更新日:2020年4月13日
スペイン旅行【バル】を朝から夜まで、徹底活用のススメ!
日本でも大人気のスペイン・バル。本場の味が楽しめるほか、朝・昼・夕すべてに対応してくれる旅行の強い味方でもある。
バルを活用するキホン
知れば知るほど好きになるバルの世界へ。ドアを開いて飛び込もう。
バルってどういうところ?
バルは日本ではお酒を飲むところというイメージだが、出勤前のコーヒーやスペイン風サンドイッチ・ボカディージョなどの軽い朝食、ボリュームあるランチなど、幅広く利用されており、レストラン、カフェ、居酒屋を兼ねたような存在。多くの店が昼休みなしで開いていて、軽食はいつでも注文できる。街のあちこちで見つかり、食事以外にも、トイレを借りる、地図を見るなど、休憩所としてもコーヒー1杯から気軽に利用できる。
タパスってどういう料理?
タパスとは、さまざまな小皿料理を指し、店ごとにそれぞれに工夫されたスペイン料理を味わうことができる。もとは「蓋をする」という意味のスペイン語から派生した言葉で、その昔パンやサラミなどのつまみでワイングラスに蓋をし、ハエがたかるのを防いだことに由来する。
バルの上手な使い方
入店から会計の流れをチェック。カジュアルな場なので、初めての利用でも心配しないで!
1 まずはあいさつ
店に入ったら「¡ Hola!(オラ)」と店員にあいさつ。席の案内はないのが一般的なので、好きな場所へ。テーブル席やテラス席に座るとカウンターに立つより料金が高い場合もある。
2 注文しよう
カウンターなら奥にいる店員に直接、テーブルやテラスの場合は注文を取りにくるので、飲み物からオーダーする。料理が並んでいる店では、指さして「Quiero esto.(キエロ・エスト これが欲しい)」と言えばO K。
3 最後にお会計
注文時や料理と交換の場合もあるが、最後にまとめて席で支払うことが多い。注文したものと一緒に勘定書を店員が持ってきたらその場で支払う。
関連リンク
朝食も、ディナーも。 バルの一日
人それぞれだが一日5食といわれるスペインの食習慣。バルはすべてに対応している。
8:00〜 朝食 desayuno 目覚めは軽い食事で一日をスタート
クロワッサンや菓子パンと、コーヒーやオレンジジュースなど、最初の食事はごく軽め。飲み物だけで済ます人も多い。ホットチョコレートとチュロスなど甘いものも好まれる。
カフェ・コン・レチェ(カフェオレ)が定番
11:00〜 昼の軽食 almuerzo 遅い昼食までのつなぎに
昼食が遅い時間なので、それまでにいったんボカディージョ(サンドイッチ)などを間食にとることが多い。オフィスでもこの時間帯に短い休憩が取られている。
パンでハムなどを挟んだボカディージョ
14:00〜 昼食 comida 一日のなかでいちばん大事な食事
最も量が多い食事で、一度帰宅してから、続くシエスタも合わせて2〜3時間かけてゆっくりととるのが伝統。バルではmenú(メヌ)という定食が提供される。
パエリヤなどご飯ものは、昼に食べる
19:00〜 夕方の軽食 merienda 夕食前のおやつの時間
日が暮れるのが遅いスペインでは、まだ明るい時間帯。仕事後の帰りがけにバルやカフェに立ち寄り、デザート=postre(ポストレ)を食べたり、タパスとビールなどをつまんだりする。
バルセロナの伝統ケーキ、クレマ・カタラナ
22:00〜 夕食 cena 遅い夜が訪れたら軽いごはんを
は21時頃にようやく暗くなる。レストランでディナーが始まるのは20時頃。この時間帯になると、バルは夕食をとる人で混み始める。サラダやスープなどで軽めに済ます人が多いようだ。
深夜までバルは賑わうが、無理に合わせずに
まずは定番!スタンダードなタパス Tapas
なじみやすいものからスタート。日本でも人気の料理がいっぱいの定番のタパスをどうぞ。
アヒージョ Ajillo
にんにくの香りを移したオリーブオイルで、エビなどを煮る、日本でもメジャーになった定番タパス。香ばしい香りとともに、素焼きの小鍋でぐつぐつとするさまが食欲をそそる。
クロケタス Croquetas
スペインのコロッケはベシャメルが中心。なかにはじゃがいもを使ったクロケタス・パターテなども。
ピンチョス Pinchos
パンの上にアンチョビやハムなどをのせ楊枝で止めた、一口サイズのおつまみ。発祥地のバスク系のバルではさまざまな種類がずらりと並ぶ。楊枝の数で勘定する。
ピミエントス・デ・パドロン Pimientos de Padrón
ガリシア地方原産で日本のししとうに似た野菜はタパスの定番。オリーブオイルで素揚げにして塩をぱらり。ビールにぴったり。
ハモン Jamón
注文が入るたびにナイフで薄切りにしてサーブしてくれる生ハム。ドングリをエサにして育てる高級黒豚で作るハモン・イベリコや、もう少し一般的な白豚で作るハモン・セラーノなど。
プルポ・フリートス Pulpo fritos
タコの唐揚げ。タコはスペインではよく食べられている食材で、茹でてパプリカをかけたガリシア風がよく知られている。
パタタス・ブラバス Patatas bravas
フライド・ポテトに、辛くて赤いブラバスソースとにんにくマヨネーズをかけたもの。
トルティーリャ Tortilla
油で揚げたじゃがいも入りのオムレツ。スペイン人なら誰もが好きな定番。具によってさまざまな種類があり、冷たくてもおいしい。
お気に入りを見つけよう! 名物料理にチャレンジ
雰囲気に慣れたら、大皿料理(Racionラシオン)や、各店自慢の料理を味わいたい。
サラダ&スープ Ensaladas & Sopa
オリーブオイルと塩程度の味付けで、素材の味を生かしたものが多い。
ベルドゥラス・アサーダス Verduras Asadas
料理名はそのまま野菜の鉄板焼き。なすやズッキーニなど夏野菜を、おいしくいただける。
エスケイシャーダ Esqueixada
たらや玉ねぎをマリネにしてサラダ風にする。カタルーニャ地方の郷土料理。
エスカリバダ Escalivada
オーブンで焼いた野菜のサラダ。カタルーニャ地方の郷土料理。
アホ・ブランコ Ajo blanco
「アホ」はにんにくのこと。アーモンドを使った白いガスパチョ。
ガスパチョ Gazpacho
アンダルシア地方名物の野菜の冷製スープ。トマトが入った赤いものが一番人気。
米料理 Arroces
米料理はボリュームがあるため、昼に食べられることが多い。
フィデワ Fideua
パエリヤを細いパスタで作ったカタルーニャ地方の料理。写真はイカ墨のフィデワ。
パエリア Paella
魚介のうまみを吸った米が美味。注文は2人前からのことが多い。
パエリアの豆知識
パエリアはパーティなどに出すハレの日の料理で、スペインでは日常的にはあまり食べられていない。ただし木曜だけは例外で、通常メニューにないバルでも、日替わりメニューとしてパエリアが出されている。
魚介料理 Mariscos & Pescados
海鮮料理は海に面したカタルーニャ地方でとくに豊富。
アルメハス・ア・ラ・マリネラ Almejas a la Marinera
あさりの漁師風と呼ばれる煮込み料理。トマトソース、にんにく、サフランなどで新鮮なあさりをさっと煮て食べる。
ボケロネス・エン・ビナグレ Boquerones en vinagre
いわゆるいわしの酢漬けだが、人気のバルでは自家製にこだわる。ビネガー、にんにく、オリーブオイル、ローリエなどで店ごとに違いを出す。
ナバハス・ア・ラ・プランチャ Navajas a la plancha
マテ貝はスペインではよく見る食材。シンプルににんにくとオリーブオイルで。
肉料理 Carnes & Embutibis
肉料理はマドリードのあるカスティーリャ地方の名物。
カジョス Callos
牛のハチノス(胃)をトマトで煮込んだもの。カスティーリャ地方の名物。
チョリソ Chorizo
ハーブやスパイス入りのドライソーセージ。
by fotolia - © hansgeel
コシード Cocido
カスティーリャ地方の名物で、肉と野菜、ひよこ豆を煮込んだもの。
料理と一緒に楽しみたい!ドリンク behidas
ワインやビールなどのアルコール類のほか、ソフトドリンクもひととおりがそろっている。
セルベッサ Cerveza
細長いグラスのことを指すCaña(カーニャ)でも通じる。レモンソーダなどで割ったclara(クラーラ)もよく飲まれている。
ビノ Vino
ワイン。白はblanco(ブランコ)、赤はtinto(ティント)、ロゼはrosado(ロサード)。スペイン各地で造られており、リオハ産がとくに有名。
サングリア Sangría
赤ワインにオレンジジュースなどを加えたカクテル。
カバ Cava
カタルーニャ地方で生産されているスパークリングワイン。食前酒におすすめ。
ヘレス Jerez
ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ周辺で造られる強化ワイン、シェリー酒のこと。とくにアンダルシアで人気。
スーモ Zumo
搾りたてのオレンジジュース、スーモ・デ・ナランハが定番。果実そのままの味。
コーヒーにこだわるスペインでは、飲み方も多種多様
カフェ・アメリカーノ Café americano
エスプレッソを薄めたもの。ドリップコーヒーはないのでこちらを。
カフェ・コン・イエロ Café con hielo
アイスコーヒーのこと。エスプレッソと氷が別に出されるのが一般的。
カフェ・コン・レチェ Café con leche
エスプレッソに温かいミルクを加えたカフェオレのこと。朝食の定番。
カフェ・コルタード Café cortado
エスプレッソに少量のミルクを足したもの。こちらは食後の定番。
カフェ・ソロ Café solo
小さなカップで出されるエスプレッソ。苦みが強く、香りがいい。
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
- 奥付:
- この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年7〜9月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので現在取り扱っていない可能性があります。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。