旅のおみやげに欠かせないご当地名物。とはいえ、数ある有名店のなかからどの商品を選んだらいいか迷ってしまうもの。この連載企画では、定番みやげを厳選し、味、大きさ、価格などを比較・分析してご紹介します。
第4回の7月は、見た目も涼しげな奈良みやげの大定番「葛餅」を徹底比較!比べてみるとぷるぷる度や甘さなど、各メーカーの個性が明らかに。
どの「葛餅」がお好み?
取材・文:千原 礼子
葛餅
奈良の大定番!葛餅を食べ比べ
「葛餅」は、奈良で古くから愛される名物和菓子。歴史は古く、江戸時代には吉野地方で採れる葛(くず)の根から作られる葛粉を使用した葛餅が食べられていました。
一方、関東にも「くず餅(久寿餅)」があります。関西の葛餅との違いは原料。関東の「くず餅」は、小麦粉を発酵させたでんぷんを蒸してつくる乳白色の三角形の和菓子です。きな粉と黒蜜をかけて食べるところはどちらにも共通しています。
葛は川沿いや堤防沿い、空き地
など、どこにでも生えている植物
涼を感じさせる透明感のある葛餅は、きな粉や黒蜜を加えて楽しむのが一般的。おみやげとしてはもちろん、天然の素材を使用したヘルシーで身体に優しいスイーツとしても人気があります。
今回、編集部では、奈良県にあるメーカーの中から有名店4社を厳選。各店のプレーンな葛餅を、編集者2名、カメラマン1名の合計3名で実際に食べ比べてみました。
ぷるぷる度、黒蜜の濃さ、甘さ、100gあたりの価格とカロリーの5項目について、それぞれを比較しています。
食べ比べてみた印象
葛もち(天極堂)
吉野晒という吉野地方独自の製法で精製した純白のくず粉は「白いダイヤ」とよばれているそう。4つのなかでいちばんやわらかくもちもちとした触感です。1つは63g(1人分)の大きさ。
くず餅(吉田屋)
ひかえめな甘さとプリプリとした食感が特徴の葛餅です。4つの葛餅の中では、いちばん透明感のある白さでした。ほんの少し酸味を感じるさわやかな味わいです。1つは130g(2人分)の大きさ。
くず餅 吉野紀行
(松屋本店)
4つのなかではいちばん弾力があるかための触感です。甘さがひかえめなので、さらっとした黒蜜ときな粉の香ばしさが引き立ちます。1つは320g(4人分)の大きさ。
吉野風物詩 くず餅
(横田福栄堂)
すこしかための触感でしっかりした弾力がある葛餅です。セットされているたっぷりのきな粉とさらっとした黒蜜がよくあいます。1つは350g(4人分)の大きさ。
好みの葛餅はどれ?
*「ぷるぷる度」はやわらかいものを5にしています。
*「カロリー」は100グラムあたりの数値です。いちばんカロリーが低いものを5としています。
*「価格」は100グラムあたりの値段です。
*「黒蜜の濃さ」はいちばん濃いもの5としています。
涼しげな見た目で人気の葛餅。厳選した4社はいずれも甲乙つけがたい結果で、編集部での人気も1つに集中せず、まんべんなく票がはいりました。
もちもちした柔らかめが好きなら天極堂や吉田屋、甘さひかえめで食べごたえがあるほうがよければ松屋本店や横田福栄堂がおすすめです。また、1人分の個包装になっているのは天極堂の「葛もち」のみ。職場などでのお配り用に最適です。
つるりとして透明感のある葛餅は夏の時期におすすめの水菓子。本場で出来立ての葛餅をいただくのがいちばんですが、みやげとしてはもちろん、気軽に涼を感じられるお取り寄せも手軽でおすすめです。
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