更新日:2020年12月24日
ハンガリー【ブダペスト】を徹底解説!観光からグルメ・お土産までブダペストの楽しみ方を伝授!
街の中心部が世界遺産となっているブダペスト。ドナウ川の流れと特徴的な歴史建築がおりなす風景はまさに「ドナウの真珠」。夜のドナウ川周辺では、ライトアップされたくさり橋やゴシック様式の建築物が美しく浮かび上がり、ロマンティックな雰囲気に包まれる。そしてヨーロッパ随一の温泉大国でもあるハンガリーは、源泉や浴場が多数点在するのも特徴。ハンガリー土産には伝統工芸品とワインをゲットしたい。多彩なブダペストの楽しみ方をご紹介!
ブダペストの見どころベスト5&エリアガイド
ドナウ川を挟んでブダとペストの2地区に分かれ、どちらも歴史ある建物が建ち並び、趣ある街並み。川沿いの夜景も世界屈指の美しさだ。
ブダペストはどんな街?
ドナウの流れに癒されきらめく夜景にうっとり
歴史建築とドナウの流れが織り成す優美な風景が、「ドナウの真珠」などと讃えられ、街の中心部が世界遺産となっている。ドナウ川の東岸は商業地区のペスト、目抜き通りのアンドラーシ大通りは、バロックやルネサンスなどが融合した折衷建築が美しい。西岸地区のブダには、王宮や漁夫の砦などの歴史スポットが数多く残されている。くさり橋や歴史建築が浮かび上がる、幻想的な夜景もぜひ観賞しておきたい。ハンガリー自慢の温泉浴場も市内各所で楽しめる。
建築
独特なマジャル様式が特徴
19世紀末、レヒネル・エデンらにより独自の工芸・建築様式が生み出された。外壁や屋根にジョルナイ製の色鮮やかなタイルをふんだんに使ったことも特徴だ。
温泉
ヨーロッパ随一の温泉大国
国土全域に1000か所以上の源泉がある温泉大国ハンガリー。ブダペストにも多数の源泉と浴場がある。16世紀には、トルコ式浴場がいくつも建設された。
【ブダペスト】美しい夜のドナウ川を堪能しよう
日が沈んだあとのブダペストは、きらめく夜の光がドナウ川に映し出され、ロマンティックな世界に包まれる。昼間とはまた違う街の魅力を堪能しよう。
ドナウに架かる橋のなかで最も美しいといわれる くさり橋
光の連なる橋に照らされ水面がキラキラと輝く
夜、ライトアップされた橋の電球が、光のくさりのように見えることから「くさり橋」と呼ばれ、ブダペストの夜景をいちだんと輝かせている。正式名称は橋の建設を進めたセーチェニ伯爵の名を冠して「セーチェニのくさり橋」という。ハプスブルク家からの独立戦争、ナチス・ドイツによる破壊と戦後の再建、ハンガリー動乱、そして1989年に自由化を祝う人々が集まった場所であり、市民にとっては歴史をともに歩んできた特別な橋でもある。
マーチャーシュ教会
夜の闇に浮かび上がるゴシック様式の尖塔
レースのベールをまとったようなネオ・ゴシック様式になったのは19世紀後半に入ってからのこと
ドナウの岸辺を美しいドームが彩る 国会議事堂
まるでドナウ川に浮いているかのように輝く
【ブダペスト・ドナウ川さんぽ】王宮の丘周辺
独特の美しい街並みが人々を魅了する歴史を物語る王宮、その対岸には賑やかな広場。川沿いに広がる世界遺産の街を歩く。
マジャル王国の歴史に思いを馳せて
ドナウの西岸・ブダ地区では、丘の上に建つ王宮が最大の見どころ。周辺にも多彩な美を誇る建造物が並ぶ。石畳の小道を歩きながら、中世の景観を楽しみたい。
激動の歴史を刻んできた 王宮
13世紀にベーラ4世が創建。15世紀にマーチャーシュ1世により、ゴシック様式からルネサンス様式に改築され隆盛を極めたが、16世紀にトルコ軍の侵攻により壊滅的打撃を受けた。17世紀、ハプスブルク家の王政下でバロック様式の宮殿として再建されたものの、火災や大戦でまたもや被害を受けた。戦後に始まった修復は1950年代に完成。内部は国立美術館、ブダペスト歴史博物館、セーチェニ国立図書館として公開されている。
王宮の丘の地下迷宮 ブダの宮殿ラビリンス
カルスト台地の上に建つ王宮の丘の地下には、無数の洞窟が存在し、ワインセラーや監獄、戦時中には防空壕としても利用された。その洞窟の一部が地下迷宮として公開されており、冒険心を刺激する観光スポットとして人気。かなり本格的な迷宮だが、案内板もあるので安心。
ペスト地区を一望 漁夫の砦
1896年、建国1000年を記念したモニュメントとして建設が始まり、1905年に完成した白亜の砦。大小7つの塔は9世紀末にカルパチア盆地を占領したマジャル人の祖先を象徴し、その7部族の名前がつけられた。「漁夫の砦」という名はかつてこの場所に魚市場があったという説や漁師組合がこの地を守っていたからという説など諸説ある。
【ブダペスト・ドナウ川さんぽ】国会議事堂周辺ヴァーツィ通り
ドナウ東岸のペスト地区は、中世から庶民の街として栄えてきた。ショップやカフェ、賑わう広場を眺めているだけで楽しい、活気に満ちたエリアだ。
主要観光名所をおさえ華やかな通りを散策
フェレンツィエク・テレ駅の近くにあるパーリジ・ウドヴァルからスタートし、ペストのメインストリートであるヴァーツィ通りを散策しよう。通りを北上すると街のシンボルのくさり橋があり、橋から徒歩5分ほどで重要歴史的建造物の聖イシュトヴァーン大聖堂に到着する。さらにその先には、マジャル様式の美しい屋根が特徴的な旧郵便貯金銀行がある。
華麗な姿をドナウ川に映す 国会議事堂
1902年に完成。外観はネオ・ゴシック様式、中央ドームはルネサンス様式と折衷様式を代表する建物だ。内部は天井や柱などに金箔を使った豪華な造りで、ホールの円蓋の高さは96m。これはハンガリー建国896年の数字に合わせたものだ。夜のライトアップも必見。
100年前にタイムスリップ パーリジ・ウドヴァル
パーリジ・ウドヴァルとはパッサージュ・パーリジ(パリの中庭)の意味。1913年にできた歩行者用アーケード街で、現在店舗はあまり営業していないが、タイムトリップできる独特な空気感を味わいに見学に訪れる人が多い。ガラスブロックやステンドグラスなど当時の美意識が詰め込まれている。
人気の買い物通り ヴァーツィ通り
ブランドショップやカフェなどが並ぶショッピングストリート。歩行者専用の通りには、露店も多く出る観光名所としても有名だ。刺繍製品やワインなど、ハンガリーの特産品も手に入る。さまざまな建築様式も楽しい。
【ブダペスト】美術館&博物館でハンガリー美術と激動の歴史に触れる
民族意識の高まりとともに各地から収集されたハンガリアン・アートの傑作や、ヨーロッパ各地の有名画家の作品が見られる。また、ハンガリーの多面的な歴史をひも解く博物館や、民族衣装、工芸品など独自の文化にふれられる専門博物館も訪れたい。ミュージアムが集中しているのは王宮の丘や英雄広場。ハンガリー美術を鑑賞し、歴史や文化について学ぼう。
見ごたえのあるハンガリー絵画 国立美術館 Magyar Nemzeti Galéria
7万点もの絵画や彫刻などを所蔵し、ムンカーチ・ミハーイ、メルシェ・パール、ロツ・カーロイ、ラースロー・パールなど、19世紀の代表的なハンガリー絵画を展示している。暗い作品が多いなか、パールの明るい色使いやカーロイの女性画は興味深い。
ハンガリーの歴史を知る 国立博物館 Nemzeti Múzeum
1847年に完成したネオ・クラシック様式の博物館。セーチェニ伯爵が寄進したコレクションを中心に、ハンガリー建国前のローマ時代から二重帝国時代、社会主義時代、現在にいたる歴史資料を展示。正面の8本の柱が美しく並ぶ。博物館前広場は1848年の独立運動蜂起の場でもある。
街の歴史を物語る展示品の数々 ブダペスト歴史博物館 Budapesti Történeti Múzeum
王宮の南端にあり、地下室がそのまま博物館に。おもに考古学関連と街の歴史、芸術作品の3つのジャンルから構成される。増改築を繰り返した王宮の設計図や写真も展示。
地下室への階段
この博物館ではどこまで続くかわからない地下室や洞窟に足を進めたい。
ハンガリー伝統料理が味わえるおすすめレストラン!
ヨーロッパ最高峰と称されるマジャルの味
世界三大料理のひとつという説もあるほど、美味だと讃えられるハンガリー料理。肥沃な大地ではぐくまれた食材に、ピリッと辛めの味付けが絶妙。
ゲッレールトの丘のふもとで セゲド Szeged
伝統的ハンガリー料理が主体のレストラン。ドナウのクルージング料理も提供し、魚料理に定評がある。
家庭的で味は太鼓判 キシュピパ Kispipa
料理のバラエティは豊富で、フォアグラを使った料理は、スープ、前菜、メインなど各種あり。ハンガリー伝統料理やサーロインステーキなどのほか、野ウサギやマトン料理など、日本では珍しい食材を試すこともできる。
料理も雰囲気も最高峰 グンデル Gundel
ブダペストを代表する高級レストラン。クラシック音楽をバックに、タキシード姿の給仕が、ジョルナイ陶器に食の芸術品を運んでくる。シャンデリア輝く室内の壁には、美術館ばりの絵画が飾られている。
ハンガリーみやげ 伝統工芸品とワインに魅せられて
陶器や刺繍などの手工芸品をはじめ、豊穣な土地が生んだワインもチェックしたい。
ハプスブルク家御用達 ヘレンド Herend
職人の絵付けの技が光る、世界的な陶磁器のブランド。「ウィーンのバラ」シリーズが有名。
伝統の手工芸品を探すなら フォークアート・ケーズムーヴェシュハーズ Folkart Kézmüvesház
賑やかなヴァーツィ通りから横道に入った路地に面した店。陶器や刺繍、人形など多彩な商品を扱っている。
ワイン試飲のツアーも人気 ハウス・オブ・ハンガリアン・ワイン House of Hungarian Wines
国内22か所の産地からのワインが、500㎡のワインセラーにぎっしり。
【筆者】まっぷるトラベルガイド編集部
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