更新日: 2020年4月13日
ヨーロッパで4番目に小さな国、スロベニア。おそらく観光というイメージではなかなか名前の出てこない国かもしれません。どこにあるのか正確に分からないという方や、スロバキアと混同される方もいらっしゃるかもしれません。それもそのはず、国家としての独立の歴史は浅く、1991年に旧ユーゴスラビアから独立するまで、地図には載っていなかったからです。しかし、今この国に、世界中から観光客が大挙してきています。その理由は、この小さな国スロベニアには他のヨーロッパにはない数々の魅力が凝縮されているからです。
by Gilad Rom, used under CC BY
by Julie Mac, used under CC BY
その一つは自然です。北にはアルプスの絶景、西には美しいアドリア海、中央には「アルプスの瞳」と称されるブレッド湖、あるいは標高3000メートルのトリグラフ山と、様々な自然をこの小さな国の中だけで楽しむことができるのです。
ブレッド湖, by James Southorn, used under CC BY
トリグラフ山, by 29cm, used under CC BY-SA
また、すぐ西に行けば美食の国イタリア、南に行けばプリトビッツェ国立公園やドブロブニクを有するクロアチアがあり、すぐ北に行けばオーストリアの山々と、他の国の観光も共にできることも、観光客が毎年増えている要因なのかもしれません。そしてスロベニアのもう一つの大きな魅力、それがこの小さな国に1万もあるといわれている洞窟群です。まさにスロベニアは世界が驚く鍾乳洞王国なのです。
なかでも有名なのが、ヨーロッパ最大の大きさを誇るポストイナ鍾乳洞、スロベニアの鍾乳洞に関するガイドブックの最初のページに必ずと言っていいほど出てきます。毎年80万以上の人が訪れ、トロッコや展示館などのアトラクション的要素も多彩です。
ポストイナ鍾乳洞, by Dokiai Aikido, used under CC BY-SA
ポストイナ鍾乳洞, by Dokiai Aikido, used under CC BY-SA
ポストイナ鍾乳洞, by Dokiai Aikido, used under CC BY-SA
とはいえ、本当にお勧めなのはそこからさらに離れたところにあるシュコツィヤン鍾乳洞です。どちらかといえば観光アトラクション化されてしまっていて、観光客でいつも混雑しているポストイナ鍾乳洞に対して、シュコツィヤン鍾乳洞は、規模は小さいものの、手がつけられていないそのままの鍾乳洞の魅力があります。実際、ポストイナ鍾乳洞ではなく、シュコツィヤン鍾乳洞の方が世界遺産に登録されている背景には、後者の方が遺産としてそのままの状態で保存されているからだということです。
シュコツィヤン鍾乳洞, by Vicente Villamón, used under CC BY-SA
シュコツィヤン鍾乳洞, by TravelingOtter, used under CC BY
なかでも圧巻なのは、地底にあるグランドキャニオンのような大渓谷です。そこには吊り橋がかけられており、大迫力の中、徒歩で渡ることができます。鍾乳洞の内部は写真撮影が禁止されているので、なかなか映像が紹介されることはありません。ぜひこのスロベニアの地底に隠されたヨーロッパ屈指の絶景をご自分の目でお確かめください。
【筆者】まっぷるトラベルガイド編集部
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