電源(ELECTRICAL OUTLET)

フランスのコンセントは丸穴が並んでいるもので、対応するプラグはCタイプかSEタイプ。日本と形状が異なるため、持参した電化製品の利用には、プラグの変換アダプターが必要だ。旅行用に汎用型のコンセントプラグを用意しておくと便利。

183656

トラブル対策 TROUBLE

意識を海外モードに切り替えて、つねに注意を怠らない

治安(SAFETY)

パリの治安状況(SECURITY SITUATION)

大都市で、世界中から観光客が集まるパリでは、スリ、ひったくりなどの軽犯罪が頻発している。ひったくりで抵抗して引きずられて負傷する、刃物を突きつけられて金銭を要求されるなど悪質なケースも発生している。 防犯には自分の身は自分で守るという意識が欠かせない。貴重品から手を離さない、高価なものや多額の現金は持たない、周囲に注意し隙を与えない、夜間の一人歩きを避けるなど、防犯の意識を持ち続けるようにしたい。

外務省海外安全情報
www.anzen.mofa.go.jp

日本出国前に「たびレジ」に登録

海外に旅行する際、旅行日程や滞在先、連絡先などを登録しておくと、緊急時にメールや電話で情報提供が受けられる外務省のシステム。渡航先でも登録できるが、日本で登録してから出発するのがおすすめ。
www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg

危険なエリアとスポット(DANGEROUS AREAS & PLACES)

スリの被害は半分近くはメトロで起きている。とくに観光客が多い1号線はスリが多いとされている。同様にルーヴル美術館の『モナ・リザ』前、オルセー美術館、クリニャンクールの蚤の市、ヴェルサイユ宮殿、ノートル・ダム大聖堂など、観光客で混み合う場所ではスリや置引が発生している。シャルル・ド・ゴール空港とパリ北駅を結ぶRER B線も途中で治安が良くない地域を通るため注意が必要だ。ピガールなどの歓楽街があるモンマルトルは夜になるととくに治安が悪くなり、地元住民も注意をする場所だ。ひったくりが発生しているほか、悪質な客引きや暴力バー、ぼったくりバーのような店もある。

緊急時の連絡先

警察Police
[電話] 17
消防署Pompier
[電話] 18
救急車(有料)SAMU
[電話] 15
救急医療センターS.O.S. Médecins
[電話] 01-47-07-77-77 24時間。緊急処置と病院への移送
緊急医療看護SAMU
[電話] 01-45-67-50-50 24時間。往診と医療相談
在フランス日本国大使館Ambassade du Japon
[電話] 01-48-88-62-00
www.fr.emb-japan.go.jp

トラブル事例と対策

空港で

事例➀
シャルル・ド・ゴール空港から市内に向かうタクシーに乗っていた。高速道路の渋滞でタクシーが停車したところ、バイクに乗って近づいてきた犯人に、外から窓ガラスをたたき割られて座席に置いてあった手荷物を奪われた。  

対策➀
バッグなどの手荷物は足元に置いたり、トランクに入れたりして、座席の上には置かない。ブランド品や高価なものを身につけない。つける場合は服などで隠し、外から見えないようにしよう。  

事例➁
手荷物受取所で、機内に預けたスーツケースを取りにいっているわずかな間、バッグをカートに載せたままにしていた。荷物を受け取り戻ってきたら、バッグがなくなっていた。

対策➁
手荷物受取所に限らず、カートの上にあった荷物の置引が多い。わずかな時間でも荷物はカートに置いたままにせず、手から離さないようにする。

街なかで

事例➀  
オペラ座周辺を歩いていたところ、肩に下げていたバッグをひったくられた。バッグを離さず抵抗したところ、引きずられて大けがをした。 

対策➀
道路側にバッグを持たない。上着などで覆ってしまうのも一案。けがを避けるために、バッグから手を離すことも必要。

事例➁
私服警察官を名乗る男たちから、麻薬取り締まりのための所持品検査だと、バッグや財布の中身を調べられた。あとで財布から紙幣が抜き取られていることに気がついた。

対策➁ 
私服警官と称する人物には注意する。身分証明書の提示を求め、本物かどうかを確かめる。可能なら周囲の人や最寄りの警察署に確認をしてもらう。また、偽警官だけでなく率先して財布を見せるおとり役がいる場合もある。

事例➂
パリの北駅でタクシーに乗ろうとしていたら、乗場の近くで運転手がしきりに声をかけてきたのでそのタクシーに乗った。車にはメーターが付いておらず、降りるときに本来の料金の2倍以上の金額を請求された。

対策➂
これは営業許可を得ていない白タク。タクシー乗場から乗り、正規のタクシーを利用する。一度支払った料金は返金されないので、自分なりに目安の料金を計算しておく。

189439

ホテルで

事例➀ 
客室内にパスポートや貴重品、買ったばかりのブランド品を残したまま外出したところ、部屋に戻ってきたらなくなっていた

対策➀
室内に貴重品を残さずスーツケースは施錠を。セーフティボックスはフロントのものを使ったほうが安全性が高い。

事例➁
フロントのカウンターでチェックアウトの手続きをしている際に、足元に置いていたバッグがなくなっていた。ホテルの中なので安心していた。

対策➁
ホテルの中だから安心ということはない。フロントやロビーなど誰でも入れる場所はとくに気を抜かないようにしたい。

メトロで

事例➀ 
メトロに乗車していたところ、4〜5人の子供に取り囲まれ、身動きがとれなくなったうえ、時計を見せてくれと手をつかまれた。騒ぎに気を取られている間に、バッグのファスナーが開けられ、中に入れておいた財布を盗まれてしまった。

対策➀
バッグのファスナーや留め具をしっかりと閉め、開閉部を内側にして体の正面でしっかり抱え込む。パスポートや貴重品などは外側のポケットなど他人から簡単にわかる場所に保管しない。

事例➁
券売機で回数券を買おうとしていたら、そばにいた男が自分から買うように話しかけてきたので、正規料金で購入した。料金分の回数券を受け取ったので安心して別れたが、あとで確認したところ、半額の子供用の回数券だった。

対策➁
乗車券は券売機か窓口で購入し、売りつけようとする人は相手にしない。そうとは知らずに子供用の回数券を使って乗車すると、検札の際に罰金を科せられるのでなおさら注意が必要だ。

レストランで

事例➀ 
ホテルの朝食ビュッフェで、テーブルに荷物を置いたまま料理を取りに行ったところ、席に戻ってきたらバッグがなくなっていた。

対策➀
ホテルのレストランも公共の場。荷物から目を離さない。料理は荷物を持って取りに行くか、同行者と順番で。

事例➁
カフェで足元にバッグを置いて食事していたところ、気がついたらバッグがなくなっていた。

対策➁
足の間に置いても触れていなければ盗まれても気づけない。バッグを体と密着させる。

病気╱けが(HEALTH)

旅行者がかかりやすい病気(DISEASE)

●過労 
時差ボケや移動の疲れが残ったまま、強行日程をこなそうとすると疲れがたまる。ときにはゆっくり休むことも必要だ。

●風邪 
夏も冬も乾燥しており対策が必要だ。夏場でも夜は冷え込むので、上着の用意は必須。寒暖差による風邪の予防を。また、冬場の寒さはかなり厳しいので防寒対策を厳重にしたい。

●下痢・胃腸疾患 
パリの水は石灰分が多いのでお腹をこわしやすい。また、フランス料理や洋菓子にはバターやクリームなど、動物性脂肪がたっぷりの重いものが多く、胃腸に負担がかかる。

193401

交通事故(TRAFFIC ACCIDENT)

フランス人は荒い運転をする人が多く、運転マナーは良くない。車やバイクには十分な注意を払いたい。レンタカーを運転し、事故を起こす旅行者も多い。とくに慣れない右車線の運転で、反対車線に飛び出してしまうケースが目立つ。

197372

パリの救急医療システム

フランスではSAMU サミュという救急医療システムが発達している。電話を受けた救急センターの医師やオペレーターが、通報内容に応じて適切な医療をアレンジしていく仕組みだ。医師が同乗し医療機器が備え付けられた救急車や、医師の往診が手配されることもあれば、電話によるアドバイスで済むこともある。電話番号は15。救急車の利用は有料だ。

海外旅行保険(TRAVEL INSURANCE)

旅行中は日本の健康保険は使えないため医療費は全額自己負担。フランスの医療費は高いので海外旅行保険には必ず加入し、保険契約証を忘れずに。

パリの病院(HOSPITAL)

フランスの医療水準は高く、施設の充実した総合病院が多数ある。日本語が通じる病院なら、なおさら安心だ。診察料、入院費は日本と比較すると高額。     

[日本語が通じるおもな病院・医師]
アメリカン・ホスピタルAmerican Hospital of Paris
[電話] 01-46-41-25-15(24時間、日本語) 
診療科目●総合病院

ドクター・ドゥイエブ Dr. Douieb
[電話] 01-46-03-37-24 
診療科目● 内科、小児科、産婦人科

近藤毅医師
[電話] 01-42-79-03-81 
診療科目● 循環器内科、内科

パリの薬局(PHARMACY)

緑色の十字の看板が薬局の目印だ。フランスは医薬分業なので、医師からの処方箋を示し薬を購入する。年中無休、24時間営業している薬局もある。

緊急時の対応

保険会社の提携病院へ

保険会社に連絡
日本語で相談することができ、提携している病院の紹介や予約の代行、医師の往診の手配をしてもらえる。
治療
キャッシュレス・サービスが利用できる場合は、医療費を自分で支払う必要がない。一度自分で支払いをする必要があるときは診断書と領収書をもらい、保管する。保険会社に連絡した際に必要な書類や補償の対象を確認しておくとよい。

緊急を要する場合

救急車で病院へ
ホテルのフロントに連絡、相談し、救急車を呼んでもらうなどして病院へ向かう。
治療
医療水準は高いので安心して治療を任せられる。医療費は自分で支払い、後日保険会社に請求する
保険会社に連絡
診断書、病院、薬代等すべての費用の領収書を保管し、保険会社に送付。医療費を請求。

盗難╱紛失(THEFT & LOST)

盗難╱紛失の際の対処(IN CASE OF THEFT & LOSS)

貴重品の盗難、紛失に遭ったら、まずクレジットカード会社に電話を。すぐにカードを止めて不正利用を防ぐ。次に警察に届け出て盗難(紛失)証明を作ってもらう。警察署によっては英語が通じたり、日本語併記の書類が用意されていることもある。日本大使館のHPでは、被害届作成の依頼書をダウンロードすることができる。被害届を受け取ったら、下記を参考にそれぞれの対応を。残念ながら盗まれたものが返ってくる可能性は少ない。

206440

盗難・紛失に備える

●パスポート
顔写真があるページのコピーをとっておくか、パスポート番号や発給日、発行地などを控えておき、パスポートとは別の場所に保管しておく。

●クレジットカードカード
番号と有効期限、発行会社の緊急連絡先を控えておく。暗証番号は絶対に他人に教えないこと。暗証番号を書いたメモなどをカードと一緒にすることも避けたい。不正使用されても補償されないことがある。

●航空券(eチケット控え)
eチケット控えは、航空会社の窓口で無料で再発行してもらえる。本人確認のため、購入時に使用したクレジットカードやパスポート番号が必要。便名や出発時刻は別に控えておきたい。

1 2 3 4 5

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。