イタリアでぜひ買いたいブランド10選
ファッション、芸術の国といえばイタリアです。そんなイタリアに行った時買うべきオススメのイタリアブランドを一挙ご紹介させて頂きます。ハイブランドばかりですが日本で買うよりもとにかくお手頃価格!そしてイタ...
更新日:2020年4月13日
ヴェネツィア・バロック建築の粋、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会から始めて、現代美術、ヴェネツィア派絵画を巡る、サンタ・マリア・デイ・カルミニ教会までの美術散歩。
サン・マルコ対岸の美術の名所を訪ね歩く
サン・マルコ側から対岸を眺めたとき、ひときわ目立つのが華麗なバロック建築の教会、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会。大運河と海が接する突端近くにそびえる姿は、そのドラマチックなロケーションもさることながら、ヴェネツィアという街の特異な歴史と立地がなせる比類なき景観は、いくら眺めても飽き足らない。サン・マルコからヴァポレットで1区間、その足元に降り立つと、気高いたたずまいと迫力に言葉を失ってしまう。次にめざすのは、米国出身の富豪女性が遺した現代美術館、ペギー・グッゲンハイム・コレクション 。ピカソやデ・キリコといった作家の作品を流派ごとに鑑賞することができ、ビギナーにもわかりやすいのが特徴だ。さらに西へ進んでアカデミア美術館に到着。街のいたるところに美術館が点在するヴェネツィアでも最高峰のコレクションを誇り、14世紀から18世紀のヴェネツィア派の名作が目白押し。先の現代美術館とこのアカデミア美術館の両方を一度に網羅することは不可能に近いので、どちらを重点的に鑑賞するかあらかじめ見当をつけておいたほうがいいだろう。
喧騒を離れ、路地裏をのんびりと散策
アカデミア美術館からカ・レッツォーニコへ向かう。ヴェネツィア大学の学生も行き交うこのあたりは、ギャラリーや本屋、何を扱っているのか一見わからないような不思議な店もあり、そぞろ歩きが楽しい。サン・バルナバ広場のすぐ先、大運河に面して建つカ・レッツォーニコは18世紀絵画中心の美術館だが、ロンゲーナ建築の邸宅の内部構造やフレスコ画も興味深く、時間が許す限りじっくりと見学したいところだ。 最後は起源が14世紀にさかのぼるルネサンス様式のサンタ・マリア・デイ・カルミニ教会。内部は17世紀から18世紀にかけて施された装飾があり、ヴェネツィア芸術の円熟期を感じさせる。
交通(ヴァポレット)
1 サルーテ (Salute)
1,2,N アカデミア (Accademia)
1,A カ・レッツォーニコ (Ca' Rezzonico)
街歩きコース
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会→3分→ペギー・グッゲンハイム・コレクション→5分→アカデミア美術館→8分→カ・レッツォーニコ→4分→サンタ・マリア・デイ・カルミニ教会 移動時間約20分
サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会 (Basilica di Santa Maria della Salute)
連なるクーポラや、数々の彫刻が印象的なヴェネツィア・バロックの傑作。
ペギー・グッゲンハイム・コレクション (Peggy Guggenheim Collection)
現代美術の理解者が生涯にわたって蒐集したさまざまな作品を展示。
アカデミア美術館 (Gallerie dell’Accademia)
14〜18世紀のヴェネツィア派絵画を中心に名作を多数所蔵する美術館。
カ・レッツォーニコ (Ca’ Rezzonico)
18世紀のヴェネツィアの暮らしぶりを当時の建築の邸宅内で楽しめる。
サンタ・マリア・デイ・カルミニ教会 (Chiesa Santa Maria dei Carmini)
14世紀の修道院に付属する教会。17〜18世紀の見事な内部装飾で有名。
美術館や優美な教会が建ち並ぶエリア。この地区へはアカデミア橋を渡って行きたい
ヴェネツィアで蔓延していたペストが1630年に終息したのを記念して、聖母マリアに感謝するために建てられた。設計は、建築家であり、優れた彫刻家でもあったバルダッサーレ・ロンゲーナ。1631年から建造が始まり、建築家の没した5年後の1687年に完成した。八角形プランの上部に大きなクーポラがのる独特の構造を持ち、ヴェネツィア・バロック様式の最高傑作とされる。とくに夕日に染まって黄金色に輝くクーポラは、息をのむ美しさだ。内部では、ロンゲーナが設計し、ル・クールが仕上げた、緻密な彫刻を配した主祭壇が存在感を放つ。主祭壇の左手には、ヴェネツィア派の傑作絵画を飾る聖具室がある。ティントレット作『カナの婚礼』、ティツィアーノ作の連作の天井画などを鑑賞することができる。
大きなクーポラが太陽と水面の光を受けて輝く
彫刻や壁画、天井画など、見どころは尽きない
内側から見たクーポラ。窓からやさしい光が差し込む
かつては19世紀建造の鉄製の橋が架かっていたが、1934年に、エウジェニオ・ミオッツィの設計によって、現在の木製の橋に造り変えられた。大運河に架かる橋のなかで木製なのはアカデミア橋だけで、木の質感とゆるやかなアーチが温かな雰囲気を醸し出す。橋の上からは大運河の大パノラマを満喫できる。
【アクセス】1・2・N番 アカデミア (Accademia )から徒歩1分
木製橋の内部は、鋼鉄による構造補強が施されている
大運河沿いにあるバロック様式の館。17世紀半ばにサルーテ教会を設計したロンゲーナが手がけ、100年後にマッサリが完成させた。長らくレッツォーニコ家が所有していたが、20世紀にヴェネツィア18世紀博物館を館内に設置。館の装飾とともに、往時の衣類や調度品が見学できる。
外装、内装ともに華麗な装飾
運河に面した小さな入口から館内へ
地元の人たちの憩いの場、サンタ・マルゲリータ広場のすぐ近くにある。カルメル修道会の教会として13世紀に建造が始まり、14世紀に完成した。当初はゴシック様式だったが、16〜17世紀に大改築され、ルネサンス様式の影響が濃くなっている。なかでも、改築時に取り付けられた中央身廊のアーチ部分にある、黄金彩色が施された木製彫刻が見事だ。右身廊の第2祭壇のコネリアーノ作の絵画『羊飼いの礼拝』、左身廊にあるロレンツォ・ロットによる装飾衝立なども鑑賞したい。
堂内は華やかな黄金装飾で彩られる
サン・マルコ小広場の向かいに浮かぶ、同名の島に建つ。16世紀後半に建築家パッラーディオが着工し、17世紀初めに全体が完成した。ファサード、内部ともに、古代ローマの古典様式に基づいた均衡美に貫かれている。内部ではティントレットの絵画が必見だ。鐘楼から望むラグーナと街の絶景は深く心に残る。
サン・ジョルジョ・マッジョーレ島は教会と修道院の島
天才パッラーディオが手がけた完璧な均衡美の建物
鐘楼へはエレベーターで昇ることができる
ドルソドゥーロ地区の対岸には、細長いジュデッカ島が横たわる。共和国時代には貴族の別荘が建ち並ぶ保養地だったが、現在は3つの教会、最高級ホテル「チプリアーニ」、展覧会施設、緑地などからなる。本島の華やぎとはひと味違う、島の魅力が味わえる。
【アクセス】2・4.1・4.2・8・N番 レデントーレ (Redentore)で下船
島の中央部に建つ教会。1576年のペスト終息を記念し、1577〜92年に建造された。設計はパッラーディオで、均衡と調和を重んじる古典様式が特徴。毎年7月第3週の週末には、救世主に感謝を捧げる祭りを行なう。
喧騒から離れた島に建つ、16世紀末の教会を訪れたい
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