【釜山】SNSで話題!レトロかわいい観光列車の海雲台ブルーラインパーク
韓国第二の都市と言われる釜山では、ここ数年で観光スポットが続々オープンし注目をあつめている。 なかでも釜山を代表するビーチ、海雲台に誕生した「海雲台ブルーラインパーク」がSNS映えするかわいい見た目...
更新日:2020年4月13日
山に歴史を巡り、街で湯に憩う
金井山に残る城壁は豊臣秀吉の爪痕。忘れがちな歴史をたどりつつ、尾根を歩く。尾根を下ればそこには温泉の湯けむりが見えてくる。
東莱といえば温泉。温泉街の最寄り駅は地下鉄1号線温泉場駅で、駅東側に虚心庁をはじめとする大小の温泉施設が集中。無料で入れる足湯もある。温泉とともに見逃せないのが歴史的な遺産の数々。朝鮮王朝時代、釜山の中心地は東莱で、東莱府が置かていれた。東莱駅近くの東莱市場は庶民的香りの高い歴史ある市場で、一角に王朝時代の役所、東莱府東軒が残っている。その西側の小高い山が東莱邑城で、豊臣秀吉による文禄・慶長の役の際、主戦場のひとつとなった。名物の海鮮お好み焼を味わえる東莱ハルメパジョンもこのエリアだ。歴史遺産巡りを満喫するなら金井山を歩きたい。金井山城もまた秀吉の攻撃に備えた広大な山城だ。
コースはいくつかあるが、地下鉄1号線で梵魚寺駅まで足を延ばし、仏教芸術の宝庫といわれる梵魚寺境内を経由して金井山の尾根に残る北門に上るのが一般的。山頂までゆっくり歩けば1時間。そこから尾根道を伝い東門まで1時間30分、さらに南門までの1時間の道のりは釜山市街を見晴らす絶好のハイキングコースだ。南門を下るとロープウェイがあり、降りれば金剛公園。公園を出ると温泉の温かい湯けむりが待っている。
梵魚寺の創建は678年。現在の建物は1614年に再建された
城壁などの修復、復元工事が終了した東莱邑城
東莱邑城山頂近くの森に建てられた3.1独立運動記念碑
金剛公園と金井山城を結ぶロープウェイ。楽に移動ができる
思わず通いたくなる、釜山一の温泉地
王朝時代の王族も湯治のために通ったといわれ、19世紀末に日本人によって本格的な温泉地として整備された。日本とは風情が異なり、韓国の温泉はまるで銭湯のよう。楽しみ方も湯に浸かるより体を磨くことに重点が置かれる。一方では、設備が整ったスパタイプも人気がある。
街の中心に温泉をテーマにした公園と散策路を整備
人気は無料の足湯。地元の人たちとともに癒しのひとときを
一日のんびり、歴史をたどる山歩き
釜山市の4つの区にまたがる山城。築城は新羅時代にさかのぼるといわれ、豊臣秀吉による文禄・慶長の役で攻撃を受け、朝鮮時代に再建。現在、東西南北の門や望楼、城壁が復元され、いにしえの歴史をたどるハイキング時の目印や休息地となっている。一般的な登山ルートは温泉場の金剛公園からロープウェイで南門に登るコースと、梵魚寺から徒歩で北門に上るコースの2つ。そこから城壁の残る尾根道を歩く。
【関連リンク】
金井山城の北門。城壁が尾根に続く様子がよくわかる
山の尾根道は勾配が急な箇所もあるが、概ね歩きやすい
釜山市民に愛される郊外の自然公園
東莱温泉街の北西には標高790mの金井山がそびえ、その一帯が金剛公園に指定されている。坂道が続くため、体力のない人はタクシーを利用しよう。園内には小さな植物園、動物園、遊園地などがあり、休日ともなると大勢の人で賑わう。金井山城に向かうロープウェイの発着地でもあり、ロープウェイから釜山の街を一望するのも気持ちいい。到着したら金井山城の見学がおすすめだ。地元の人の間ではハイキングコースとして人気。
文禄・慶長の役で命を失った人々が祀られている義塚も
1300年の歴史を持つ文化財の宝庫
西暦678年の創建といわれる古刹。1592年に秀吉の軍により焼失し、1614年に再建。境内には創建当時の三層石塔をはじめ貴重な仏教遺産が点在し、釜山観光の外せない名所のひとつになっている。渓流沿いに坂を上るとまず一柱門があり、そこから先が境内。次いで仁王門をくぐり、石段を上って大雄殿に至る。建物と周囲の風景がぴったりとマッチした様子は時代をさかのぼりながら歩く気分。散策路は金井山城の北門へとつながっている。
ひときわ勇壮な大雄殿。熱心に祈りを捧げる人があとを絶たない
陰陽五行にちなんだ韓国独特の建築彩画「丹青(タンチョン)」の美
金井山城への登山口でもある梵魚寺入口。観光案内所もある
歴史の街・東莱の山に残る激戦の跡地
文禄・慶長の役で攻防が続いた山城。当時の東莱は釜山における政治の中心地であり秀吉軍の攻撃もこの山城に集中した。現在は山全体が公園風に整備され、麓の東莱郷校、中腹の西将台、北門、城壁、頂上近くの北将台などが修復・復元され残っている。北将台からは東莱市街を一望でき、徒歩2分の木立の中には1919年3月1日を機に全土に広がった、三・一独立運動記念碑も建っている。ゆっくり歩いて約1時間の道のりだ。
【関連リンク】
かつて軍事の指揮を執った西将台(ソジャンデ)。ここから山腹にかけて城壁が続く
壬辰倭乱の戦士の魂を祀る神聖な場
1592年から豊臣秀吉の2度にわたる朝鮮出兵の際、戦禍は中国国境付近までの朝鮮半島ほぼ全域に及んだ。そのとき釜山で国土を守ろうと立ち上がった殉国烈士や各地で戦死した人々の位牌を祀るのが忠烈祠。一帯は公園風に整備され、記念館や記念碑が点在する。本殿は石段を上った最上部に設置され、現在は伝統的婚礼式場としても利用されている。
本殿には戦死者87柱の位牌が祀られている
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