フランス観光の王道【ヴェルサイユ宮殿】
フランスの歴史的名所と聞くと、ヴェルサイユ宮殿を真っ先に思い浮かべる人もいるかと思いますが、実はパリから電車で一時間弱でもアクセス可能だとご存知でしたか?今回は、フランス観光の王道・ヴェルサイユを詳し...
更新日:2020年4月13日
ヨーロッパ最大級のこの宮殿は、造園家ル・ノートルをはじめ、当時一流の建築家や画家の技術が結集されたもの。ブルボン朝絶対王政時代の栄華を伝える貴重な遺産を目に焼き付けよう。
緑あふれる庭園はピクニック気分で散策するのに最適。混雑を避けるなら、朝9時頃に到着し、最初に宮殿内を見学。そのあとお昼まで庭園をまわろう。午後は離宮の見学へ。敷地が広いので、時間のない人はレンタサイクルやトラムを利用するのも手。
庭園
彫刻や泉が点在し、広大な敷地でも飽きさせない造りとなっている。
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庭園でランチ
見学に時間を割きたいなら、軽食を持ち込んで庭でランチをとるのもあり。
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グラン・トリアノン
グラン・トリアノンとマリー・アントワネットの離宮はさほど離れていないので、併せて鑑賞するのがおすすめ。
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マリー・アントワネットの離宮
王妃が田園生活を楽しんだ場所。また、プチ・トリアノン近くのショップは王妃のグッズが豊富で、買い物も楽しい。
広い敷地内は乗り物を活用!
トラムから自転車まで、種類も充実している
速く移動できて便利
グラン・トリアノン、プチ・トリアノンと運河を結ぶ。夏季は10:00〜18:00、冬季は11:00〜17:00(月、曜日によって異なる)。料金€6.90。
庭園内を自転車で
営業は10:00〜18:45(時季により変動)、12・1月は休業。30分€4.50から。乗り場はアポロンの泉の横。
遊び感満点
大運河でボート遊びが楽しめる。11:00〜18:30(変動あり)、12〜2月は休業。30分€11(4人乗り)。
天才造園家ル・ノートルが手がけたフランス式庭園の傑作
ルイ14世お抱えの造園家ル・ノートルによって造られた左右対称の幾何学模様が特徴の庭園。100ha以上の敷地に、十字架状の大運河や遊歩道、噴水、池などが配されている。散策にはプチ・トランやレンタサイクルなどを利用したい。
幾何学的な模様の植栽は、フランス式庭園の大きな特徴
太陽神アポロンの母、ラトーヌを中心に配したラトーヌの泉。神の怒りに触れて村人がカエルに変えられたという話に基づいた造形で、王に従わない者は許さないというルイ14世の考えを示しているといわれる
庭園の建設に力を注いだルイ14世は庭園を一般民衆にも開放し、どのような順序で鑑賞すべきかを記したガイドブックを発行。多くの民衆や貴族たちがたどった、王の示すルートに従って庭園を歩くのも一興。
ゆっくり食事をしたい人向き
アポロンの泉と大運河の間の静かな場所に建つ。落ち着いた雰囲気のなかで本格的イタリアンが楽しめる。夏にはテラス席もオープン。
奥まったところにある隠れ家的レストラン
大運河を望むレストラン
テラス席では大運河を見ながら食事ができる。ピザやサンドイッチなどの軽食も。
鴨のコンフィなどのメニューが楽しめる
太陽王ルイ14世が家族や愛妾と過ごしたプライベート空間
ルイ14世が家族と軽食を楽しむために建設した館で、購入した村の名前がトリアノンだった。1687年にマンサールがピンクの大理石を用いて増改築し、ナポレオン1世も住居として使用した。現在、迎賓館としても利用されている。
宮殿よりは観光客も少なく、のんびり見学できる。周囲の庭園も散策したい
回廊 (Galerie)
美しいピンクの大理石で造られた列柱が並ぶ回廊。宮殿と屋外をゆるやかにつないで、開放感を与えている。床の幾何学的な模様も印象的。
鏡のサロン (Salon des Glaces)
大きな窓と、壁に付けられた鏡のため明るいサロン。室内装飾はマリー・アントワネットがデザインした。のちにナポレオンが使用した。
マリー・ルイーズの寝室 (Chambre de l’Impératrice)
ルイ14世の時代には王の寝室だったが、ナポレオン1世は皇后の寝室として改装。ピンクと白を基調とした、女性らしい部屋だ。
窮屈な宮廷生活から逃れ好きなものだけ集めた王妃の隠れ家
ルイ15世がポンパドゥール夫人のために造った離宮、プチ・トリアノン。マリー・アントワネットはそのまわりに劇場や村里を建造し、取り巻きとともに田園生活を楽しんだ。
マリー・アントワネットが堅苦しい宮殿を離れ、疑似農村生活を楽しんだ「王妃の村里」。子供たちと一緒に野菜を作ったり、ウサギやヤギなどの動物と遊んだりしたという
愛の神殿 (Temple de l’Amour)
小川沿いに建つ白大理石の神殿。リシャール・ミック作。王妃が愛人と逢い引きした場所とも。
プチ・トリアノン (Petit Trianon)
ルイ15世が愛妾ポンパドゥール夫人のために建設した館。ルイ16世の即位後、マリー・アントワネットに贈られた。
王妃の劇場 (Opéra de la Reine)
芝居好きのマリー・アントワネットが個人的に造らせたオペラ劇場。王妃自身も出演した『セビリアの理髪師』を上演したことでも知られる。
フェルセンとの恋物語
スウェーデン貴族、ハンス・アクセル・フォン・フェルセンとマリー・アントワネットの出会いは仮面舞踏会の夜。ふたりは恋に落ち、密会を重ねるようになる。しかし時はフランス革命、王妃は民衆によって処刑されてしまう。革命に散った悲恋の物語は今なお語り継がれている。
ルイ14世様式を生み出した装飾家
1664年に国王の首席画家となり、絢爛豪華なルイ14世様式を完成させたフランスを代表する装飾家。ヴェルサイユ宮殿全体の装飾を指揮し、庭園を彩る多くの彫刻も彼によって設計され、美しく配置された。パリのルーヴル宮殿(現・ルーヴル美術館)もル・ブランが手がけたもの。
王の愛顧を賜った天才造園家
造園家ル・ノートルは「王者の庭師」や「庭園の王」と呼ばれるフランス式庭園の様式を完成させた巨匠。遠近法を用いて平坦・広大さを増幅させた敷地に植栽や道、運河を使って幾何学的な模様を描いた。パリのチュイルリー公園やシャンゼリゼ大通りもル・ノートルの設計だ。
「水なき地に水を引く」王の力
ヴェルサイユは近辺に川がなく、巨大な揚水機械を造り、10㎞も離れたセーヌ川から水を運んだ。貴重な水を使った数多くの噴水や運河の造営は最高の贅沢であるとともに、自然をも従わせる王の力を貴族や民衆に示すには効果的なものだった。噴水のモチーフにもルイ14世の権威や栄光を表したものが。
アポロンの泉。彫刻は、王の象徴である太陽神アポロンの伝説を表している
かつて王族や貴族たちが楽しんだ、優雅で芸術的な水の祭典も必見。
1日に2回開催される、優雅な噴水のショー。
3/26〜10/30の土・日曜 11:00〜12:00、15:30〜17:00 5/24〜6/28の火曜、3/25、5/5、7/14、8/15 11:00〜12:00、14:30〜16:00 ※夜間噴水ショーのある日は除く
€8.50(庭園入口で販売。共通パスポートで見学可)
バロック音楽に合わせライトアップされた噴水&花火のショー。スケジュールはURLをチェック。ライトアップされた宮殿の外観も見られる。観覧希望者は予約を。
01-30-83-78-89(予約)
6/18〜9/17の土曜20:30〜
€23
www.chateauversailles-spectacles.fr/en
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