バルセロナ弾丸旅行に最適!いいとこどり観光スポット!!
フランスからイタリアへ、イギリスからドイツへなど、なんといってもヨーロッパ滞在中はひとつの国に限らず簡単に近隣の国へ移動できるところが魅力!今回はヨーロッパの中でもパワフルなエネルギーがうずまく都市の...
更新日:2020年4月13日
幻に終わった、ガウディ理想の公園都市計画 グエル公園
石と鉄で曲線を表現し、自然と融合した集合住宅 カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)
地中海がテーマの住宅は自然の曲線美で表現 カサ・バトリョ
ガウディが手がけた小邸宅 グエル邸
イスラム様式の影響が見える建築 カサ・ビセンス
ガウディの生涯のパトロン、グエルがガウディに依頼した都市開発プロジェクト。当初60戸の住宅を建設する予定だったが、売れたのは結局2戸。その後グエルの死などから未完に終わり、公園だけが残された。色とりどりのタイルを使った「トカゲの噴水」やベンチが有名。公園の敷地は斜面になっているので、見晴らしも最高だ。
着工 1900年
竣工 1914年
by fotolia - © Vladyslav Danilin
高台の広場からの眺望は絶景
正面エントランスを入ったところにある巨大な階段
公園内の人気者「トカゲの噴水」は記念撮影に並ぶ人が後を絶たない
10, by allisonfender, CC BY-ND
広場ではたくさんの人が思い思いに過ごす
by fotolia - © Sylvain LANDRY
公園を囲む外壁にあるタイルで作られた円形のシンボル。「Park」と「Güell」がある
列柱の上に広がる広場からはバルセロナの市内が一望できる。広場を囲うように設けられたベンチは人間工学に基づいて設計されたもの。ぜひ座ってみたい。ガウディ特有の破砕タイルで華やかにデザインされており、制作は助手のジュジョールによるもの。
by fotolia - © Arpad
かわいらしいタイルの模様は必見
ドーリア式の列柱86本が並ぶ空間は、この地が住宅地として計画されていた際に、住民が使用する市場になる予定だった。柱の中は空洞で、上の広場に溜まった水が流れるようになっている。
by fotolia - © XtravaganT
天井にはさまざまなデザインのモザイク飾りが並ぶ
広場へと続く入口の階段なかほどで、公園でいちばん人気の「トカゲの噴水」が出迎えてくれる。この公園全体に見られる、破砕タイルで装飾されている。
by fotolia - © XtravaganT
広場のベンチなどとと同じく、モザイクはガウディの弟子のジュジョールが手がけた
公園内には3か所に回廊が設けられているが、これは高さの違う地形を生かしたまま、公園内を行き来しやすいようにするため。傾いたアーチは、土地の傾斜を利用し力を分散させるデザインとなっている。なかには女性の形をした柱も。公園の奥へ進むほど、自然に溶け込むようなデザインになっている。
柱の表面は石で覆われている
入口両側に並ぶメルヘンチックな建物が、この広大な公園に対する期待感を高める。それぞれ守衛所、公園事務所として造られたが、現在ではおみやげ売り場になっている。
by fotolia - © Ivan Abramkin
屋根の上にはガウディ建築につきものの立体十字架
園内にある、ガウディが晩年を過ごした家を博物館として公開。巨匠の生活が垣間見られる。ガウディが使用していたものや、自身がデザインした家具が展示されている。
2戸だけ売れた住宅。その買い手はグエルとガウディだった。
それらの住宅は現在小学校、ガウディ博物館として利用されている
独特の形状からバルセロナ市民に「ラ・ペドレラ(石切り場)」の愛称で親しまれるガウディ後期の作品。地中海の巨石を思わせる造形は、カタルーニャの聖地である、モンセラットの奇岩をモチーフにしたもの。本来は実業家ペレ・ミラの結婚に際して受注設計した邸宅。最上階は現在、ガウディ建築についての博物館となっている。
着工 1906年
竣工 1910年
by fotolia - © oben901
通りの角に位置するカサ・ミラだが、角の部分も曲面で表現されている
当初は、建物上部にマリア像の設置が予定されていた。しかし1909年当時、宗教建築物が放火されるという暴動が起こり、施主のミラ夫妻が設置に反対したため設置されることはなかった。
by fotolia- © ronnybas
波打つ外壁は夜にライトアップされるとより幻想的
内部は吹き抜けになっていて、開放感たっぷり
曲線と奇妙な煙突で構成された、まさに空中庭園
建設当時のブルジョワ階級の居住空間を再現したもの。いくつかの部屋は、現在もなお住居として使用されている
6階建ての邸宅の屋上からは、バルセロナの街が一望に収められる。ここから望む山々の傾斜を模して造られたといわれる建物の屋上には、山の峰をかたどったような形や、兜をかぶった兵士のような奇妙な形の煙突が並ぶ。
入口を入って最初に通るのが円形の中庭。広い敷地内に2か所設けられた。ガウディ建築によく見られるように、建物全体の採光を考えた設計となっており、上層階に比べ自然光を採り込みにくい下層階は、窓が大きく設計されている。真下から見上げると楕円形に切り取られた空が劇場効果を生み出している。
建物の中心の中庭はスペインの伝統的な様式
住居部分は当時のまま保存されており、実際にカサ・ミラ内部での生活の様子がうかがえる造りになっている。ガウディ・デザインのイスも置かれていて実際に座ることもできる。中庭を囲むように造られた廊下には明るい日差しが入る。
人間工学に基づいて作られたイスは座りごこちがいい
採光と空間の広がりを重視した大小さまざまなアーチが連なる屋根裏空間は、カサ・バトリョにも見られるガウディ建築の特徴。現在はカサ・ミラのミニチュアやイスなどが置かれたギャラリースペースになっている。
懸垂曲線のアーチが屋上階の床の支えとなっている
ガウディ作品の精巧な模型を展示
カサ・ミラの見学のあとは、邸内のカフェでひと休みを。いかにもガウディ建築らしい波打つ天井をはじめ、内装のほとんどはオリジナルのまま。優雅な空間でゆったりした時間を楽しめる。カフェとしてだけでなく、レストランとしてもおすすめ。
波打つ天井。大きな窓から差し込む光の角度で微妙にその表情を変える
カフェオレ€2.50とフルーツ盛り合わせ€6.50
もとは1877年に建てられた集合住宅。自邸のデザインが気に入らなかったオーナーのバトリョが、隣接するカサ・アマトリェール(⇒P.21)に対抗すべく、ガウディに増改築を依頼。地中海にインスピレーションを得て造られたといわれている。入場料にはオーディオガイドも含まれる。日本語もあり。
着工 1904年
竣工 1906年
Window of Casa Batlló, 2017, by ElleFlorio, CC BY-SA
グラシア通りに面した2階のサロンはバトリョ邸最大の見どころ。ガラスや手すりの曲線美を堪能しよう。改築ではあるものの、まったく違う建物に変貌を遂げたカサ・バトリョ。ガウディが手がけたのは、地下と1階の拡張、6階と屋根裏部分の増築、内装の全面的な変更など。
徹底して曲線だけでデザインされた建物の内部は、壁と天井の境界線もわからない。照明を中心に渦を巻くようにデザインされた天井、波打つようなラインの窓枠など、建物全体を取り巻く曲線美に注目しよう。
渦巻くようなかたちのメインフロアの天井
階段の手すりから続く、生き物の背骨のようなデザインはそのまま屋根へと続く。鱗のような屋根瓦と相まって、まるでドラゴンが屋上で舞っているよう。
曲線を多用した屋上
バルコニーや柱は動物の骨を連想させるデザイン。外壁には円形タイルと色ガラスを使用。タイルを貼る位置などは、ガウディが石工に直接指導した。タイルのまわりは鮮やかに、タイルから離れるほど、建物の地色である灰色に近い色が採用された。
by fotolia - © rbkelle
かわいい淡い色合いのタイルで外壁は飾られている
by fotolia - © Vladyslav Danilin
外から見た2階のサロン
グエルのためにガウディが増改築を行なった豪華な邸宅は2011年に修復を終えて全館公開に。2階の礼拝堂は、まさにガウディならではの小宇宙を構成している。
着工 1886年
竣工 1889年
中央部分は吹き抜けになっており、豪華な装飾の礼拝堂がある。天井のドーム部分には、採光のために小さな穴が開けられている
カサ・ミラやカサ・バトリョにも見られる奇抜な煙突のデザインは、グエル邸から始まった。煙突は全部で20本立っているが、すべて違うデザインが施されており、とても鮮やか。
煙突は大理石やタイルでできている
簡素な外装とは対照的に、内部の装飾は細部までとても豪華で目をひく。天井も各部屋ごとに違う意匠が施されているので注目したい。地下は馬小屋、中2階は書斎、2階は応接サロン、3階が寝室となっている。
美しい木製の格子が天井を飾る
タイル業者だったマヌエル・ビセンスの依頼でガウディが建てた邸宅。アルハンブラ宮殿やムデハル様式の影響を受けている。完成して10年後にビセンスは死去。ジョベル家に売却された。2014年にモラバンクが購入し、博物館として整備。公開は2017年4月。
着工 1883年
竣工 1885年
市松模様にタイルを使った直線的デザイン
繊維業者のカルベットが建築の依頼主。建物の1階は現在、同名のレストランとなっている(要予約)。ガウディはこのモデルニスモ作品で1900年の第1回「建築年間賞」を受賞した。
着工 1898年
竣工 1900年
by fotolia - © BRIAN_KINNEY
バロック様式のファサード。窓の装飾など細部にガウディらしさが見られる
ガウディらしい躍動的なラインの門と塀。中央の広い開口は馬車用の出入口として、脇にある鉄扉付の小さな門が歩行者用として設計された。現在は中央にガウディの銅像が建てられている。
着工 1900年
竣工 1902年
大きく張り出した屋根と上部の鉄細工が目をひく
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