日本全国には約73万の橋が架かっています。その73万分の1、絶景を誇る「名」吊り橋を毎月ひとつご案内しています。
今月は、コバルトブルーの湖がひときわ目を引く吊り橋です。静岡市内から車で2時間ほど走った南アルプスの寸又峡にある「夢のつり橋」。幅は人ひとり分。秘境感たっぷりの絶景吊り橋です。
夢のつり橋
一度は見たい
静寂のコバルトブルー!
南アルプスの山々に抱かれた、美しい寸又峡。吸い込まれそうな青い色の湖に架けられた夢のつり橋が、今、大人気です。6月は、新緑のグラデーションとコバルトブルーやエメラルドグリーンの湖面を見ることができる絶好のタイミングです。
駐車場から夢のつり橋までは、徒歩30分以上。階段もあるので歩きやすい足元で行きましょう。行楽シーズンの“吊り橋渋滞”を考えると、寸又峡温泉に宿泊して早朝を狙うのもいいですね。
「トリップアドバイザー」で「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊橋10選」に選ばれたこともある夢のつり橋
どうして青い?湖の秘密
絵具で色をつけたかのように、どこまでも青いコバルトブルー。それは光の特性によるものです。
夢のつり橋は、寸又川が注ぐダム湖にかかっています。チンダル現象と呼ばれるこの現象は、湖の底まできれいで微粒子やプランクトンなどが非常に少ないこのダム湖ならではの現象。波長の長い赤い光が吸収され、波長の短い青い光が反射されてることにより、きれいな青に見えるのです。
このあたりは「南アルプスユネスコエコパーク」に認定されたエリア。周囲の原生林の新緑と奇跡のコバルトブルーの風景は、秘境の絶景です。
夢のつり橋入場ゲートを抜け歩いていく。
トンネルが見えたら、もうすぐつり橋の入り口
夢のつり橋
完成年 1938年
全長 約90m
高さ 8m
最大渡橋人数 10人
渡橋料金 環境美化の協力金
渡橋時間 6:00~日暮れ前(夏期18:00/冬期16:00)
山深い中にある寸又峡には、昔から木こりの集落がありました。夢のつり橋は、集落を往来する村人の生活道として古くから存在していたようです。その後、昭和初期から昭和50年代には、林業が盛んになりました。つり橋を対岸へ渡り周遊コースを上っていく尾崎坂展望台には、当時活躍していたディーゼル機関車が展示されています。
夢のつり橋の帰着点になっている寸又峡温泉は、アルカリ性単純硫黄泉のとろりとした湯が特徴で今もなお秘湯の趣を残しています。美味しい蕎麦の店やおしゃれなお土産ショップ、足湯カフェなどもあるので、散策も楽しい温泉街です。
遊歩道の入口にある店で
ひと休みしていこう
町営露天風呂「美女づくりの湯」
他に日帰り利用可能な温泉宿も