【パリ】ヴィンテージショップ&古着屋めぐり!
今回紹介したいのは、観光名所を回る旅行とはまた一味違うパリめぐり。パリにはたくさんのヴィンテージショップが存在します。人と同じなんてつまらないと、オリジナルであることを重要視するパリジャンたちの多くは...
更新日:2020年4月13日
世界中の人々を魅了してきた街、パリ。建築の世界でもさまざまな時代の傑作建築物がこの街の多彩な魅力をつくっている。
紀元前8世紀から紀元後4世紀まで、ローマ人の支配地域での建築を古代ローマ建築と呼ぶ。その後、キリスト教会堂を主役としてロマネスクの時代となる。
パリの前身であるルテシアは、カエサルによるガリア(現在のフランスからベルギーにかけての一帯)制圧によって、ローマ軍の拠点とされた都市のうちのひとつだ。おもにサント・ジュヌヴィエーヴの丘周辺に北ガリアの拠点としての都市が築かれた。
このローマ支配下だった頃の建築物で、現存するものは2つある。中世美術館の裏側にひっそりと建つ公共浴場と、モンジュ通りから建物をくぐると開けるリュテス闘技場の遺構だ。
公共浴場は比較的良い保存状態で残っている。紀元200年頃に造られたといわれ、天井の交差ヴォールトの構造も確認できる。アーチの柱頭を飾る彫刻から、水運に関係のある人々によって建設されたといわれている。
リュテス闘技場は2世紀末の建設とされ、剣闘の試合場、劇場として使われていた。現在は、子供たちの良い遊び場になっているが、東側にある壇がステージだった。雨水は排水管によって流されるようになっていた。
1860年、オスマンによるパリ大改造のときに見つかった遺跡。直径約46m、1万7000人を収容する劇場だ。
11世紀、西ヨーロッパにおいてキリスト教の教会建築として発展した様式。石造りでどっしりとした、素朴な外観が特徴だ。壁面全体で構造を支えているため、窓を大きくとることができず、内部は薄暗い。石を用いた建築は当時の最先端の技術を駆使していた。とくに石やレンガで造ったアーチを連続させたり、回転させて造る円形の天井をヴォールトといい、半円筒形に石材を組んだトンネル・ヴォールトや、それを直交させた交差ヴォールトなど、多くの技術が発展した。
内部はフレスコ画や彫刻を施した柱頭などで飾られている。入口の壁面や柱には宗教的な題材の彫刻が彫られることも多い。
パリに残るロマネスク建築で代表的なのは、サン・ジェルマン・デ・プレ教会。ロマネスクの特徴である放射状祭室が採用されている。幾度となく改修工事を施されているが、内陣の円柱群と鐘楼はロマネスク様式のものだ。
パリでは最も初期の教会。大理石とモザイク、金箔が貼られたブロンズの装飾で知られた。
モンマルトル女子大修道院の礼拝堂として12世紀末に建立。以後修復を重ねて現在の姿に。建物の正面は18世紀のもの。
12世紀後半、北フランスで熱く支持されたゴシック建築は国中に広まる。1495~1525年の間、フランスはイタリア侵攻を通じてルネサンス文化に触れる。
ゴシック建築の主役は大聖堂。ロマネスクのどっしりとした風貌から変化し、尖塔が天へ伸びる垂直性が強調された骨組、光のある空間を実現するための飛び梁や控え梁などが開発された。これらが壁や梁にかかる負担を減らし、脇から支えたので、天井は高くなり、壁はステンドグラスに置き換わり、内部に大きく光を採り込むことができるようになった。多彩な光に満ちた空間は、民衆に神の存在を感覚的に理解させるのに十分な荘厳さを持っていた。
フランスのゴシック様式は、初期、古典、レヨナン芸術、フランボワイヤン芸術と展開する。
初期ゴシックはパリのノートル・ダム大聖堂が有名だ。パリを中心とする北フランスで生まれ、完成されたゴシックは古典期(1190~1220年)を通じて各地に伝えられていく。レヨナン芸術期(1230~1360年)の建築、サント・シャペルの見事なステンドグラスも、この時期ならではの造形だ。
1163年の着工から約200年の歳月をかけて完成したゴシック建築の大聖堂。名は「われらの貴婦人」で、聖マリアを指す。
建築家ピエール・ド・モントルイユが1248年に建設した教会。『創世記』など約1100に及ぶ聖書の物語が描かれたパリ最古のステンドグラスが圧倒的。
「ルネサンス」とは、「再生」を意味する。ルネサンス建築はおもにイタリアの15〜16世紀の建築様式のことで、諸国に伝わった先で進化を遂げたものも指す。均衡、水平性を重視したシンメトリーが造形の中心となり、調和のとれた姿こそが美しいとされた。
百年戦争の終結後、フランソワ1世が1495~1525年にかけてのイタリア侵攻によりルネサンス文化に触れる。王はレオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、優れた芸術家や職人を連れ帰り、ロワール川沿いの城館建設などにルネサンス様式を取り入れた。その後、フィリベール・ド・ロルムやフォンテーヌブロー派などフランス人建築家により、古典的要素をフランス流に昇華した独自のルネサンス様式が誕生する。
現在、パリに残るルネサンス建築はルーヴル宮のクール・キャレ部分やカルナヴァレ館、ポン・ヌフ、リュクサンブール宮殿などだ。
アンリ2世のパリ入市を記念して造られたイノサンの泉。アーチのニンフ像には優雅なフォンテーヌブロー派の特徴が見られる。ルーヴルの装飾を手がけたグジョンによる。
ピエール・レスコーによって1548年に建設されたが、そのあと大幅に改造された。オリジナルで残っているのは四角い窓と人物像が飾られた3層の中央部分。※2019年まで改装のため閉館
静的で荘厳な古典主義様式はフランス人に愛された。イタリアから導入されたバロックは絶対王政下で独自の進化を遂げ、華やかな建築が街を彩っていく
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