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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

ヴァチカン市国 サンピエトロ大聖堂やヴァチカン美術館など見どころ紹介

世界最大級の教会、サン・ピエトロ大聖堂を中心としたカトリックの聖地でもあり、ミケランジェロやラファエロなどイタリアを代表する芸術家の作品を見ることもできる。

ヴァチカン市国を知る

ヴァチカン市国のプロフィール
Stato della Città del Vaticano
面積 0.44㎢
人口  約800人
言語 公用語はラテン語、日常生活はイタリア語
アクセス ⓂA線オッタヴィアーノ/サン・ピエトロ/ムゼイ・ヴァチカーニ駅 オッタヴィアーノ出口から徒歩8分

見学アドバイス
入国は自由
イタリアとヴァチカン市国の国境は城壁に囲まれているが、サン・ピエトロ広場から自由に往き来できる。ヴァチカン美術館の入口からも入国できる。パスポートは不要。

観光客が歩ける範囲
ヴァチカン市国内で外国人が歩きまわれるのは、サン・ピエトロ広場とサン・ピエトロ大聖堂、ヴァチカン美術館の3施設に限られている。庭園はツアーでのみ入場可能。

服装に要注意
神聖な場所なので、脚や肩を出す露出の多い服を着ていると、大聖堂などの入場を断られる。羽織るものや足を隠す大判のストールを準備しておきたい。

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イエス・キリストは神の子としてあがめられている

ヴァチカン市国を知るQ&A

ヴァチカン市国ってどんな国?

ローマのテヴェレ川西側にあり、ローマ教皇が統治する世界最小の国家。カトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂を擁することでも知られている。

どれくらい小さい国?

国土面積は0.44㎢。これは東京ディズニーランドとほぼ同じ大きさ。

市民はどんな人たち?

市民は約800人で、そのほとんどは枢機卿や司祭などの聖職者。ここで生まれ育つ一般市民はおらず、世界中から集まる教会関係者が国籍を取得している。国の警備を行なうスイス人衛兵もヴァチカン市民になる。

どんな歴史がある?

もともとこの地はキリストの第一の弟子、聖ペテロの墓所で、4世紀に教会が創設された。8世紀、教皇に土地が寄進されたのを皮切りに19世紀まで教皇領の拡大とともに栄えたが、イタリアの国家統一の際、領土問題で政府と対立。1929年、教皇領を手放す代わりに独立国家となった。

見どころは何?

芸術的価値の高い建造物や作品を多数有し、国全体が世界遺産となっている。教会や広場、美術館のいずれも巨匠たちの彫刻や絵画作品に彩られている。なかでもサン・ピエトロ大聖堂のピエタ像や、システィーナ礼拝堂の『最後の審判』はあまりにも有名。

おすすめルート

混雑する順に、ヴァチカン美術館→サン・ピエトロ大聖堂→サン・ピエトロ広場とまわるのがおすすめだが、昼入場はどこも大行列。美術館に3時間、大聖堂と広場で2時間ほどの時間をみておきたい。

歴代教皇の貴重なイタリア美術コレクション ヴァチカン美術館 Musei Vaticani

有名なミケランジェロのシスティーナ礼拝堂をはじめ、巨大な美術館に傑作が並ぶ。1日ですべてを見てまわるのは不可能なので、ポイントを絞って効率的にめぐれるよう計画を立てたい。

システィーナ礼拝堂やピナコテカなど、大小合わせて24の博物館や美術館があり、「ヴァチカン美術館」はその総称。見学コースは全長7㎞、総面積4万2000㎡に及び、広大な展示スペースを誇る。おもな収蔵品は歴代の教皇コレクションだ。ヴァチカン美術館は、16世紀初頭、教皇ユリウス2世がベルヴェデーレ宮殿の中庭に古代ギリシャの彫刻群を置いたことが起こりとされている。その後、貴重な文化遺産が海外に流出するのを防ぐため、歴代の教皇たちは積極的に芸術作品を収集してきた。

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鑑賞時間の配分を決めておこう

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館内は20以上の美術館や博物館に分かれている

Museums of Vatican , gallery

展示品だけではなく、豪華な内装も見学に値する

見学アドバイス

チケットの予約方法
料金は前払いだが、事前予約で待たずに入場できるのでぜひ利用しよう。
①ホームページにアクセス
ホームページ上で必要事項を記入し、クレジットカードで料金を支払う(入館料のほかに、€4が人数分かかるので注意)。60日前から受付、1~10人まで同時に申し込み可能。言語は英語とイタリア語のみ。URL biglietteriamusei.vatican.va
②メールで確認書を受け取る
予約確認書(バウチャー)がメールで送られてくるのでプリントし、見学当日忘れずに持参しよう。
③専用列からスイスイ入場
当日は一般の列ではなく予約者専用の列に並び、チケット窓口で予約確認書を提示。チケットを受け取って入場する。

混雑をできるだけ避けよう
事前にオンライン予約しておけば、チケット売り場の長い行列に並ばずに済む。予約していない場合、開館直後か14時過ぎ頃、時季は冬のオフシーズンや雨の日などが狙い目。反対に、休館日の前日と翌日、午前中が入場無料の毎月最終日曜は終日混雑している。夏季休暇にあたる8月15日前後も人が多い。

館内の構成を知っておこう
地上階と上階に分かれ、チケット売り場やクローク、セキュリティチェックなどは地上階より一段低いところにある。そこから地上階までらせん階段を上り、見学ルートへ。オーディオガイドが借りられるのも地上階。

プランを決めて効率よく鑑賞
世界でも有数の広さを誇り、一方通行の場所も多く、すべてを見てまわるには相当の時間が必要。あらかじめ見たい作品やエリアを決めて、自分なりのプランを立てておきたい。

服装と荷物に注意
聖堂などと同じく露出の多い服装での入場は遠慮したい。大きな荷物は持ち込めないので、入口脇のクロークに預ける。貴重品などを入れる小さなバッグの携行を忘れずに。

より深く鑑賞するために
ルートマップは無料配布している。公式ガイドブック(€16、日本語)は売店で購入できる。オーディオガイド(€7、日本語)は入口から上の階に上った貸し出しカウンターでパスポートを預けて借りる。返却も同じ場所。天井画などの鑑賞用にオペラグラスがあると便利。

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オーディオガイド貸し出しカウンター

見学モデルコース

システィーナ礼拝堂だけなら1時間半程度でまわれるが、以下のようなコースもおすすめ。

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入口
入口は個人用と団体用があるので、間違いのないように並ぼう。チケットを予約している人は行列に並ばず、直接入口へ。チケットを予約していない場合は階段を上り地上階で購入。

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ピナコテカ(絵画館)Pinacoteca
12〜19世紀の絵画やタペストリーを時代順に展示。西洋美術の歴史の流れを目で確認できる。

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ピオ・クリスティアーノ美術館 Museo Pio Christiano
初期キリスト教美術が中心。ラテラーノ宮殿にあった彫像、モザイクを展示。

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エジプト・グレゴリウス美術館 Museo Gregoriano Egizio
歴代教皇がエジプトから集めた美術品を9室にわたって展示している。

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キアラモンティ美術館 Museo Chiaramonti
長い廊下に皇帝たちの胸像をはじめ何百もの大理石の像が並ぶ。最奥の石碑ギャラリーは要予約。

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ピーニャの中庭 Cortile della Pigna
ブロンズ製の松ぼっくり(ピーニャ)が目印の中庭。1〜2世紀の頃、噴水として造られた。

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ピオ・クレメンティーノ美術館 Museo Pio Clementino
2人の教皇の古代彫刻のコレクションを、テーマ別に12室に分けている。

Museums of Vatican , gallery

燭台のギャラリー Galleria dei Candelabri
豪華な装飾の回廊の両脇に古代ローマ時代の美術品が並んでいる。天井画も美しい。

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タペストリーのギャラリー Galleria degli Arazzi
ラファエロと弟子たちの下絵によるタペストリーが何点かある。

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地図のギャラリー Galleria delle Carte Geografiche
グレゴリウス13世が天文学者に描かせた下絵をもとにした、1580年代の地図のフレスコ画が並ぶ。

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ソビエスキの間 Sala Sobieski
19世紀の絵画を展示。部屋名はウィーンを解放するソビエスキ王の姿が描かれた作品から。

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現代宗教美術コレクション Collezione Arte Contemporanea
パウロ6世の呼びかけにより収集された20世紀のキリスト教美術作品を展示。

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Cappella Sistina | Vaticano, by p_v a l d i v i e s o, CC BY-SA

システィーナ礼拝堂 Cappella Sistina
ミケランジェロの『最後の審判』があるヴァチカン美術館のハイライト。ここのみ撮影は禁止されている。

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Biblioteca Apostolica Vaticana - Vaticaanstad {2001}, by westher, CC BY

ヴァチカン図書館 Biblioteca Apostolica Vaticano
図書館の入場は許可制。いくつかの展示室に入れる。通路から見られる『シクストゥスの大広間』に注目。

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出口
らせん階段を下りるとここに出る。出口はイタリア語で「uscita」。優美ならせん階段はジュゼッペ・モモの設計

ショップに立ち寄り

広い店内にはオリジナル商品などが並び、品ぞろえは充実。

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ヴァチカン美術館のオリジナル商品もたくさんある

ヴァチカン美術館

現地名:
Musei Vaticani
住所:
Viale Vaticano
地図を見る »
アクセス:
メトロA線オッタヴィアーノ/サン・ピエトロ/ムゼイ・ヴァチカーニ駅 オッタヴィアーノ出口から徒歩6分
TEL:
06-69883860
営業時間:
9:00~16:00(閉館は~18:00)、毎月最終日曜は~12:30(閉館は~15:00)
定休日:
日曜(最終日曜は開館)、祝日 
Webサイト:
http://mv.vatican.va

名だたる芸術家たちが手がけた、カトリックの真髄 サン・ピエトロ大聖堂 Basilica di San Pietro

世界中のカトリック信者の聖地であり、 『ピエタ像』や『聖ペテロ像』など芸術的価値の高い彫刻も見ることができる。風格ある外観と、優美な内部の装飾を粛々と見学したい。
コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認した4世紀初頭に創建された教会。12使徒のひとり、聖ペテロの墓があった場所に建造された教会は、床面積2万3000 ㎡と世界最大級。16世紀初頭、教皇ユリウス2世の命によって再建された際、当時のローマで活躍していた建築家や彫刻家のほぼすべてが加わった。120年の歳月を経て、ルネサンスとバロックが融合した荘厳な建物が実現した。

見学アドバイス
オーディオガイドを借りる
貸し出しカウンターは入ってすぐ右にある。料金は€7で、デポジットとしてパスポートを預ける。一緒に渡される地図を見ながら、スポットの番号を押すと説明が聞ける。日本語あり。

服装に注意
短パンやミニスカート、ノースリーブ、ビーチサンダルなど露出の多い服を着ている人は入場できない。羽織るものや足を隠す大判のストールを準備しておきたい。帽子も屋内では取ること。

スムーズに出入りしたい
朝早い時間、または16時以降など閉館時間に近いと比較的スムーズに入れる。大聖堂内部からヴァチカン美術館へアクセスできる通路はなく、美術館の入口まで城壁沿いにぐるっとまわるしかない。また、大聖堂が東向きのため、早朝はきれいな写真が撮れる。

入場の仕方
①広場でセキュリティチェック
サン・ピエトロ大聖堂を正面に見て、右側柱廊の奥でボディチェックや服装検査が行なわれる。金属探知機もある。
②大聖堂に入場
セキュリティチェックのあと、大聖堂正面右側の入口まで続いている列に並ぶ。左側は出口専用。まずクーポラへ上る場合は入口をくぐったら右奥に続く通路に進む。

 

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威風堂々としたたたずまいの教会

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広場でセキュリティチェック

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大聖堂に入場

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San Pietro, by Fagerjord, CC BY

壮麗さに息をのむ大聖堂内部。信者にとっては最高位の聖地なので節度をもって行動したい

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聖堂を芸術的価値も高い装飾が彩る

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Guardia Svizzera Pontificia, Città del Vaticano (Guarda Suíça Pontifícia, Cidade do Vaticano), by giancornachini, CC BY

スイス人衛兵
16世紀初頭から現在まで教皇を守るのは、屈強さを誇るスイス人傭兵。19〜30歳で身長が174㎝以上、かつカトリックで兵役を経験したスイス市民であることなど、厳しい審査をパスしたエリート。 制服はミケランジェロのデザインといわれている

クーポラへ上ろう

クーポラへ上る入口は大聖堂の向かって右手の中庭にある。見学者はエレベーターまたは階段で身廊と側廊の上のテラスまで上り、そこからは徒歩でクーポラの内部を上る。

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展望台からは楕円形のサン・ピエトロ広場と美しく広がるローマの街並みが堪能できる

正面扉 入口の扉は5つあり、左から「死の扉」「善と悪の扉」「中央扉」「秘蹟の扉」「聖年の扉」。聖年の扉は25年に一度しか開かない。

正面ファサード マデルノが設計し17世紀初頭に完成。屋上に立っているのは、十字架を持ったキリスト像。

小クーポラ 小さな2つのシンメトリーのクーポラはヴィニョーラ作。

クーポラ ミケランジェロが設計。内側壁面には、16世紀末に作られた貴重なモザイク画が施されている。頂上からの眺めは圧巻。

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ミケランジェロの設計で弟子のジャコモが完成させた

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Pieta, Rome, 2008, by Russ2009, CC BY-ND

ピエタ像 Pietà
ミケランジェロ23歳のときの作品。磔によって死んだキリストを胸に抱く悲哀に満ちた聖母マリアの彫刻。右側廊の一番手前の礼拝堂内。

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身廊 Navata
聖堂内部は縦が横より長いラテン十字の形をしており、縦の部分を身廊と呼ぶ。縦横が交差する場所にクーポラを支える柱が立ち、中心には教皇の祭壇がある。

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聖ペテロ像 Statua di San Pietro
キリストの最初の弟子であり、初代教皇の聖ペテロ像。信者によるキスで足の部分はすり減っている。

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地下墓地(グロッタ)Grotte
聖ロンギヌスの彫刻の下にある階段から入る。前々教皇のヨハネ・パウロ2世など、歴代の教皇の墓などを見ることができる。祈りを捧げる信者も多い場所なので、静粛に見学を。

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聖ペテロの司教座 Cáttedra di San Pietro
聖堂の最奥、後陣と呼ばれる最も神聖な場所にある。内部には聖ペテロが使ったとされる木製の古い司教座がある。

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大天蓋(バルダッキーノ)Baldacchino
クーポラの真下にある、教皇の祭壇を覆うブロンズ製の大天蓋。1633年にベルニーニが手がけた高さ29mもの大作。祭壇はツタのからまるねじれた柱や華麗な装飾で彩られている。

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聖具室と宝物館 Sala del Tesoro
聖堂の左側廊から聖具室と宝物館へ行くことができる。

売店も要チェック!

聖具室へ向かう途中の回廊や、クーポラへ上る入口右手に売店がある。公式ガイドブックやポストカード、ロザリオ、教皇のフィギュアなど、ここでしか買えないグッズを手に入れよう。

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公式ガイドやクリアファイル、キーホルダーなど

最も神聖な場所 古代ローマの墓地ツアー!

1939年、グロッタ(地下墓地)の拡張工事をしている際に、ローマ時代の初期キリスト教徒の墓が発見された。聖ペテロの墓と思われるものもあり、現在も研究が進められている。見学は要予約で、FAXもしくはEメールで申し込む。人気なので1か月以上前に予約したい。所要時間は約1時間30分。大聖堂左の鐘のアーチの先から入る。ネクロポリスツアー

知ればなるほど!カトリック教会

【カトリック】 Cattolico
カトリック教会はキリスト教における最大宗派で、信徒は世界中で約12億 人といわれる。ヴァチカンは、この信者を擁するカトリック教会の最高機関を担い、世界中から巡礼者が訪れる。

【ローマ教皇】Santo Padre(Papa)
すべてのカトリック教徒をまとめる最高位の統治者。ヴァチカン市国の国家元首でもある。聖ペテロの後継者で代理人という立場で、2013年にはアルゼンチン出身のフランシスコが第266代の教皇に選出された。

【コンクラーベ】 Conclave
教皇が退位するか崩じるとともに開かれる新教皇選挙。教皇に次ぐ高位聖職者の枢機卿のうち80歳以下の者(現在120人程度)が集まり、ヴァチカン市国のシスティーナ礼拝堂にこもって投票で決める。投票ごとに礼拝堂の煙突から煙が出て、黒の場合は未決定、白色の場合は決定したことを表す。

【聖ペテロ】 San Pietro
新約聖書に登場するイエス・キリストの第一の弟子。イタリア語読みでピエトロ。イエスの受難後はキリスト教布教のために各地をまわり、現在のサン・ピエトロ大聖堂の地で殉教したとされる。カトリックでは、主から天国の鍵を授かった初代のローマ教皇としている。

【天の国の鐘】 Le chiavi del Regno
マタイ福音書ではイエスがペテロに「わたしはあなたに天の国の鍵を授ける」と告げた箇所がある。それ以降、歴代教皇はペテロから代々天の国の鍵を受け継いでいるという解釈で、紋章などには鍵のモチーフが多用される。サン・ピエトロ広場と大聖堂の形も鍵穴のように見える。

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Italy-0028 - Piazza San Pietro Fountain, by archer10 (Dennis) 101M Views, CC BY-SA

広場の列柱上のレリーフ

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教皇に会いたい
大聖堂に向かって右側の柱廊の奥に教皇の邸宅がある。毎週日曜の正午には教皇によるお告げの祈り(Angelus)が行なわれ、4階の右から2番目の窓から、現在の第266代教皇フランシスコが姿を見せてくれる。

サン・ピエトロ大聖堂

現地名:
Basilica di San Pietro
住所:
Piazza S. Pietro
地図を見る »
アクセス:
メトロA線オッタヴィアーノ/サン・ピエトロ/ムゼイ・ヴァチカーニ駅から徒歩10分
TEL:
06-69881662
営業時間:
7:00~19:00(10~3月は~18:00※教皇の説教あり、日曜・祝日で教皇の説教がある場合は13:00~18:00)
定休日:
日曜礼拝および宗教的祝日には入場制限あり 

ベルニーニが設計したヴァチカンのメイン玄関 サン・ピエトロ広場 Piazza di San Pietro

おごそかな雰囲気漂う大聖堂がたたずむ広場壮麗な空間美に魅せられる
サン・ピエトロ大聖堂の正面に広がる広場。長さ340m、幅240mと南北に長い楕円形で、大規模な行事の際には最大30万人もの人々を収容することができるほどの広大な敷地。イタリア人建築家ベルニーニが設計を担当し、約11年の歳月をかけ1667年に完成した。回廊の上には140体ものカトリック聖人像が並び、観光客から信者まで、訪れる者を静かに見守っている。

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サン・ピエトロ大聖堂に入場するためのセキュリティチェックの長い列

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オベリスク
紀元前1世紀にエジプトのアレクサンドリアに建てられたもの。1586年にカリギュラ帝の競技場にあったオベリスクを現在の場所に移築させた。 広場の中央にそびえる

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噴水
オベリスクを挟んで左右対称に2基の噴水が配されている。 設計をしたのはベルニーニとサン・ピエトロ大聖堂の造営主任だったカルノ・マデルノ

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ベルニーニ・ポイント
オベリスクと各噴水の中間点にあり、この上に立つと、円柱回廊の四重の柱が重なって1本に見え、外の景色が望めるよう仕掛けが施されている。花崗岩の円盤

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ベルニーニ・ポイントからはこんなふうに見えます

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大柱廊
左右に2列、284本の巨大な柱が大聖堂へ導くように並んでいる。上の聖人像はベルニーニの弟子たちが制作を担当している。 コロッセオをヒントにし、劇場型の広場となるよう284本ものドーリア式円柱を配した空間

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聖人像は全部で140体! 高さは3.3m

サン・ピエトロ広場

現地名:
Piazza di San Pietro
アクセス:
メトロA線オッタヴィアーノ/サン・ピエトロ/ムゼイ・ヴァチカーニ駅から徒歩10分
営業時間:
見学自由
定休日:
無休 

ヴァチカン庭園 Giardini Vaticani

サン・ピエトロ大聖堂の裏側に位置する庭園で、一般公開はしていないが、ガイドツアー(英・伊語)に参加すれば見学可能。見学には事前の予約が必要で、インターネットからの申し込みも受け付けている。

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大聖堂の裏側に広がるヨーロッパ式の優雅な庭園

ヴァチカン庭園

現地名:
Giardini Vaticani
Webサイト:
http://biglietteriamusei.vatican.va
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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるイタリア’18」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年10〜12月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。料金・価格の単位は、ユーロ(€)で表示しています。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。