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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

ウィーン 音楽の都を楽しむためのコツとマナー

音楽の都ウィーンを訪ねたら、一度は本場のコンサートやオペラを鑑賞したいもの。普段はあまり劇場に足を運ばない人でも、基本やマナーをおさえておけば安心だ。

ウィーンで楽しむエンターテインメント

オペラ╱オペレッタ

16世紀末にイタリアで誕生したオペラは、オーケストラの演奏、歌、劇など、さまざまな要素が組み込まれた贅沢な総合芸術。豪華な衣装や舞台装置も素晴らしく、あらかじめ簡単なあらすじを把握しておけば、言葉が理解できなくても十分楽しめる。とくにウィーン国立歌劇場で上演されるオペラは世界屈指のレベルを誇り、演奏はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが担当。オペラはやや敷居が高いという人には、オペラより娯楽性が高く、大衆的なオペレッタがおすすめ。

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ウィーン国立歌劇場の豪華なロージェ(ボックス席)

バレエ

2010年、国立歌劇場とフォルクスオーパーのバレエ団が合併し、ウィーン国立バレエ団として生まれ変わった。その実力は国際的にも高く評価され、プログラムも多彩。ウィーン国立歌劇場やフォルクスオーパーを舞台に多数の公演を行なっている。

演劇/ミュージカル

古典劇はもちろん、斬新な演出を加えた最新の劇や人気ミュージカルなど、バラエティ豊かな演目が上演されている。なかには英語の劇もあるが、ほとんどがドイツ語。事前に原作本などを読んで筋書きを知っておけば、より理解しやすい。

コンサート

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会のチケットは入手困難だが、ウィーン交響楽団や他のオーケストラのチケットなどは比較的手に入れやすい。観光客向けの気軽なコンサートも数多く開催され、年間を通して本場の音楽が楽しめる。

情報収集

インターネット

観光局のHPには日本語サイトがあり、音楽や芸術、イベントに関する情報が充実。このほか、各劇場の公式サイトには公演スケジュールや演目の解説などが掲載されているので参考にしたい。

●オーストリア政府観光局 www.austria.info/jp
ウィーンの各劇場やコンサートホールに関する情報、イベントチケットの入手方法などを紹介。

●ウィーン市観光局 www.wien.info/ja
ウィーンの音楽や舞台、観光などの情報が充実。

チケットを予約、購入する

インターネットで予約する

チケットはインターネットでのオンライン予約が便利。空席状況も一目瞭然で、希望の演目を効率よく検索できる。支払いはクレジットカードでの引き落としが一般的。チケットの受け取りは日本まで郵送、現地での引き換えなどいくつか方法がある。予約成立後はキャンセルできないので注意が必要。

●ヴィエナ・クラシック Vienna Classic
ウィーン国立歌劇場、ウィーン楽友協会、ウィーン・コンツェルトハウス、フォルクスオーパーなどのチケットをオンライン予約できる。扱うチケットは1000種以上。
www.viennaclassic.com

●クルトゥラル Culturall
ウィーン国立歌劇場、フォルクスオーパー、ブルク劇場、アカデミー劇場など、国立劇場の公式オンラインチケット販売サイト。日本語の選択もできる。
www.culturall.com

日本の予約サイトを利用する

チケットの申し込みは日本出発の10日〜2週間前までに。発行に際しては別途手数料が必要。

ワールドチケットガイド World Ticket Guide
www.world-ticket.jp

ムジーク・ライゼン Musik Reisen
www.musik-reisen.jp

クラシクティク Classictic
www.classictic.com/jp

コムツアーズ Komtours Japan
www.komtours.com

Eメール、FAX、郵送で申し込む

ウィーン国立歌劇場やフォルクスオーパーのチケットを文書で申し込む場合、英語またはドイツ語で書いた申込書を、公演日の3週間前までに各劇場のオフィスに届くよう送付すること。予約は何カ月前からでも可能で、支払いはクレジットカードでの引き落とし、もしくは指定された口座への送金でも可能だ。チケットの発券は1カ月前からで、公演前日までなら国立歌劇場近くの前売センター、当日の場合は劇場の窓口で直接受け取れる。

電話で申し込む

クレジットカード決済限定で、電話によるウィーン国立歌劇場とフォルクスオーパーのチケット予約が可能。一般前売り開始日の翌日から受付が開始され、応対は英語またはドイツ語のみとなる。

プレイガイド、劇場窓口で買う

ウィーンに到着後、各劇場の窓口やプレイガイドでチケットを入手する方法もある。ウィーン国立歌劇場のチケットは原則として2カ月前から販売開始。フォルクスオーパーの場合は毎月1日に翌月分の公演チケットが売り出される。当日券は各劇場で開演1時間前から購入できる。

●国立劇場前売センター (ブンデステアーター) Zentrale Kassen der Bundestheater
ウィーン国立歌劇場の西隣にある国立の劇場チケットセンター。国立歌劇場、フォルクスオーパー、ブルク劇場、アカデミー劇場のチケットを購入可能。
住所 Operngasse 2
電話 01-514447880
営業時間 8:00〜18:00 土・日曜、祝日9:00〜12:00(夏季は変動あり)
定休日 無休
URL www.bundestheater.at

●ウィーン国立歌劇場アーケードの案内所 Info unter den Arkaden
ウィーン国立歌劇場のアーケード内にあるインフォメーションでも、各種チケットを販売している。
住所 Herbert von Karajan-Platz 1
営業時間 9:00〜ウィーン国立歌劇場開演1時間前(土曜は〜17:00)
定休日 日曜、祝日

ホテルのコンシェルジュに依頼する

宿泊ホテルのコンシェルジュにチケット手配を頼めば、入手困難な席を確保できることも。ただし、手数料やチップを含めるとやや割高となる。

●ウィーン国立歌劇場の立見席国立歌劇場の立見席は当日券のみ。開演80分前頃から売り出されるが、人気のある演目の場合は数時間前から行列ができることもある。立見席には3種類あり、パルテーレ(平土間)は€4、バルコン(3階席の後方)とギャラリー(天井桟敷の後方)は€3といずれも極めて安い。自分の立ち見の場所を確保したら、目の前の手すりの下部にハンカチなどを結び付けて目印にするのが習慣となっている。

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ライトアップされた夜の国立歌劇場はさらに美しい

劇場で鑑賞する

開演前

劇場でオペラを鑑賞する場合、開演30分前までに到着するのが望ましい。コートや傘、大きな荷物は必ずクロークに預け、劇場入口の係員にチケットを見せると座席の場所を教えてくれる。案内係はプログラムも売っており、買っても買わなくてもよいが、せっかくなので購入することをおすすめする。席に着いたらプログラムに目を通して予習しておくと、楽しさも倍増するはずだ。

幕間

オペラは長いものだと開演から終演までが3時間を超える長丁場。幕間の休憩時には場内を歩き、体をほぐしておこう。サロンにはワインやシャンパン、軽いオードブルなどが用意されており、グラス片手に劇場の優雅な雰囲気を満喫できる。

終演後

基本的に場内は撮影禁止だが、カーテンコールの際に撮影が許可される場合もあるので、シャッターチャンスを逃さないこと。クロークで荷物を受け取って退場したあとは、ワインや食事を楽しみながら感動の余韻に浸るのもいい。

劇場のマナー

服装
国立歌劇場でオペラを観るなら、男性はジャケットにネクタイ、女性はワンピースなどにアクセサリーを組み合わせて上品に装いたい。場内に大きな荷物は持ち込めないので、貴重品などを入れる小さめのバッグも必要。立見席の場合はさほど服装に気を使わなくてもよいが、あまりにラフな格好は避けたい。

マナー
公演が始まったら一切物音を立てないこと。各幕切れの拍手は周囲とタイミングを合わせて、フライングしないように注意しよう。通路から奥の座席の場合は早めに着席して、先に座っている人を立たせない気配りを。やむを得ず人の前を通る場合は「ダンケ」とお礼を言い、お尻を向けないで通るのがマナーだ。

チップ
案内係からプログラムを購入するとき、端数のおつりはもらわないのがスマート。クロークで荷物を受け取る際は、表示の料金または€1程度のチップを忘れずに。

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奥付:
この記事の出展元は「まっぷるウィーン プラハ・ブダペスト」です。掲載されているデータは、2016年5〜8月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。