更新日:2020年4月13日
イタリア出入国ガイド&各空港からのアクセス
楽しい旅行のための大切な第一歩は、入国審査や空港への移動。憧れの地に到着しても、不安ばかりではもったいない。どのような手順で出入国するのか、市内までの交通手段など、十分に日本で用意を整えて、ストレスのない旅を始めたい。
フライト・スケジュール FLIGHT SCHEDULE
東京からイタリアへの所要時間 約12時間30分〜13時間
2015年2月現在、日本からイタリアへは、成田空港からローマのフィウミチーノ空港へ週7便、ミラノのマルペンサ空港へ週4便のノンストップ直行便が運航している。所要時間は約12時間30分~13時間。運航はすべてアリタリア-イタリア航空だ。ノンストップ直行便は昼頃日本を出発、同日の夕食どきに到着する。直行便以外は乗り継ぎで訪れることになり、便が多いのはヨーロッパで、パリやフランクフルト、ヘルシンキなどで乗り継ぎをすれば、同じ日のうちにイタリアへアクセスできる便も多い。ストップオーバーで他都市の滞在を楽しむのも良い。時間はかかるが、ドーハやドバイは金額が安めなので人気がある。乗り換えの移動が大変になりがちだが、ヨーロッパからのLCCの便も安くてお得。
■おもな航空会社
・アリタリア-イタリア航空(AZ) Alitalia
03-3568-1411(東京)
892010(イタリア国内コールセンター)
www.alitalia.com/JP_JA
■日本からの直行便がある空港
・ローマ・フィウミチーノ空港 06-65951 www.adr.it/fiumicino
・ミラノ・マルペンサ国際空港 02-232323 www.seamilano.eu
■イタリアへの直行便
・成田NRT→ローマ・フィウミチーノ空港FCO アリタリア・イタリア航空AZ 週7便 所要時間:12時間50分
・成田NRT→ミラノ・マルペンサ国際空港MXP アリタリア・イタリア航空AZ 週4便 所要時間:12時間30分
※2015年2月現在。運航便数や所要時間は時期により変更があります。
■日本からフィレンツェ、ヴェネツィアへ 日本からの直行便はないが、ローマやミラノのほか、フランクフルト、ミュンヘン、パリ、アムステルダム、ロンドンなどで乗り継いで、同日中に到着できる便は多い。接続時間は1〜4時間半ほど。フィレンツェはペレートラ空港(FLR)、ピサ空港(PSA)、ヴェネツィアはヴェネツィア・テッセラ空港(VCE)に到着する。
・フィレンツェ・ペレートラ空港(アメリゴ・ヴェスプッチ空港)
055-3061300 www.aeroporto.firenze.it
・ピサ空港
050-849300 www.pisa-airport.com
・ヴェネツィア・テッセラ空港(マルコ・ポーロ空港)
041-2609260 www.veniceairport.it
日本出国 DEPARTURE FROM JAPAN
①空港ターミナルへ
出発2時間前を目安に空港へ。成田空港などでは、利用する航空会社のターミナルを確認しておく。
②チェックイン
航空会社カウンターで、パスポートと航空券(Eチケット控え)を提出。大きな荷物を預けて、荷物引換証と搭乗券を受け取る。フライトによっては、事前にオンラインでのチェックインも可能。刃物類や、規定量を超える水分を含む荷物は、機内への持ち込みが制限されているので、預ける荷物の中に入れておく。
③持ち込む荷物のセキュリティチェック
機内へ持ち込む荷物のX線検査と、ボディチェック。ペットボトルなどの液体類はここで没収される。また、ライターやマッチは1人1個まで。小さいものでも刃物類は持ち込めない。
④税関申告
高価な外国製品を持ち出す場合は、税関の窓口で、外国製品の持出し届を提出、承認を得る必要がある。
⑤出国審査
日本国のパスポート所有者はパスポートと搭乗券を審査官に提示。
⑥搭乗ゲート
搭乗券にあるゲート番号を確認し、両替や買物などが済んだら搭乗ゲートへ。
機内への持ち込み禁止・制限物
■液体物
100mℓ以下の容器に入れ、総容量1ℓ以下のジッパー付のプラスチックの袋に入れる。1ℓを超える場合は機内に預ける荷物に入れる。漬物、缶詰、歯磨き粉なども対象。免税店で購入した化粧品、酒類などは容量にかかわらず持ち込み可能だが、乗り継ぎ空港で没収されることが多い。
■刃物
包丁、カッターなど刃物類は、形状にかかわらず禁止。スーツケースなどに入れ、機内に預ける。
■ライター
1人1個に限り持ち込み可能。預け荷物は不可。
イタリア入国 ENTRY INTO ITALIA
①空港ターミナルへ
到着したターミナルの到着ホールに向かう。ローマの場合、日本からの便はT3に到着することが多い。到着はArrivi。荷物受取Ritiroまたは出口Uscitaのサインに従い、入国審査場Controllo Passaportiへ。
②入国審査
ブースはEU圏内居住者とそれ以外の旅行者に分かれているので、All Passaportiの列に並ぶ。審査官にパスポートを提示すると、入国スタンプを押してくれる。
③預けた荷物の受け取り
荷物受取所Ritiro Bagagliへ。搭乗便名のサインがあるターンテーブルで機内に預けた荷物をピックアップ。カートはデポジット式で、利用するには€1が必要。
④税関検査
税関Doganaでは、申告するものがない場合は緑のランプの検査台へ、申告するときは赤のランプのカウンターに並ぶ。スーツケースだけなら普通に通過できる。段ボール箱などを持っているときは呼び止められ、内容物を聞かれることがある。
イタリア入国時の免税の範囲
■酒類
アルコール度22度未満のお酒2ℓ、またはアルコール度22度以上のお酒1ℓとワイン4ℓ、ビール15ℓ
■たばこ
紙巻たばこ200本、シガリロ100本、葉巻50本、刻みたばこ250g
■その他
€430(陸路入国は€300)以下の品物
※ユーロ、外貨の持ち込み制限はないが、€1万相当額以上の現金や有価証券などを持っている場合は出入国時に申告が必要17歳未満の酒、たばこの持ち込みは禁止
近隣諸国からの入国 ENTRY FROM EU COUNTRIES
鉄道での入国 BY RAIL
ヨーロッパの主要都市間は多くの高速鉄道で結ばれている。シェンゲン協定加盟国間では出入国審査が簡略化されているので、各国間をスムーズに移動できる。
■列車の種類
周辺諸国からイタリアにアクセスする路線のおもなものに、ヨーロッパの主要都市を結ぶEuroCityユーロシティ、フランス国鉄の新幹線TGVなどがある。
■ユーレイル・パス
ヨーロッパ内での移動が多いなら、規定の範囲内で鉄道が乗り放題になるユーレイル・パスを活用したい。パスは複数種類あり、使用できる日数、列車の等級、使用できる国数から、連続して使用するか、フレキシブルに利用するか、など旅のスタイルに合わせて細かく分けられている。
レイルヨーロッパ www.raileurope-japan.com
■入国の手続き
シェンゲン協定加盟国間の出入国審査は簡略化されているが、列車で入国の場合は、車内で簡単にパスポートチェックされることも。
■近隣諸国からの直行列車
【フランス】
パリ~ミラノ 列車の種類TGV 所要時間=約7時間
ニース~ミラノ 列車の種類EC 所要時間=約4時間40分
【スイス】
チューリッヒ~ミラノ 列車の種類EC 所要時間=約4時間
チューリッヒ~ヴェネツィア 列車の種類EC/ES 所要時間=約5時間10分
【オーストリア】
ウィーン~ヴェネツィア 列車の種類EN 所要時間=約7時間30分
インスブルック~ヴェネツィア 列車の種類EC 所要時間=約4時間40分
【ドイツ】
ミュンヘン~ミラノ 列車の種類EC 所要時間=約7時間20分
ミュンヘン~ヴェネツィア 列車の種類EC 所要時間=約6時間30分
TGV=テジェヴェ ES=ユーロスター EC=ユーロシティ EN=ユーロナイト
※2015年1月現在
ミラノ中央駅に到着するユーロシティ
飛行機での入国 BY AIR
ヨーロッパの主要都市からローマ、フィレンツェ、ミラノ、ヴェネツィア、ナポリなどに便が運航している。シェンゲン協定加盟国からのフライトは国内線と見なされるので、入国審査は省略される。ローマ・フィウミチーノ空港ではターミナル1・2に、ミラノではマルペンサ国際空港のほか、リテーナ空港に到着する便もある。
■近隣諸国からの直行便のフライト時間
ロンドン(イギリス) 約2時間45分(ローマ)、約2時間(ミラノ)
パリ(フランス) 約2時間10分(ローマ)、約1時間30分(ミラノ)
ニー(フランス) 約1時間10分(ローマ)
チューリッヒ(スイス) 約1時間40分(ローマ)
リスボン(ポルトガル) 約3時間(ローマ)、約2時間45分(ミラノ)
マドリード(スペイン) 約2時間25分(ローマ)
バルセロナ(スペイン) 約1時間45分(ローマ)、約1時間30分(ミラノ)
フランクフルト(ドイツ) 約2時間(ローマ)、約1時間20分(ミラノ)
国際長距離バスでの入国 BY BUS
ヨーロッパの主要都市を結ぶEurolinesユーロラインズなどを利用して入国できる。ローマへはアムステルダム、バルセロナ、ロンドン、リヨンなどから、ミラノやヴェネツィアへはフランクフルト、ロンドン、ブリュッセルなどからバスが運行している。チケットは現地でも購入できるが、ウェブサイトで予約しておくのが無難。
ユーロラインズ www.eurolines.com
イタリア出国 DEPARTURE FROM ITALIA
①空港へ向かう
航空会社によってターミナルが異なるので、事前に確認しておく。空港には2時間前までに到着。免税手続きがある場合は、さらに時間に余裕を持つこと。
②チェックイン
利用する航空会社のカウンターで、パスポートと航空券(Eチケット控え)を提示して荷物を預け、搭乗券とバゲージクレームタグを受け取る。免税手続きがある場合は、税関(DOGANA)で手続きをする。購入品を手荷物と預け荷物のどちらにするかなどで、手順が異なるのでよく確認しておくこと。
③出国審査
係官にパスポートと搭乗券を提示して審査を受ける。カウンターが分かれている場合はNon-EU Nationsの列へ並ぶ。
④持ち込む荷物のセキュリティチェック/ボディチェック
機内に持ち込む手荷物のセキュリティチェックとボディチェックのあと、パスポートのチェックがある。日本出国時と同じように、液体物やライターの持ち込みは制限されている。
⑤ショッピングなど
時間があれば出発までショッピングを楽しもう。遅くても30分前には搭乗口へ。急に搭乗口が変更されることもあるので、モニターやアナウンスに注意すること。
日本帰国 RETURN TO JAPAN
①検疫
機内で検疫質問票が配られた場合は記入し、検疫で係官に手渡す。体調に異状を感じたら質問票が配られなくても申告。
②入国審査
日本のパスポート所有者は“日本人”の列に並ぶ。順番がきたらパスポートを提示。
③預けた荷物の受け取り
搭乗した便の掲示があるターンテーブルで機内に預けた荷物をピックアップする。破損や紛失は係員にバゲージクレーム・タグを提示し、申し出る。
④動植物検疫
ハムやソーセージ、果物など、動植物とその製品を持ち帰った場合は、検疫で検査を受けなければならない。肉類はほとんどのものが持ち込み禁止なので買わないほうが安全。チーズは、ハムなどの肉類を含んだものでなければ持ち帰れる。
⑤税関検査
機内で配られた携帯品・別送品申告書をパスポートとともに提出。別送品がある場合は2枚記入。日本出国時に外国製品の持出し届を提出したときは、承認印が押されたものも同時に出す。免税範囲内であれば緑、超えている場合は赤の検査台へ。携帯品・別送品申告書は免税範囲内でも記入・提出が必要。
日本入国時の免税の範囲
■免税の対象
海外旅行者の日本入国時の成人1人あたりの免税範囲は右のとおり。別送品がある場合は、購入した品物は携帯するものと合算して申告する。未成年者は酒類とたばこ類は免税にならない。また、6歳未満の子供は、明らかに子供本人が使用するもの以外は免税されない。
・酒類
1本760㎖程度のもの3本
・たばこ
紙巻200本、葉巻50本、その他250gのいずれか1種。2種類以上を購入した場合は換算して合計250gまで。日本製たばこは外国製たばことは別に上記と同じ量まで免税
・香水
2オンス(約56㎖)
オーデコロン、オードトワレは除外
・同一品目
同一品目の合計が1万円以下の物
(例:1箱1000円のチョコを9箱購入)
・その他
海外市価の合計が20万円以内のもの
■物品の課税方法
①海外市価の合計が20万円を超える場合は、20万円に納まる物品は免税、残りの物品に課税される。
②1個が20万円を超える場合は、物品全体に課税される。
③腕時計、貴石、パソコン、ゴルフクラブなどは関税は無税。消費税のみ課税される。
免税手続き PROCEEDING OF FREE TAX
イタリアの商品には日本の消費税と同様のIVA(付加価値税)4〜22%が課せられていて、手続きを踏めば、手数料を引いた額の税金が返金される。対象となるのはTax Freeのマークを掲げている店。店や手続き代行会社によって条件などに多少の違いはあるが、手続きの手順は基本的に同じ。なお空港内の免税店はあらかじめ値段から税金を引いている。
免税の条件 CONDITION OF FREE TAX
● EU圏外に在住(EU滞在期間が6カ月未満)。
● 1軒の店で1日に総額€154.94以上の買物をした(飲食費など対象外のものもある。店により最低購入金額が異なることも)。
● 購入月の末日から3カ月以内に、購入者本人が商品を未使用のままEU加盟国外へ持ち出すこと。
● 購入月の末日から3カ月以内に払戻しの申請を行なうこと。
免税の手順 PROCEEDING OF FREE TAX
■店で商品を購入、手続き
すべての店が免税手続きを行なってくれるわけではない。一流ブランドやデパートのほか、グローバル ブルーやプレミア・タックス・フリーなどの免税手続き代行会社の加盟店であるというステッカーが目印となる。支払いの際に店員にパスポートを提示し、「タックス・フリー・プリーズ 」と言えば免税書類を作成してくれる。免税書類を受け取り、名前やパスポート番号など記入されている事項に間違いがないか確認し、必要事項を記入する。
■空港で税関に輸出承認印をもらう
購入品を預け荷物にする場合は、チェックインカウンターでスーツケースにバゲージタグを付けてもらってから、荷物を持って税関(DOGANA)へ。手荷物にして機内へ持ち込む場合は、出国審査後に税関手続きをする。税関では、免税書類、レシート、搭乗券(航空券)、パスポートを提示して免税書類に承認印をもらう。購入品の提示を求められることも。この承認印のない書類は無効になる。税関の場所や手順は、空港によって異なることもあるのでよく確認しよう。
■払い戻し:クレジットカード
クレジットカードによる払い戻しを希望する場合、税関の承認印が押された免税書類にクレジットカード番号を記入し、店でもらった封筒に入れて、税関近くのポストに投函する。控えがない場合は免税書類番号(バーコード)をメモしておき、返金される2〜3カ月後まで大切に保管を。銀行小切手も選択できるが、手数料がかかるため少額払いの戻しには不向き。
■払い戻し:現金
空港の出発ロビーなどにある、払戻しカウンターに書類を提出して現金を受け取ることもできる。免税書類にクレジットカード番号が記載されていると現金の払い戻しができない。グローバル ブルー、ユーロ・リファンドなどの代行会社では帰国後に成田カウンターに書類を提出して日本円で受け取ることもできる。
グローバル ブルー加盟店はこのマークが目印
■タックスフリー加盟店ではない場合
免税書類を用意していない店や、持っていても使ったことのない店では、その店で使っている通常の請求書(Fattura)を発行してもらい、商品の内容、価格、IVA22%の価格のほかに、「Art.38 Quater DPR 633/72」と記入してもらう。これはEU諸国圏外に住む外国人がIVAの払い戻しを請求できる法令のこと。空港の税関でこれらが明記された請求書にスタンプを押してもらうと、払い戻しが可能になる。 ただし、タックスフリー加盟店ではない場合、払い戻しは各店が行なうため、本当に払い戻しされるかどうかは店次第。スタンプ済みの請求書を商品を購入した店に郵送し、店から銀行振込などの方法で払い戻しを受ける。たびたび訪れる街なら、直接行くほうが確実。
手続きの注意点 IMPORTANT REMINDER
● EU加盟国を移動する場合は、原則として最後に出国する国の空港で免税手続きをする。
● 税金の返還は、約2〜3カ月後のクレジットカード明細で確認できる。時期が過ぎたら控えに記載された連絡先に催促を。
● 日本帰国後は、免税書類を申請期限内に直接代行会社に郵送し、クレジットカードに払戻しをしてもらうことができる。
観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。
- 奥付:
- この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。