スペイン【アンダルシア】の知られざる生活
スペインで一番世界遺産(UNESCO)の多いアンダルシアは、スペインらしい建造物が1番残っていると言われています。 イスラム文化とローマ人の歴史が今も残るところ。 日本からのツアーなどでは、あっとい...
更新日:2020年4月13日
ナスル宮殿や庭園をまわったら、グラナダを見晴るかすアルカサバや、周囲とは異質な雰囲気を醸し出すカルロス5世宮殿へ。
グラナダを見守る難攻不落の要塞
宮殿の西端に位置し、入場にはチケットチェックが必要。高台にそびえる宮殿のなかでも最も堅牢な軍事要塞で、周囲をめぐる城壁やベラの塔に上れば、グラナダ市街を一望のもと、見渡すことができる。長い階段を上ることになるので、十分に休憩してから見学しよう。
かつて城壁内にあった職人の家や貯水槽、地下牢など設備の土台部分が残る兵器の広場
ベラの塔に上るとグラナダ市街や街を取り囲む平原、シエラネバダ山脈などが見渡せる
レコンキスタ後に造られた建造物
1492年のレコンキスタ終結後、グラナダを新たなスペインの都にしようとした国王カルロス1世が建設した新宮殿。16世紀のルネサンス様式で造られており、現在、内部にはナスル朝のコレクションを収めたアルハンブラ博物館がある。博物館以外は自由に入ることができる。
ローマ風建築を思わせる円形の中庭。大きく開いた空間はイスラムのパティオとは異なる
アルハンブラ宮殿内ではとくに大きな建物で、独特の存在感
歩き疲れたらここで休憩
宮殿の観光は、長い距離を歩きまわることになる。パラドールに宿泊すれば、途中で気楽に休憩ができ、夜のライトアップも見られる(施設内は別途チケットが必要)。宿泊者以外もレストランは利用できる。
建物は15世紀建造の修道院を、ホテルに改装したもの
イスラム建築の神秘的な雰囲気をつくり上げている要素を知れば、アルハンブラの建築はもっと興味深く見ることができるはず!!
アラベスク arabesque
建物内の壁をぎっしりと埋め尽くす紋様。イスラム教では偶像が禁じられているため、人や動物をモチーフとせず、直線や曲線、花や植物のつるを組み合わせたり、装飾文字のカリグラフィーが使われた。
タイル tile
イスラム建築に欠かせないのが、室内に鮮やかな色彩を与えるタイル。アラビア半島では青が基調だが、スペインでは、黄色や緑などの多彩な色合いが使われた。
パティオ patio
現在はスペインの建築にはつきもののパティオ(中庭)も、イスラムがもたらしたもの。砂漠地方の暑さをやわらげるため、木々を植え、噴水や泉などが置かれた。
ムカルナス muqarnas
アーチやドームの下部を飾る、細かな漆喰細工を組み合わせた装飾。鍾乳洞のような見た目の、独特な雰囲気をつくる。
アーチ arch
アーチ構造自体は普遍的なものだが、スペインのイスラム建築では、装飾として多用された。馬蹄形アーチや多弁形アーチなど発展形もよく見られる。
夏季の火〜土曜、冬季の金・土曜は、夜にナスル宮殿とヘネラリフェに入場することができる。昼とは打って変わった静かさのなか、ほのかな明かりに照らされた宮殿や庭園は、まさにアラビアンナイトの世界のよう。
予約方法
購入方法は通常の入場チケットと同様だが、ナスル宮殿とヘネラリフェはチケットが別になっているので注意。入場する日にちと時間帯を選ぶ。夏季は22:00〜、冬季は20:00〜。
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闇夜に浮かぶコマレス宮の塔
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