イタリアでぜひ買いたいブランド10選
ファッション、芸術の国といえばイタリアです。そんなイタリアに行った時買うべきオススメのイタリアブランドを一挙ご紹介させて頂きます。ハイブランドばかりですが日本で買うよりもとにかくお手頃価格!そしてイタ...
更新日:2020年4月13日
聖ルチアの遺骸が奉納されているサン・ジェレミア教会、ヨーロッパ最初のユダヤ人街区を訪ねたあと、ワーグナーが最期を迎えたヴェンドラミン・カレルジ宮、カ・ドーロまで歩く。
駅からの賑やかな通りからユダヤ人地区へ
このルートのスタートは、聖女ルチアを祀るサン・ジェレミア教会。18世紀のネオ・クラシック様式の瀟洒なファサードが特徴だ。内部は端正だが、さほど華美ではない。しかし、聖女ルチアの遺骸が納められているために世界各国から巡礼者が訪れる。サン・ジェレミア広場からサンタ・ルチア駅へ延びるメインストリートは、ホテルとみやげ物店が軒を連ね人の往来もかなりあるが、車やバイクがない分、のんびりとした雰囲気だ。サン・ジェレミア広場前のメインストリートから路地へ。このあたりは狭い路地がはりめぐらされ、ミステリアスな雰囲気が漂う。運河につきあたったら右に折れ、さらに進んで左へと橋を渡る。そこはゲットーと呼ばれるユダヤ人街区だ。ヴェネツィアには12世紀頃からユダヤ人が住んでいたが、ヴェネツィア人とは商売がらみの軋轢もしばしば生じたため、1516年、政府がユダヤ人の居住区をここに定め、古い鋳鉄場(ヴェネツィア語でゲットー)があったことからこの名が付いた。限られた土地に多くの人が住むため、ヴェネツィアでは珍しく4、5階建ての建物が密集しているが、人通りは少なくごく静かである。ゲットーは共和国崩壊の1797年まで続いた。
「黄金の館」が存在した時代に思いを馳せて
ゲットーの後は再び駅から続くメインストリートへと戻り、人の流れに乗って歩く。橋を渡って右に折れるとヴェンドラミン・カレルジ宮がある。16世紀初頭に建てられたルネサンス建築の宮殿だ。イタリア各地を旅しながら作曲・演奏活動を行なっていたリヒャルト・ワーグナーは、この建物の中2階をヴェネツィア滞在の住居としていた。1883年に没した音楽家の住まいはワーグナー協会が保存しており、2階のピアノ・ノービレ(主要階)にはカジノが入っている。コースの最後はカ・ドーロ 。黄金の館と呼ばれたゴシック様式の屋敷は、その昔外壁一面に金箔が施されていた。15世紀ヴェネツィアの輝かしい栄光の時代を語るにふさわしい宮殿である。
交通
(鉄道)サンタ・ルチア (Santa Lucia) 駅
(ヴァポレット)
1,2,3,4.1,4.2,5.1,5.2,N フェロヴィア (Ferrovia)
1,A,N サン・マルクォーラ (S. Marcuola)
1,N カ・ドーロ (Ca'd'Oro)
街歩きコース
サン・ジェレミア教会→5分→ゲットー→6分→ヴェンドラミン・カレルジ宮→7分→カ・ドーロ 移動時間約20分
サン・ジェレミア教会 (Chiesa di San Geremia)
聖ルチアの遺骸を納める11世紀の教会。1753年に改築を開始し、現在の姿になったのは、1861年になってから。
Venezia - Particolare del Ghetto, by Luca Paolini, CC BY-ND
ゲットー (Ghetto)
ヴェネツィア政府が1516年に定めたユダヤ人居住区。
ヴェンドラミン・カレルジ宮 (Palazzo Vendramin Calergi)
1509年建設の、ルネサンス様式の館。ここでワーグナーは没した。
カ・ドーロ (Galleria Giorgio Franchetti alla Ca’ d’Oro)1
440年に完成したゴシック様式の建物。ファサードは金箔貼りだった。
陸路でのヴェネツィアの玄関口。駅前には大運河が横たわる
カンナレージョ地区の小路にたたずむ小さな教会。奇跡を起こす力があると信じられるニコロ・ディ・ピエトロ作の絵『聖母子』を祀るために、1481〜89年にかけて建てられた。設計はヴェネツィア・ルネサンスの代表的建築家ピエトロ・ロンバルドが担当。緑、紫、茶などの多色大理石を寄木細工のように配したファサードは、「宝石箱の美しさ」と称される。内部は淡い色の大理石による装飾が施され、繊細な彫刻が見どころだ。
多色大理石の装飾と上部の明かり窓が美しいファサード
丸屋根と曲線アーチを組み合わせた優美な外観も印象的だ
11世紀に創建され、その後何度も修復を経た。現在の建物は18世紀半ばに再建されたもので、十字形の集中式プランをとる。内部では、バロック様式の祭壇やパルマ・イル・ジョーヴァネの絵画などが見どころだ。左翼廊には、4世紀に殉教したシチリア出身の聖女ルチアの遺骸を安置する。教会横に建つ鐘楼は12世紀の建造で、ヴェネツィア最古と考えられている。
教会全体の完成は19世紀
15世紀にマリーノ・コンタリーニの館として建造。カ・ドーロは「黄金の館」という意味で、完成時は壁面に金箔が貼られ、運河の光に映えて輝いていた。ヴェネツィア・ゴシックによる繊細な装飾は、ドゥカーレ宮殿に次ぐ美しさと讃えられる。内部は美術館になっており、マンテーニャの代表作などに出会える。
館内ではイタリア絵画を展示
9世紀の創建。15〜16世紀に大改築が行なわれ、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式が混合した教会建築となっている。内部には、ヴェネツィア・ルネサンス期を代表する画家たちの作品が多く残る。とくに、左側廊の第2祭壇を飾るベッリーニ作『聖母と聖人』、聖アタナジオ礼拝堂のティントレット作『洗礼者ヨハネの誕生』は必見だ。
ファサードはヴェネツィア・ルネサンス様式
マウロ・コドゥッシの設計により、ロレダン家の館として16世紀初頭に完成。ヴェネツィア・ルネサンス様式による優雅で気品あふれる装飾が特徴だ。その後、カレルジ家、ヴェンドラミン家に受け継がれ、19世紀末には大音楽家ワーグナーが暮らし、ここで亡くなった。現在は市営カジノになっている。
均整のとれた3層構造が美しい建物
13世紀に着工し、15世紀に完成した。共和国時代の14〜17世紀の総督の墓が並び、厳粛な雰囲気。モチェニーゴ家の墓碑や聖ドメニコ礼拝堂が見どころだ。
威厳のあるゴシック様式の聖堂
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