更新日:2020年4月13日
ウィーン旧市街で見る歴史的建造物 石畳をお散歩!
賑やかな大通りに、趣ある小さな道。どちらを歩いても楽しめるのは旧市街ならでは。
旧市街随一の大通りから路地裏の小路へ足を延ばす シュテファン寺院周辺ケルントナー通り St. Stephansdom Kärntner Straße
ウィーンのシンボル、シュテファン寺院から、おしゃれな店が集まるケルントナー通りへ。趣のある小路にも寄り道しよう。
シュテファン寺院の尖塔からはウィーン市街が一望できる
歯痛のキリスト像
この像をからかった学生に、歯痛の天罰が下ったという言い伝えが残る
アクセス
散策の起点となる最寄り駅は、Ⓤ1・3号線シュテファンスプラッツ駅。散策コースの周辺には、ウィーン国立歌劇場に近いⓊ1・2・4号線カールスプラッツ駅があり、ケルントナー通りを南へまっすぐ歩いていくとたどり着く。
ショッピングストリートと見どころ満載の裏通り
散策はシュテファン寺院からスタート。内部見学や、南北高さの異なる2つの塔からの眺望を楽しみたい。ここからシュテファンスプラッツ駅方面に向かうと、賑やかなケルントナー通りに出る。通りの近くにある有名なアメリカン・バーもチェックしよう。
小路を通りフランツィスカーナー教会へと抜けると、昔の雰囲気が色濃く残るエリアが広がる。石畳のバル小路を歩き、再びケルントナー通りへ。カプツィーナー教会を見学し、ザイラー小路を散策しながら駅へ向かおう。近くにある複合施設ハース・ハウスでショッピングを楽しむのもよい。
【 おさんぽルート 】所要時間の目安約2時間15分
シュテファンスプラッツ駅 Start
Ⓤ1・3号線
1 シュテファン寺院
見学時間 1時間
2 ケルントナー通り
3 アメリカン・バー
4 バル小路
5 カプツィーナー教会
見学時間 40分
6 ザイラー小路
7 ハース・ハウス
シュテファンスプラッツ駅 Finish
Ⓤ1・3号線
ウィーンで最も賑やかなケルントナー通りでのウインドーショッピングも楽しい
1 美しい街並みとモザイク屋根を一望 シュテファン寺院 St. Stephansdom
12世紀半ばにロマネスク様式の教会として建築され、14〜15世紀にハプスブルク家のルドルフ4世によって、ゴシック様式の大教会に建て替えられた。内部には大祭壇画をはじめ、石造りの説教壇、彫刻、彫像、ハプスブルク一族の内臓が納められたカタコンベなど見どころが多い。また、北と南の2つの塔から一望できるウィーンの街並みは壮観だ。
Vienna - Wien, by J_Llanos, CC BY-ND
地元では「シュテッフル」の愛称で親しまれる
モーツァルトゆかりのスポット
シュテファン寺院の外にある地下納骨堂入口の礼拝堂で、モーツァルトの葬儀が行なわれた。
シュテファン寺院
- 現地名:
- St. Stephansdom
- 住所:
- Stephansplatz 3
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅からすぐ
- TEL:
- 01-515-5235
- 営業時間:
- 北塔8:30~17:30(11~3月は~17:00、7・8月は~18:00)、南塔9:00~17:30
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.stephanskirche.at
2 ウィーンで最もエレガント ケルントナー通り Kärntner Straße
13世紀に、イタリアと国境を接するケルンテン州へ下る道の起点があったことから名付けられた、由緒ある通り。シュテファン寺院まで続く歩行者天国で、人通りが多く、路上では大道芸などのパフォーマンスが盛んに行なわれている。
道沿いにはレストランやブティック、免税店などが軒を連ね、連日地元客や観光客で賑わっている
ケルントナー通り
- 現地名:
- Kärntner Straße
3 人気の小さなナイトスポット アメリカン・バー American Bar
アドルフ・ロースによる設計で、1908年に完成した。アメリカ国旗の入口の庇に、鏡とガラスの効果で内部が広く見える設計。ただし、店の前には撮影お断りのサインと「観光の場所ではない」との張り紙がしてある。
地元客に交じってお茶をしたり、夜に訪れてお酒を楽しんだりしたい
アメリカン・バー
- 現地名:
- American Bar
- アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅からすぐ
4 レストランやカフェが並ぶ バル小路 Ballgasse
狭い石畳が続き、路地裏という言葉がぴったり。かつて指物師や鍵師の工房が集まっていた。個性的な看板にも注目だ。
ウィーンの飲み食い処として親しまれている
バル小路
- 現地名:
- Ballgasse
5 ハプスブルク家の納骨堂 カプツィーナー教会 Kapuzinerkirche
1632年に建てられた教会。歴代皇帝とその家族146人の棺が並ぶ。マリア・テレジア夫妻の棺はひときわ大きい。現在も参拝者が絶えない。
教会内の地下納骨所に安置された棺
茶褐色の外観が印象的
カプツィーナー教会
- 現地名:
- Kapuzinerkirche
- 住所:
- Tegetthoffstraße 2
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅から徒歩5分
- TEL:
- 01-512-6853
- 営業時間:
- 10:00~18:00
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.kaisergruft.at
6 おしゃれにショッピング ザイラー小路 Seilergasse
ノイエ・マルクト広場から1本裏手に抜けたところにある。上品な小路沿いにはブティックが軒を連ねる。
高級店や専門店が建ち並ぶ
ザイラー小路
- 現地名:
- Seilergasse
7 大聖堂がガラスの壁に映える ハース・ハウス Haas-haus
ハンス・ホラインによる設計で、1990年に完成した。高級なショップやレストランなどが入る複合施設。石とガラスの壁面の対比が美しい。
旧市街の中心部に建つ斬新な現代建築
ハース・ハウス
- 現地名:
- Haas-haus
- アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅からすぐ
カフェで休憩 女性スタッフが出迎えてくれる ハイナー Heiner
古い喫茶店を思わせる懐かしい雰囲気が人気。店の入口には王室御用達を示す「双頭の鷲」が掲げられている。
1階にはケーキが並ぶショーケースがあり、2階にはテーブル席がある
ハイナー
- 現地名:
- Heiner
- 住所:
- Kärntner Straße 21-23
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅から徒歩3分
- TEL:
- 01-512-6863
- 営業時間:
- 8:30~19:30(日曜は10:00~)
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.heiner.co.at
関連リンク
名建築を鑑賞しショッピングを楽しむ グラーベン、コールマルクト Graben, Kohlmarkt
有名建築家が手がけた建物をたどりながら、高級ショッピング街でお買い物。
グラ−ベンとは「溝」を意味する。ローマ時代に堀だった場所が埋め立てられて現在の大通りとなった
アクセス
Ⓤ1・3号線シュテファンスプラッツ駅とⓊ3号線ヘレンガッセ駅が、散策コースの最寄り駅となる。ヘレンガッセ駅は、ブルク劇場や、劇場近くのⓉ1・D番ラートハウスプラッツ/ブルクテアーターなどへもアクセスが良く便利だ。
高級ブランド店や宝飾店、王室御用達の老舗へ
一大ショッピングストリート、グラーベンから散策をスタート。通り沿いに建つアンカーハウスを見物したあとは、ドロテア小路へ。老舗のカフェやアンティークショップなどに立ち寄りたい。右折してミヒャエラー広場方面に向かって歩くと、正面にミヒャエラー教会の青銅の尖塔と屋根が見え、美しい光景が広がる。
再びグラーベンに戻ってペーター教会を見学し、コールマルクトへ。アドルフ・ロースの建築をめざして買い物を楽しみたい。コールマルクトを折り返したら、風情あるたたずまいの建物が多く残っているナーグラー小路へ。最後はアール・ヌーヴォー様式のエンゲル薬局に立ち寄り、そのままヘレンガッセ駅まで歩こう。
【 おさんぽルート 】所要時間の目安約1時間40分
シュテファンスプラッツ駅 Start
Ⓤ1・3号線
1 グラーベン
2 アンカーハウス
3 ドロテア小路
4 ミヒャエラー教会
見学時間 30分
5 ペーター教会
見学時間 30分
6 コールマルクト
7 ナーグラー小路
8 エンゲル薬局
ヘレンガッセ駅 Finish
Ⓤ3号線
オットー・ヴァーグナーによる初期の名建築、グラーベンホーフも見どころのひとつ
1 シンボルはペスト記念柱 グラーベン Graben
レオポルト1世がペストの終焉を記念して建てた、ペスト記念柱(三位一体像)が通りのシンボル。広場のように道幅が広く、テラス席のあるカフェやブティックが並び、たくさんの人で賑わいをみせている。夜遅くまで人が集う。
ペスト記念柱の上部には黄金の三位一体像が輝く
グラーベン
- 現地名:
- Graben
- アクセス:
- 地下鉄1・3号線シュテファンスプラッツ駅と地下鉄3号線ヘレンガッセ駅が、散策コースの最寄り駅となる。ヘレンガッセ駅は、ブルク劇場や、劇場近くのトラム1・D番ラートハウスプラッツ/ブルクテアーターなどへもアクセスが良く便利だ。
2 屋上の付帯施設が美しい アンカーハウス Ankerhaus
1895年に完成。アンカー保険のために建てられたヴァーグナーの代表作のひとつ。屋上のグラスハウスは写真スタジオで、芸術家フンデルトヴァッサーも利用した。
ユーゲント・シュティールの傑作
アンカーハウス
- 現地名:
- Ankerhaus
- アクセス:
- 地下鉄1・3号線 Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅からすぐ
3 カフェや楽譜店が並ぶ ドロテア小路 Dorotheergasse
グラーベンの脇道に延びる細い道。グラーベンの喧騒とうって変わって、レトロな雰囲気が漂う。
元国営の質屋ドロテウムの正面を通る小路
ドロテア小路
- 現地名:
- Dorotheergasse
4 天使の舞い降りる大祭壇 ミヒャエラー教会 Michaelerkirche
建設が始まったのは1221年とされる。大祭壇は1781年作。落成後も火事や震災に遭い、違った様式を取り入れながら増改築を繰り返し、現在の姿に。
1791年にモーツァルトの死去直後に、遺作となった『レクイエム』が初演された
ゴシックにバロック、ロマネスクなど多様な様式が混合している
ミヒャエラー教会
- 現地名:
- Michaelerkirche
- 住所:
- Habsburgergasse 12
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄3号線Herrengasseヘレンガッセ駅から徒歩3分
- TEL:
- 01-533-8000
- 営業時間:
- 7:00~22:00(日曜、祝日は8:00~)
- 定休日:
- 無休
5 ウィーンで2番目に古い教会 ペーター教会 Peterskirche
ベルヴェデーレ宮殿の設計者ヒルデブラントによって、18世紀に現在のバロック様式に改築。祭壇に彫られた見事な彫刻は、バロック芸術の極致と呼び名が高い。
ロットマイヤーによる天井のフレスコ画『マリア昇天』は必見だ
祭壇に彫られた見事な彫刻はバロック芸術の極致といわれている
ペーター教会
- 現地名:
- Peterskirche
- 住所:
- Petersplatz
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅から徒歩3分
- TEL:
- 01-533-6433
- 営業時間:
- 7:00~20:00(土・日曜、祝日は9:00~21:00)
- 定休日:
- 無休
- Webサイト:
- http://www.peterskirche.at
6 王室御用達の店が並ぶ コールマルクト Kohlmarkt
ハプスブルク家ゆかりの高級店や、デーメルやマンツ書店など立ち寄りたいスポットが多くある。ブランドショップの営業時間は、平日はたいてい10時から18時30分(土曜は17時)で、日曜を休みにしているところが多い。
ホーフブルク(王宮)のミヒャエル門が望める
コールマルクト
- 現地名:
- Kohlmarkt
7 散策に最適な裏路地 ナーグラー小路 Naglergasse
バル小路と同じく、日中から夕方にかけて賑わいをみせる飲み食い処。夜遅くになると人通りは少なくなる。
ナーグラーとは釘という意味。釘作りの職人が多く集まっていたことからこの名がついたという
ナーグラー小路
- 現地名:
- Naglergasse
8 美しい建築の薬局 エンゲル薬局 Engel Apotheke
16世紀に創業したウィーン最古の薬局。1902年にユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォー)様式に改装された。壁面の美しい天使像で知られる。ボーグナー通りにあり、現在も営業。
モザイクによる天使像は、オットー・ヴァーグナーの弟子オスカー・ラスケの手による
エンゲル薬局
- 現地名:
- Engel Apotheke
- アクセス:
- 地下鉄3号線Herrengasseヘレンガッセ駅から徒歩3分
カフェで休憩 由緒あるカフェで過ごすひととき ブロイナーホーフ Café Bräunerhof
哲学者ウィトゲンシュタインや作家トーマス・ベルンハルトが足繁く通ったことで有名。
1階にはケーキが並ぶショーケースがあり、2階にはテーブル席がある
ブロイナーホーフ
- 現地名:
- Café Bräunerhof
- 住所:
- Stallburggasse 2
地図を見る » - アクセス:
- 地下鉄1・3号線Stephansplatzシュテファンスプラッツ駅から徒歩5分
- TEL:
- 01-512-3893
- 営業時間:
- 7:30~20:00(土・日曜は~18:00、冬季は~19:30)
- 定休日:
- 無休
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
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