110201

まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

タイ・バンコク 華麗な宮廷建築が必見のドゥシット地区

20世紀初頭にラーマ5世によって区画された行政地区。チットラダー宮殿をはじめ、このエリアには王室に由来する重要施設や行政機関が多く建ち並び、見どころも多い。

王族気分に浸れる宮殿を見学

タイ政治の中心地、ドゥシット地区を歩く前に歴史ある寺院へちょっと寄り道。1824年に建立されたワット・イントラウィハーンは高さ約40mの黄金仏が天高くそびえ立ち、インパクトがあるその姿は一見の価値がある。寺院を出たら北側に流れるパドゥン・クルン・カセム運河の手前の通りを右に曲がり、運河沿いにローカルな雰囲気の街並を味わいつつ、しばしお散歩。右手に国連ビルが建つラチャダムヌン・ノーク通りと交差したところで左折する。豊かな緑の街路樹で整備された大通りはそれまでの道路とは様相が異なり、この先に高貴な何かがあることを予感させてくれる。 高揚する気分を抑えつつ進むとラーマ5世騎馬像がお出迎え。周囲一帯は緑にあふれ、門の奥にはルネサンス建築のアナンタ・サマーコム宮殿が威風堂々と建っているのが見えてくる。その奥には、かつてラーマ5世が造成した庭園が公開されており、世界的にも珍しい総チーク材造りのウィマンメーク宮殿などが見学できる。宮殿群を見学して王族気分をたっぷり味わったあとは、隣接するドゥシット動物園へ。日本の動物園とはひと味違う動物が集まる園内は静寂に包まれ、街歩きで疲れた体を休めるのにぴったりだ。

110201

ウィマンメーク宮殿敷地内にはタイ国内各地の織物展示館もある

アナンタ・サマーコム宮殿 (Ananda SamakhomThrone Hall)

ラーマ6世時代に完成した宮殿。一時国会議事堂として使われていたが、現在は王室行事や式典で使用するのみ。

113569

アナンタ・サマーコム宮殿

現地名:
Ananta Samakhom Throne Hall
住所:
Ulthong Nai Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で20分
TEL:
02-283-9411
営業時間:
9:45~15:30
定休日:
月曜 

ウィマンメーク宮殿 (Vimanmek Mansion Palace)

ラーマ5世が実際に住んでいた敷地内にある総チーク材建築の宮殿。ウィマンメークとは「雲の上」の意味。

113765

ウィマンメーク宮殿

現地名:
Vimanmek Mansion Palace
住所:
Ratchawithi Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で20分
TEL:
02-623-5499
営業時間:
9:00~15:15(閉場は15:30)
定休日:
月曜、祝日 
Webサイト:
http://www.palaces.thai.net

ドゥシット動物園 (Dusit Zoo)

1938年に開園した歴史ある動物園。熱帯植物が生い茂る園内に国内外の動物が集合。

113492

ドゥシット動物園

現地名:
Dusit Zoo
住所:
71 Rama V Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS Siamサイアム駅から車で15分
TEL:
02-281-2000
営業時間:
8:00~18:00
定休日:
無休 

美しい宮殿群から大理石寺院へ

ドゥシット動物園をラーマ5世通り沿いの出口から出ると目の前に現れるのが、プーミポン国王とその一族が居住されるチットラダー宮殿。木々の高い壁で中をうかがい知ることはできず、一般人の立ち入りも禁止。記念写真を撮るためにカメラを向けてもいけないという厳戒態勢だ。さらに歩き進むと、オレンジ色の屋根が眩しいワット・ベンチャマボピットが見えてくる。ラーマ5世が建立し、みずからの遺骨が眠る白亜の寺院はイタリア製大理石が全面的に使用されており、本堂内には美しい仏像が鎮座することで有名。

115415

ラチャダムヌン・ノーク通りにはラーマ5世の騎馬像がたたずむ

ウィマンメーク宮殿 (Vimanmek Mansion Palace)

チーク材が温かみのある王の別荘

1902年にラーマ5世が建てた別荘。総チーク造りの3階建てで、チーク材の建物としては世界最大といわれている。ラーマ5世の没後は放置され荒廃したが、シリキット王妃の命で、バンコク遷都200年を機に1985年に修復され、内部を公開している。西洋とタイの様式を備えた建築スタイルで、釘を使わずに建てられている。宮殿内部を見学するには30分ごとに行なわれるタイ語と英語の見学ツアーに参加する。宮殿を飾る調度品や食器などを展示し、往時の部屋の様子を再現。タイで最初に電気設備や浴室にシャワーを備えた先進的な建物でもある。敷地内に点在するほかの建物にも、王室関連の展示品が陳列されている。王宮やワット・プラケーオと同様、見学の際に服装制限があるので注意したい。

112864

敷地内にはアビセック・ドゥシット宮殿などの洋風建築も

110769

西洋化や近代化を取り入れたラーマ5世らしい洋風建築

ウィマンメーク宮殿

現地名:
Vimanmek Mansion Palace
住所:
Ratchawithi Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で20分
TEL:
02-623-5499
営業時間:
9:00~15:15(閉場は15:30)
定休日:
月曜、祝日 
Webサイト:
http://www.palaces.thai.net

アナンタ・サマーコム宮殿 (Ananda Samakhom Throne Hall)

ルネサンス様式の旧国会議事堂

ラーマ5世の命により1907年に建設が始まり、ラーマ6世の時代の1915年に完成した。ウィマンメーク宮殿と同じ敷地内にあり、迎賓館や国家儀式を行なう場とされた。1932年に立憲革命が起こり絶対王政が倒れてからは、国会議事堂として使用。その後、新たな議事堂が建設されその役目を終えた。外壁にイタリア産大理石を用いた壮麗なルネサンス様式の宮殿。中央ドームのほかに6つのドームを備え、内部はチャクリー王朝歴代国王の偉業を描いた壮大なフレスコ画で飾られている

110911

大理石の外壁を飾る彫刻も美しい

ラーマ5世の騎馬像

アナンタ・サマーコム宮殿の正面には、宮殿建設を行なったラーマ5世の騎馬像がある。王の在位40周年記念に、外遊先のパリでフランス人彫刻家に造らせたものだ。ラーマ5世はタイの近代化に尽くした王として、現在でもなお国民に深く敬愛されている。

122599

10月23日の王の命日には多くの人が像の前で手を合わせ、花輪を供える

アナンタ・サマーコム宮殿

現地名:
Ananta Samakhom Throne Hall
住所:
Ulthong Nai Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で20分
TEL:
02-283-9411
営業時間:
9:45~15:30
定休日:
月曜 

ワット・ベンチャマボピット (Wat Benchamabophit)

白亜の大理石が美しい王室寺院

ラーマ5世時代に建造された本堂は、壁や柱、床にいたるまでイタリア産の大理石を使用し、大理石寺院と呼ばれる。窓はステンドグラスで飾られている。黄金に輝く本尊の台座には、ラーマ5世の遺骨を安置する。

113088

本堂に浮かび上がる黄金の本尊に荘厳な空気が漂う

111536

瓦屋根のオレンジが大理石の白さを際立たせている

ワット・ベンチャマボピット

現地名:
Wat Benchamabophit
住所:
69 Rama 5 Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で15分
営業時間:
8:00~18:00
定休日:
無休 

ワット・イントラウィハーン (Wat Intravihan)

バンコクをはるかに見下ろす巨大仏

高さ40mの有名な立仏像は、ラーマ4世の時代に高僧ルアン・ポー・トーが建立した。仏像の足元には多くの花が供えられている。境内には瞑想中のルアン・ポー・トーの精巧な像を安置する小仏塔があり、瞑想場となっている。本堂内部では鮮やかな壁画が見られる。

111677

巨大な仏像が朝日の昇る方角に向かって立つ

ワット・イントラウィハーン

現地名:
Wat Intravihan
住所:
144 Wisut Kasat Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS CEN サイアム駅から車で20分
TEL:
02-282-0461
営業時間:
8:00~17:00
定休日:
無休 

ドゥシット動物園 (Dusit Zoo)

緑豊かな家族の憩いの場

前身が王立植物園だったため、園内には樹木や草花が生い茂り散策が心地よい。ラーマ8世の時代に動物園として一般公開された。広大な園内には哺乳類だけでも国内外の動物300種以上を飼育しており、国内最大規模を誇る。レストランや売店、小さな遊園地もあり、池でボート遊びも楽しめる。

114224

ホワイトタイガーの勇ましい姿も見られる

114687

東南アジアの山地に棲むスマトラカモシカ

114229

爬虫類館には日本では珍しい生き物も

114219

充実したカバのエリアは動物園の目玉

ドゥシット動物園

現地名:
Dusit Zoo
住所:
71 Rama V Rd.
地図を見る »
アクセス:
BTS Siamサイアム駅から車で15分
TEL:
02-281-2000
営業時間:
8:00~18:00
定休日:
無休 

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ バンコク」です。掲載している情報は、2016年3〜8月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。