山、左手には江ノ島。沖縄とはまた違う、海の風景を見ることができます。
心に傷を抱え、沖縄から湘南へ移住してきたカオルたち一家。想いを寄せながら、まち全体を静かに巡ってみてはいかがでしょう。
辻堂海岸
- 住所
- 神奈川県藤沢市辻堂西海岸
森子大物忌神社(秋田県)
相手校のエースが
願掛けをしていた神社
映画『THE FIRST SLAM DUNK』が丁寧に描くのは主人公リョータのみならず。相手校のエース・沢北栄治にまで、しっかりとスポットを当ててくれます。
物語中盤、沢北が“オレに必要な経験を下さい”と願掛けをしていたのは、秋田県由利本荘市にある「森子大物忌神社」(読みは「もりこおおものいみ」)。ラストの感動に大きく繋がってくる、大切なシーンです。
沢北がトレーニングに使っていた300段の石段も実在。沢北のように涼しい顔で“いいね これ”と言える人は少ないと思いますが、混んでいないタイミングであれば挑戦してみるのもよさそう。
森子大物忌神社
- 住所
- 秋田県由利本荘市森子八乙女下99
広島経済大学石田記念体育館(広島県)
山王戦の舞台
インターハイ二回戦で高校バスケ界の絶対王者・山王工業と戦うこととなった湘北高校。劇中でほとんどの時間を占める試合会場の舞台は、「石田記念体育館(作中では「右田記念体育館」)」です。
『SLAM DUNK』を読んでいない人も知っている“あきらめたらそこで試合終了ですよ…?”など、数々の名言が飛び出す山王戦。湘北の奇襲攻撃から始まる一戦は、終了のその瞬間まで目を離すことのできない手に汗握る展開。映画『THE FIRST SLAM DUNK』はこの試合の最初から最後までを完璧に描ききった傑作です。
石田記念体育館は、いま最も熱い『SLAM DUNK』の聖地といっても過言ではありません!
広島経済大学石田記念体育館
- 住所
- 広島県広島市安佐南区祇園5丁目37-1
ここまで、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の聖地をご紹介してきました。映画で初めて『SLAM DUNK』に触れた方も、久しぶりに『SLAM DUNK』に夢中になった!という方も、すっかり原作コミックが読みたくなっていることでしょう。
というわけで! 続けて『SLAM DUNK』の聖地として外せない鎌倉の2スポットをお届けいたします。
鎌倉海浜公園坂ノ下地区の塀
(神奈川県)
表紙に選ばれたスポット
まずご紹介するのは、「鎌倉海浜公園坂ノ下地区にあるタイル模様の塀」です。
『SLAM DUNK』をオリジナルの単行本で揃えた方には馴染みの薄い場所かもしれません。それもそのはず、ここは新装再編版(愛蔵版)の2巻の表紙に選ばれたスポットなのです。
大好きな表紙絵が目の前に広がり感激!あいにくロードバイクはありませんが、さっそく流川気分で塀に登って撮影してみましょ…うん、これ普通に危ないし、神奈川県に怒られるやつでした。
登ってはいけません…
高さ1mちょっとの塀で、上の平らな部分はわずか50~60cmほど。なぜ流川がこのアクロバティックな道を走ろうと考えたのか、ということに想いを馳せつつの撮影を楽しんだら、次の聖地へと向かいましょう!
鎌倉海浜公園坂ノ下地区の塀
- 住所
- 神奈川県鎌倉市坂ノ下25
- アクセス
- 江ノ電(藤沢方面行き)に乗り5分。長谷駅で降り、海の方へ徒歩10分
鎌倉高校前駅の踏切
(神奈川県)
アニメのオープニング映像で
おなじみの光景
続いてご紹介するのは、『SLAM DUNK』の聖地巡礼をする上では欠かせない「鎌倉高校前駅の踏切」!
この場所、アニメのオープニング映像でおなじみですよね。踏切の向こう側で晴子さんが手を振るあのシーンです。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』の公開初日から1年以上経過、朝の9時過ぎ、という条件で行った今回の撮影ですが、いまだにスラムダンクファンが集う大人気聖地。江ノ電が通りすぎる瞬間、線路の向こうに広がる海、どこを切り取っても絵になります。
アニメOPの印象が強いのですが、実はきちんと原作にも登場している聖地。魚住・仙道率いる陵南高校との練習試合後、帰路につく湘北メンバーがこの踏切を渡ろうとしている一コマが描かれていました。
「陵南のモデルは鎌倉高校?」ということも推察できるスポットですね。
ちなみに、鎌倉高校前を走る江ノ電の「車内」も立派な聖地!陵南との練習試合前、部員たちが“足腰の鍛錬だ”と空気椅子を行った場所です
相手は陵南だ!
鎌倉高校前駅の踏切
- 住所
- 神奈川県鎌倉市腰越1丁目1
- アクセス
- 長谷駅から江ノ電(藤沢方面行き)で約15分、鎌倉高校前駅下車。駅から徒歩2分
『SLAM DUNK』の舞台は
いかがでしたか?
バスケットボールという競技の認知度・プレイ人口・技術面の飛躍的向上など、『SLAM DUNK』が日本のスポーツ業界にもたらした功績は計り知れません。
週刊連載を現役で追いかけていた方にも、映画『THE FIRST SLAM DUNK』で心を撃ち抜かれた方にも、皆さまへおすすめしたい聖地巡礼です!