更新日:2020年4月13日
ドイツ【ライン川流域】どんなエリア?ベストスポットは?
ライン川のゆるやかな流れに乗り渓谷を下れば、両岸にはぶどう畑や古城、木組みのかわいらしい家が続く。古代ローマ時代からの歴史と、美しい風景に心奪われる。
基本インフォメーション
起点&終点
スイス・ヒンターライン〜オランダ・ロッテルダム付近(世界遺産登録エリアはコブレンツ〜ビンゲン)
全長
約1233㎞(世界遺産登録エリアは約65㎞)
街道ゆかりの人
ベートーヴェン、ゲーテ、ヴィルヘルム1世
街道周遊の手引き
どんなエリアですか?
ライン川は古くから水運に利用され、スイスからオランダまで流れている。中世には流域に多数の小領主が分立し、多くの城が築かれた。17世紀から第一次世界大戦まではドイツとフランスの境界として両国の防衛ラインとなった。観光名所として人気なのは、中流のマインツ・コブレンツ間で、一部は世界遺産に登録されている。船旅なら両岸にある古城や街並み、ぶどう畑を眺めつつ、リューデスハイムなど川沿いの小さな街を訪ねるのも楽しい。コブレンツからさらに川を下れば、巨大な大聖堂がそびえるケルンなど、人気の都市がある。
アクセスの起点
流域の主要都市や観光船のKDラインが発着するおもな街へは、フランクフルトから直通列車が運行しており、おおむね1時間30分以内で行くことができる。
街道内の交通手段
鉄道と船がおもな交通手段。ライン川を運航する船のKDラインは、両岸の主要観光都市を網羅しているので使いやすいが、下流から上流への移動には時間がかかる。一方、ライン川の右岸、左岸ともにドイツ鉄道の路線はあるが、両岸間の移動には適していない。目的地に合わせて船と鉄道を使い分けたい。
周遊の日数
船は鉄道に比べて所要時間が長く、渓谷の街に立ち寄りながらクルージングを楽しめばまる1日はかかる。ケルン大聖堂まで足を運ぶなら、2泊3日程度は考えておきたい。
ライン川、モーゼル川などのクルージングが人気のKDラインのザンクト・ゴアール船着場
by fotolia - ©suzu2010
大都市ケルンは夜景も美しい
優雅なシュトルツェンフェルス城
2泊3日周遊モデルプラン
1日目
【フランクフルト】
【マインツ】
フランクフルト中央駅からマインツまで鉄道で移動し、そこから観光船に乗ってリューデスハイムへ移動
【リューデスハイム】絶景とワインを堪能する
ニーダーヴァルトに登って街と川の景色を楽しんだあと、つぐみ横丁で昼食。午後はさらに川を下り、古城ホテルへ
●古城ホテル泊
2日目
【川沿いの街】古城やライン川沿いの街めぐり
ライン川をさらに船で下る。時間があれば、見学できる川沿いの城や街を訪れるのもいい。終点のコブレンツから鉄道でケルンへ
●ケルン泊
3日目
【ケルン】巨大なケルン大聖堂を見学
ケルン中央駅のすぐそばにある大聖堂は、ゴシック建築としては世界最大の規模を誇る。持ち時間に合わせて、近隣にある教会や博物館も訪れたい。ICEでフランクフルトへ戻る。
【フランクフルト】
大聖堂と芳香品で知られる ケルン Köln
ライン川中流の大都市で、中央駅前に建つ世界遺産のケルン大聖堂は必見。世界で愛される香水オーデコロンの発祥の地としても知られている。
交易で栄えたフィッシュマルクト
おいしい地ワインを味わう リューデスハイム Rüdesheim am Rhein
古来よりライン川の水運とワインの醸造で栄えた河岸の街。名店が集まるつぐみ横丁の酒場で、ワインと料理を堪能したい。
つぐみ横丁はいつも人であふれている
ライン川流域の楽しみベスト4
BEST1.両岸にそびえる無数の古城
中世に多くの小領主が分立したこのエリアには、要塞や税関としての役割を担った小さな城がたくさんある。三十年戦争やプファルツ継承戦争で破壊された廃墟もあり、独特の風情を漂わせている。
ライヒェンシュタイン城の内部は博物館
現在はホテルとして利用されている古城もあるのでぜひ泊まってみたい
BEST2.ゴシック様式の巨大な聖堂
ケルン大聖堂は、1248年に建設工事が始まり、300年を超える中断期間を経て、建設開始から632年後の1880年にようやく完成した、ドイツを代表する建築物のひとつ。壮大で華やかな姿を間近で見学したい。
天を突く尖塔がゴシックらしい重厚な趣
内部のステンドグラスにも注目
BEST3.極上のワインが味わえる
流域のリューデスハイムやバッハラッハは、ワインの産地として有名。リューデスハイムにはワインハウスが並ぶ「つぐみ横丁」があるほか、ワイン醸造の歴史を紹介するワイン博物館もある。
リューデスハイムのニーダーヴァルトの丘上からはなだらかに広がるブドウ畑を眺めることができる
特産のワインはおみやげにもおすすめ
BEST4.渓谷に残る多数の伝説
この地域には「ローレライ」など多くの伝説が残る。ザンクト・ゴアルスハウゼンには、ローレライ伝説に基づき、流域の自然環境と人間の心理を合わせて映像で検証・体験できるビジターセンターがある。
ローレライにあるビジターセンター
ライン川クルージングの乗り方
ライン川の観光は、両岸の景色や飲食が存分に楽しめる観光船が人気。船が進むにつれて少しずつ姿を変える渓谷の風景が、見る者を感嘆させる。
運航ルート
マインツとコブレンツの間を結んでおり、夏季はさらに下流のバート・ブレイシグやボンに向かう船も運航される。最も人気がある区間が、リューデスハイム〜ザンクト・ゴアール。両岸に次々と古城が現れ、中世にタイムスリップしたかのような気分が堪能できる。
img561, by foundin_a_attic, CC BY
ボッパルトの船着場。周辺にはホテルが建ち並ぶ
チケット
船着場のチケットオフィスで購入できる。ピーク時はツアー客で満員になることも多い。インターネット予約も可能なので、乗船する日が決まったら早めに予約をしておきたい。チケットは区間によって料金が異なるので、確認してから購入しよう。リューデスハイム〜ザンクト・ゴアール、ザンクト・ゴアルスハウゼンまで片道€20、往復€23。
近代的に整備されたチケットオフィス
KDラインのチケット
船内設備
眺望を楽しむなら吹き抜けの屋上がおすすめ。防寒対策をしっかりとして、爽やかな風を浴びつつ絶景を堪能したい。また、船内にはレストランやバーが設けられていて、食事だけでなくビールや周辺の特産品であるワインも楽しめる。
落ち着いて食事やお酒が楽しめるレストラン
【この会社の船に乗ります】KDライン
ケルン・デュッセルドルファーの頭文字をとってKD(カーデー)と呼ばれる。ライン、マイン、モーゼルの3河川で14のクルーズを運営。
KDライン
- 住所:
- マインツ~ケルン間の各船着場
- TEL:
- 0221-2088318
- 営業時間:
- 9:00~20:00頃まで1~2時間間隔で運航
- 定休日:
- 11~3月 HP要確認
- Webサイト:
- http://www.k-d.de
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
- 奥付:
- この記事の出展元は「まっぷるドイツ ロマンティック街道」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2017年6月〜8月現在のものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので、現在取り扱っていない可能性があります。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。