イタリアでぜひ買いたいブランド10選
ファッション、芸術の国といえばイタリアです。そんなイタリアに行った時買うべきオススメのイタリアブランドを一挙ご紹介させて頂きます。ハイブランドばかりですが日本で買うよりもとにかくお手頃価格!そしてイタ...
更新日:2020年4月13日
みやげ物店で賑わうリアルト橋を渡り、アドリア海の幸満載の魚市場を覗く。雑多なお店が並ぶ路地を抜けてサン・ポーロ教会、さらに、フレスコ画が豪奢なサン・ロッコ大信徒会館へ。
路地の合間に地元民の暮らしぶりが見える
大理石造りのリアルト橋周辺はヴェネツィア市民にとっては日々の暮らしの中心、歴史的にはヴェネツィア誕生の地といわれている。リアルトとは「小高いところ」を意味し、本土から湿地帯に逃げ込んだヴェネツィア人が自分たちの住居を確保したのが海抜が高いこのあたりだったのだ。サン・マルコ方面から来てリアルト橋を渡って進むと左右に道が延びている辻に出る。右に折れて大運河方面に向かうと、青果の露店が建ち並ぶ市場に出る。その奥のアーケードが魚市場だ。アドリア海の豊富な魚介、とくにエビ・カニ類は種類も多く、見ているだけでも楽しい。庶民の生活が垣間見え、観察していると女性よりも男性の買物客が多いことに気づく。来た道を一旦戻り、ヴェッキア・サン・ジョヴァンニ通りを行く。この界隈には古くからの店が多く残っており、みやげ物店に交じってたたずむ老舗を探して歩くのも楽しい。やがて、開けた広場に出る。サン・ポーロ教会前のこの広場は、サン・マルコ広場に次いで広い市民の憩いの場。共和国末期、頻繁に行なわれた祭りの会場としてかつては大変な賑わいをみせたという。
住民の篤志から生まれた豪華な信徒会館へ
サン・ポーロ広場からさらに西へ路地を行き、18世紀に活躍した劇作家ゴルドーニの生家(現・ゴルドーニ博物館)の横を通って、サン・トマ広場を抜けると、サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会の横に出る。サン・マルコ寺院の次に重要なこの教会は、壮大なゴシック建築で圧倒的な存在感を見せつける。その後陣そばに白亜のファサードを持つ2つの建物がL字形に並び建っている。右がサン・ロッコ教会、左がサン・ロッコ大信徒会館だ。ヴェネツィアでは教区ごとに信徒の集会所が造られたが、どれも莫大な資金をつぎ込んだ立派なもの。当時の一般市民の持つ力がどれだけ大きいものだったかがじつによくわかる。
交通(ヴァポレット)
1,2,A,N リアルト (Rialto)
1 リアルト・メルカート (Rialto Mercato)
1 サン・シルヴェストロ (S. Silvestro )
街歩きコース
リアルト橋→3分→魚市場→10分→サン・ポーロ教会→7分→サン・ロッコ大信徒会館 移動時間約20分
Venice, Ponte di Rialto, by Arian Zwegers, CC BY
リアルト橋 (Ponte di Rialto)
13世紀の木造橋を16世紀に大理石造りに改築。19世紀末までは大運河に架かる唯一の橋だった。
il mercato di rialto, by ho visto nina volare, CC BY-SA
魚市場 (Pescheria(Mercato di Rialto))
壁面に「魚小売り」の石碑があるように、魚市場の重要性は古来高かった。
サン・ポーロ教会 (Chiesa di San Polo)
9世紀に創建され、19世紀に改築。ティントレットなどの絵画が残る。
サン・ロッコ大信徒会館 (Scuola Grande di San Rocco)
16世紀に完成、内部はティントレットの絵画の連作で埋め尽くされている。
リアルト橋のたたずまいを鑑賞するのもよし、橋の上から景色を眺めるのもよし
のんびりとした雰囲気が漂う
サンタ・ルチア駅とサン・マルコ広場を結ぶ大運河の中ほどに架かる橋。13〜15世紀、この場所には木製の橋があったが、倒壊や焼失が何度も繰り返され、そのたびに再建された。16世紀に強度と耐久性を増すために石製の橋を造ることが計画され、建築コンペで選ばれたアントニオ・ダ・ポンテの設計によって現在の橋が建造された。素材には白大理石が使われ、紺碧の大運河とのコントラストが美しい。アーチ型の橋下の最上部は水面から7m以上あり、ある程度の大きさの船も通行が可能だ。橋上の中央通路の両脇には商店が並ぶスペースが設けられ、現在は伝統工芸の店やみやげ物店が軒を連ねる。外側には欄干のあるゆったりした階段があり、大運河のダイナミックな眺めが楽しめる。
【アクセス】1・2・N・A番 リアルト(Rialto)から徒歩1分
街の中間部を結ぶアーチ型が美しい全長約48mの橋
リアルト橋から望む夜の大運河は幻想的な雰囲気
スクオーラの一般的意味は「学校」だが、かつてヴェネツィアでは同業、同郷の組合を意味した。さらに、スクオーラ・グランデは地域の有力者らが組織する互助組織「大信徒会」を指し、ヴェネツィアに6つ存在した。それぞれ集会所や役員室を備えた会館を持ち、お互い競うように、芸術家たちに館内を飾らせた。サン・ロッコの大信徒会では1564年、「接客の間」の天井画を描くコンペが行なわれ、16世紀ヴェネツィア派を代表する画家ティントレットが選ばれる。その後、ティントレットは20年以上の歳月をかけて建物の内部すべてに絵画装飾を施した。連作や大作も含め、約70枚もの作品がここに残り、画家が得意としたダイナミックな構図と、明暗の対比を使い分けた色彩の妙を堪能できる。なかでも『エジプトへの逃亡』『青銅蛇の奇跡』『羊飼いの礼拝』などが必見だ。
大信徒会の会員の寄付によって16世紀半ばに建造された
14〜15世紀にフランチェスコ修道会の教会として建造された。この街で活躍した偉人たちの墓が多いことから、「ヴェネツィアのパンテオン(霊廟)」とも呼ばれる。構造はバジリカ式プランで、3身廊に分かれた内部はとても広い。いちばんの見どころは、後陣の主祭壇にあるヴェネツィア・ルネサンスの巨匠ティツィアーノの傑作絵画『聖母被昇天』。構図、色彩、劇的表現のすべてにおいて完璧で、ヴェネツィア派の到達点といえる。1576年にティツィアーノは病没、この教会の右身廊にある墓に埋葬された。彫刻家カノーヴァ、音楽家モンテヴェルディ、総督フォスカリの墓も、この教会にある。身廊中央には、15世紀後半に制作された木製の聖歌隊席があり、繊細な象嵌細工が素晴らしい。
歴史的な芸術家の墓も多い教会
創建は9世紀。14〜15世紀に再建、19世紀に大改築されたため、ビザンチン、ゴシック、新古典主義様式が混在している。教会前の鐘楼は14世紀の建造で、その下部に配された2頭の獅子像が愛らしく、教会の名物になっている。内部には、ティントレット、ヴェロネーゼ、ジャンドメニコ・ティエポロらの宗教画がある。
一部の壁は修復時のままむき出しになっている
リアルト橋の北側には、平日の午前中、生鮮食料品を扱う市が立つ。とくに、アドリア海の新鮮な魚介を扱う魚市場の活気と賑わいは、水の都ならではの楽しさだ。新鮮な果物や野菜を売る市もあるので、旅の合間のビタミン補給に利用するのもいい。
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