更新日: 2020年4月13日
骸骨のシャンデリアは本物⁉不気味で美しいセドレツ納骨堂へ
チェコの田舎町クトナーホラーにあるセドレツ納骨堂は、まるでこの世の物とは思えない光景が広がっています。1万人の人骨で飾られた納骨堂は、骸骨のシャンデリア、ピラミッド、十字架、骨で作られた様々なモチーフなどがあります。
今回は、不気味さと不思議な美しさを兼ね備える、セドレツ納骨堂を紹介したいと思います。
クトナーホラーってどんな町?
チェコの首都プラハから電車で1時間ほどの距離にある小さな町クトナーホラー。
かつて絶大な財力を誇ったこの町は、ボヘミア王国の主要都市として栄えました。
町には歴史的な建物や教会が多く残されており、後期ゴシック様式の聖バルバラ教会が有名です。1995年にユネスコの世界遺産に登録されました。
筆者撮影
1万人の人骨で飾られたセドレツ納骨堂
そんなのどかな田舎町クトナーホラーに、人骨で飾られた異色の納骨堂があります。
本物の人骨だらけで、とても恐ろしい不気味な場所といったイメージを持つ方も多いと思いますが、クトナーホラーの歴史を知る事で不思議な謎が解けていきます。
どの場所よりリアルな「生と死」の現実に触れる事ができます。
地元では町興しの一環といった存在で、明るい印象。
筆者撮影
【※観覧注意】入り口から人骨レリーフがお出迎え
セドレツ納骨堂は、クトナーホラー駅から徒歩で15分ほどの距離。
外観は普通の教会ですが、入り口をくぐると墓地があり、建物の周辺では発掘調査が行われています。そこで出土しているリアルな人骨に驚くかもしれません。
筆者撮影
セドレツ納骨堂の入場料は、90CZK、有名観光地の聖バルバラ教会、聖マリア教会、セドレツ納骨堂の3か所共通チケットは185CZKでした。
地下へ向かう階段には、巨大な骸骨の聖杯が飾られています。
筆者撮影
筆者撮影
骸骨だらけの納骨堂が生まれた歴史
かつてヨーロッパでペストが大流行した時代に、この地でも多くの人が命を落としました。
その後もフス教徒の宗教戦争でも多くの人が亡くなり、この地に埋葬されたのです。
やがて墓地を拡大する事が必要になり、15世紀始めにはゴシック様式の教会が建てられ、遺骨を納める為の礼拝堂が設置されました。
この時はまだ、骨を納める役割の一般的な納骨堂でした。
筆者撮影
筆者撮影
人骨の装飾はシュヴァルツェンベルク家の依頼
18世紀にイタリアの有名な建築家のジョヴァンニサンティーニによりチェコのバロック様式に改築されました。
現在の奇抜な内装になったのは、19世紀にシュヴァルツェンベルク家が、教会を購入し埋葬されていた人骨を使った装飾を依頼したからです。
教会内には、人骨で作られたシュヴァルツェンベルク家の紋章が飾られています。
筆者撮影
また内装を任された木彫家のフランティシェク・リントは、骨を使って自分の名前を教会内に残しています。
筆者撮影
人骨だけで出来たシャンデリア
膨大な数のを人骨を使ったシャンデリアが特に衝撃的です。人間の体の様々な部分の骨が使用されており、すぐ横に飾られている天使のオブジェは「生と死」の世界を表現しています。
この世の物とは思えない恐ろしい眺めに、命の儚さを感じます。
最後に・・・
いかがでしたか?
今回はチェコの小さな田舎町クトナーホラーにある、セドレツ納骨堂をご紹介しました。
1万人の人骨で飾られた納骨堂は、不気味でありながら不思議と人を惹き付ける美しさを持つ教会です。
【筆者】まっぷるトラベルガイド編集部
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