更新日:2020年4月13日
マカオ半島からバスで日帰り旅 【タイパ】【コロアン】
タイパには新興住宅地やレストラン街があり賑やか。そこから埋立地で陸続きとなっているコロアンには、古き良き時代を思わせるのどかな時間が流れている。
中心地から車で行ける2つのローカルエリア
半島地区にある中心地から車でわずか15分ほどのタイパと、30分ほどのコロアンは、気軽に足を延ばせるローカルエリアだ。タイパのメインストリートは、通称フード・ストリートといわれる官也街。レストランが並ぶ通りは賑やかだが、わずかにそれると、網の目のように入り組んだ路地やレトロな街灯が現れ、途端にノスタルジックな世界へと誘われる。
さらにコロアンまで足を延ばせば、まるで時が止まってしまったかのような錯覚を覚えることだろう。この地区にはカジノや高層建築への規制があるため、中心地のコロアン・ヴィレッジには、派手なネオンもビルもない。ガジュマルの並木が南国らしい静かな海岸通りや、ベーカリーから漂うエッグタルトの甘い香りが、村の名物だ。コロアンには、目の前には南シナ海、後ろには九澳山が迫る公園もある。このあたりには、マカオにしては珍しくカジノを併設しない高級ホテルのグランド・コロアン・リゾートや、ポルトガルスタイルのホテルなどがあり、リゾート地として人気が高い。なお、タイパとコロアンに挟まれたエリアは、コタイ地区と呼ばれる開発区で、近年はホテルのオープンラッシュが続いている。
インフォメーション
セナド広場・インフォメーション・カウンター
TEL 8397-1120
議事亭前地/Largo do Senado
時間 9:00~18:00
休み 無休
URL www.macaotourism.gov.mo
交通
バス マカオフェリーターミナルからタイパへは28A系統、セナド広場からタイパへは33系統を利用する。タイパ・ヴィレッジ散策には氹仔官也街での下車が便利。セナド広場からコロアンへは26A系統を利用。コロアン・ヴィレッジ散策は路環市区-1での下車が便利。タイパ・ヴィレッジ〜コロアン・ヴィレッジ間の移動には15系統も利用できる。
ゆったりと時間が流れるタイパ
飲食店やみやげ物店が並ぶ官也街はタイパの中心地
コロアンの船人街はのどかな漁村。干し魚が見られる
街の物語 陸続きになったタイパとコロアン
マカオを激変させた埋め立て事業 2つののどかな島が1つに結ばれ、間には巨大なリゾートエリアが誕生
タイパ、コロアンはかつてそれぞれ「島」の名を持っていたが、現在は陸続きの1つの島だ。これは1980年代から十数年にわたって行なわれた大規模な埋め立てによるもので、新しく誕生した埋立地は、両地区の名をとってコタイ(路氹)地区と呼ばれている。
埋め立ての当初の目的は住宅建設だったが、住宅地の必要性が低下したため、コタイには高級ホテルや大型カジノが続々と建設された。
関連リンク
グルメと観光が楽しめるコンパクトな街 タイパ・ヴィレッジ
ノスタルジックな街並やレストランがひしめく通り、かわいらしい建物が並ぶ屋外ミュージアムが楽しめる。
【関連リンク】
小さな村を気ままに散策
高層マンションが林立するタイパのなかで、観光地となっているのがタイパ・ヴィレッジ。拠点となるのは官也街だ。150mほどの通りの両脇には、料理店やみやげ物店がひしめき、旅行者や地元客のお腹を満たしている。ここから歩いて数分のタイパ・ハウス・ミュージアムは、住居を移築した博物館。コロニアルカラーの建物が並ぶ光景は美しく、写真撮影などもよく行なわれている。タイパの歴史を知るなら、タイパ・コロアン歴史博物館へ。ペパーミントグリーンのかわいらしい建物は、1920年代に海島市市政庁だった建物を改築したものだ。
街歩きコース 移動時間 約30分
START 氹仔地堡街バス停
↓ 1分
1 官也街
↓3分
2 施督憲正街
↓ 6分
3 タイパ・ハウス・ミュージアム
↓ 2分
4 カルモ教会
↓ 8分
5 タイパ・コロアン歴史博物館
↓ 1分
6 北帝廟
↓ 1分
7 地堡街
↓4分
GOAL 氹仔地堡街バス停
風情ある古い街並のすぐ近くに、高層マンションがそびえている
1 有名店が集中するグルメ街 官也街(クンヤガイ)
短い通りに、中国料理、マカオ料理、ポルトガル料理などのレストランやみやげ物店が並ぶ、賑やかな場所。
気軽に入れる店が多い
官也街
- 現地名:
- Rua do Cunha/官也街
- アクセス:
- 消防局前地からすぐ
2 もうひとつのメインストリート 施督憲正街(シートッヒンジェンガーイ)
小さなレストランやカフェが点在する。観光客よりもローカルの人たちのほうが多く、のんびりとした雰囲気だ。
施督憲正街
- 現地名:
- Rua Correia da Silva/施督憲正街
- アクセス:
- 消防局前地から徒歩3分
3 かわいらしいカラーの建物 タイパ・ハウス・ミュージアム
20世紀初頭の邸宅を保存・公開している。館内には、実際に使われていた家具や調度品、衣類などが展示されている。
散策気分で訪れたい博物館だ
ポルトガルの民族衣装や調度品を展示し、マカオでのポルトガル人の暮らしを紹介している
タイパ・ハウス・ミュージアム
- 現地名:
- The Taipa Houses Museum/龍環葡韻住宅式博物館
- 住所:
- 海辺馬路
地図を見る » - アクセス:
- 消防局前地から徒歩15分
- TEL:
- 2882-7103
- 営業時間:
- 10:00~18:30
- 定休日:
- 月曜
4 おごそかなカトリック教会 カルモ教会
タイパに暮らすカトリック教徒のために、1885年に建てられた。結婚記念の写真撮影などに人気のスポット。
テレビドラマのロケで使われることも
カルモ教会
- 現地名:
- Our Lady of Carmel Church/嘉模聖母堂
- 住所:
- 嘉模路士米耶馬路
地図を見る » - アクセス:
- 消防局前地から徒歩13分
- 営業時間:
- 日曜のミサのときのみ(信者以外には内部非公開)
5 タイパの歴史を学ぶ小さな博物館 タイパ・コロアン歴史博物館
地元の伝統産業だった造船業や爆竹業のほか、蝦醤(エビ味噌)やオイスターソースを作る工程などが紹介されている。
かつては市政庁だった建物
タイパ・コロアン歴史博物館
- 現地名:
- Historical Museum of Coloane and Taipa/路氹歷史館
- 住所:
- 氹仔告利雅施利華街
地図を見る » - アクセス:
- 消防局前地から徒歩8分
- TEL:
- 2882-7103
- 営業時間:
- 10:00~18:00(入館は~17:30)
- 定休日:
- 月曜
6 彫刻や彫像、祭壇を見学 北帝廟(パッダイミウ)
悪魔の王を倒して神の称号を授かったとされている北帝を祀る道教の寺院。地元の人々に篤く信仰されている。珍しい彫刻や像もある。
地元で信仰される廟
7 カジュアルなショップが並ぶ 地堡街(デイボウガイ)
官也街の前にあり、比較的新しいショップが並ぶ場所でもある。若い世代をターゲットにした店も多い。
雑貨店やカフェなどが並んでいる
地堡街
- 現地名:
- Rua do Regedor/地堡街
- アクセス:
- 消防局前地からすぐ
タイパ・ヴィレッジ
- アクセス:
- セナド広場からタクシーで20分
旅人をやさしく迎え入れる癒しの村 コロアン・ヴィレッジ
コロアン・ヴィレッジは、ネオンや街の喧騒とは無縁の、静かな漁村だ。時間を忘れてのんびり散策したい。
潮風に吹かれてのんびり散策
中心地から海沿いに延びる船人街は、乾物店が数軒並ぶだけの静かな漁村。海産物の香りが漂うのどかな風景は、カジノタウンや高級ホテルが林立するコタイ地区とは別世界だ。ここから海沿いを南へ歩くと、十月初五馬路。すぐ対岸には、中国の横琴島が見える。突きあたりにある譚公廟は、漁師の神様を祀った小さな寺院。クジラの骨で造った朱塗りのドラゴンボートが保管されている。ここから10分ほど歩けば、聖フランシスコ・ザビエル教会。こんな小さな村に、中国寺院も教会もあるのがマカオらしい。
街歩きコース 移動時間 約30分
START 路環市区バス停
↓ 5分
1 船人街
↓ 5分
2 十月初五馬路
↓ 10分
3 譚公廟
↓ 6分
4 天后古廟
↓ 5分
5 聖フランシスコ・ザビエル教会
↓ 5分
GOAL 路環市区バス停
豊かな緑も魅力的
1 静かな暮らしが息づく漁村 船人街(シュンヤンガイ)
軒先に干しタラを吊るした乾物店が数軒ある。往復しても10分ほどしかかからない小さな通りには、昔ながらの静かな暮らしが連綿と息づいている。
のどかな村の暮らしを見ることができる
海岸近くにある昔ながらの店には、干物をはじめとする海産物が大量に並んでいる
船人街
- 現地名:
- Rua dos Navegantes/船人街
- アクセス:
- 恩尼斯總統前地から徒歩3分
2 対岸に中国が見える 十月初五馬路(サップユッチョーンマーロウ)
船人街から反対側の海沿いに延びる。湾を挟んで目と鼻の先に見えるのは中国大陸だ。通り沿いには、幼稚園や図書館、住宅がある。
亜熱帯らしさが漂う通り
十月初五馬路
- 現地名:
- Avenida de Cinco de Outubro/十月初五馬路
- アクセス:
- 恩尼斯總統前地から徒歩3分
3 紅い壁と屋根が目をひく 譚公廟(タムゴンミウ)
漁師の神様・譚公を祀る寺院。鯨の骨で作られた長さ1.2mの朱塗りのドラゴンボートと美しく彫刻されたオールがある。
小さくかわいらしい寺院
4 航海を見守る女神様 天后古廟(ティンハウグウミウ)
譚公廟と同じ航海の神様。譚公廟は男の神様だが、こちらに祀られるのは女神。小高い丘の上に建っていて見晴らしもいい。
華やかに彩られた祭壇
5 村をそっと見守る教会 聖フランシスコ・ザビエル教会
1928年、ザビエルを祀るために建てられた。聖骨は1978年から聖ヨセフ聖堂に引き取られるまでの約20年間にわたって、ここで大切に守られていた。
白とクリーム色に塗られた、こぢんまりとした教会
鮮やかな水色に彩られた美しい祭壇。布教活動の足跡を示した世界地図もある
聖フランシスコ・ザビエル教会
- 現地名:
- Chapel of St. Francis Xavier/聖方濟各聖堂
- 住所:
- 計單奴街
地図を見る » - アクセス:
- 恩尼斯總統前地から徒歩5分
- 営業時間:
- 9:30~17:00
- 定休日:
- 無休
ハクサ・ビーチ
コロアン南東部にあるマカオ最大の砂浜。砂の色が黒いことからこの名がつけられた。近隣には4000年以上前の遺跡である黒沙遺跡がある。
ハクサ・ビーチ
- 現地名:
- 黑沙海灘
- アクセス:
- バス26A系統 黒沙海灘から徒歩1分
【立ち寄り】海風と食事を堪能 エスパソ・リスボア
正当派ポルトガル料理を提供する一軒家レストラン。晴れた日はテラス席が心地よい。インテリアも素敵。
【関連リンク】
目の前で焼いてくれるビッグサイズのチョリソー
エスパソ・リスボア
- 現地名:
- Restaurante Espaço Lisboa/里斯本地帶餐廳
- 住所:
- 路環水鴨街8号GF
地図を見る » - アクセス:
- 恩尼斯総統前地バス停下車、徒歩1分
- TEL:
- 2888-2226
- 営業時間:
- 12:00~15:00、18:30~22:00、土曜12:00~22:30、日曜12:00~22:00
- 定休日:
- 水曜
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
- 奥付:
- この記事の出展元は「トラベルデイズ 香港 マカオ」です。掲載している情報は、2016年9月〜2017年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。