永遠の都イタリアローマ観光で外せないスポット7選
イタリアのローマは「永遠の都」と表現される美しい街。世界中の観光客が訪れるローマは街の至る所に古代ローマ時代から様々な年代の史跡が残されています。初めてローマを訪れる方はどこから訪ねるべきか迷ってしま...
更新日:2020年4月13日
ローマ帝国の政治・経済・宗教の中心地だった「フォロ」。遺跡群の間を歩きながら、権威あるローマ市民の歴史に思いを馳せたい。
「フォロ」は公共広場のこと。古代ローマ共和国の集会や裁判、政治討論や商業活動の場として利用された。紀元前753年、パラティーノの丘にローマが建国され、そのふもとに公共スペースが整備されたのが起源とされ、ここを中心にローマ市民が集い、都が発展していった。
凱旋パレードも行なわれた聖なる道を中心に数々の神殿や、元老院、バジリカ(集会などに使われる会堂)などが建ち並んでいた。
紀元前27年に初代皇帝に即位したアウグストゥスが義父ユリウス・カエサルが火葬された場所に神殿を建設したのをはじめ、帝政が始まるとともに、歴代皇帝たちが権威と財力を誇示するために、華やかな建造物を建てていった。
ローマ帝国の衰亡とともに、大火や5世紀のゲルマン人の侵入などで荒廃が進んだ。ルネサンス期には建材が持ち出されることもあったが、19世紀初めに発掘が始まり、現在も続く。
スムーズに入場するために
入り方はフォーリ・インペリアーリ通りからと、サン・グレゴリオ通りからパラティーノの丘を経由する2通りで、すいているのは後者。コロッセオとパラティーノの丘とは共通券で入場でき、コロッセオの券売所は混んでいるので、チケットを購入するならコロッセオ以外のほうが時間を節約できる。
暑さ対策を忘れずに
広大なフォロ・ロマーノには日陰がほぼないので、帽子やサングラスは必須。中には売店もないので飲み物も忘れないように。
コロッセオに行くには
パラティーノの丘とフォロ・ロマーノは内部でつながっている。コロッセオに行くにはティトゥスの凱旋門から東へ進む。南の高台のほうへ進むとパラティーノの丘になり、出口まで少し歩くことになる。
パラティーノの丘からフォロ・ロマーノを眺めた景色
●カンピドーリオ広場から市庁舎の裏手の道に進むと、フォロ・ロマーノの全体を見下ろせる
●小高いパラティーノの丘にある展望テラスからがいい眺め
●カンピドーリオ広場から市庁舎の裏手の道に進むと、フォロ・ロマーノの全体を見下ろせる
アントニヌスとファウスティーナの神殿 Tempio di Antonino e Faustina
紀元141年、皇帝が后の死後に建造。コリント式の6本柱による神殿は、基壇をほぼ完全に残しており美しい。
バジリカ・エミリア Basilica Emilia
金融関連の商取引や裁判が行なわれた集会所だった。紀元前179年にエミリア一族の監察官が建てた。
聖なる道 Via Sacra
フォロの中央を貫く最も重要な通り。宗教的な行列や凱旋行進が行なわれていた。
クーリア・ユリア(元老院議事堂)Curia Iulia
共和政時代の政治の中心だった場所。現在見られる建物は、ディオクレティアヌス帝時代の遺跡をもとに20世紀に復元したもの。
セプティミウス・セウェルスの凱旋門 Arco di Septimio Severo
紀元203年に建設。高さ21mで小アーチ上のパネルには2度にわたるパルティアとの戦いが描かれている。大理石の装飾が見事。
サトゥルヌスの神殿 Tempio di Saturno
奴隷や貧民階級に敬われた農耕の神サトゥルヌスを祀る場所だった。8本の柱とイオニア式の柱頭が現存。紀元前42年に再建された。
ユリウスのバジリカ Basilica Giulia
アウグストゥス帝が建立。司法・行政目的で、長さ82m、幅18mのホールに4つの裁判所がある。略奪に遭い、今は柱しか残っていない。
カストルとポルックスの神殿 Tempio di Castore e Polluce
レーギルス湖畔の戦いで勝利の報をもたらした双子の神に捧げられた神殿。美しいコリント式の3本柱は紀元前6年のものを修復したもの。
ウェスタの巫女の家 Casa delle Vestali
神殿内部に灯る「聖なる火」を守る巫女たちの住居。居室や台所、浴室などが整っている。
ロムルス神殿 Tempio del Divo Romolo
皇帝が幼くして死んだ息子のために建てた神殿だが、父帝の戦死で未完成のまま。
マクセンティウス帝のバジリカ Basilica di Massenzio
集会や裁判の会場。紀元306年にマクセンティウス帝が着手し、コンスタンティヌス帝により完成。ローマ帝国有数の巨大建築だった。
フォロ・ロマーノの道を挟んだ向かいにある遺跡群で「諸皇帝のフォロ」を意味する。紀元前54年にカエサルがフォロを造ったのち、アウグストゥス、トラヤヌスなど歴代皇帝が権力の証に次々とフォロを造営、拡大した。内部は入場禁止なので外から見学しよう。
フォーリ・インペリアーリ通りから眺める
テヴェレ川の東に位置する7つの丘は古代都市を形成したローマの起源の場所。紀元前8世紀には、市民生活の場である各丘に集落があったとされ、邸宅や浴場、商店街などが設けられていたという。
ローマ建国神話に登場するロムルスが、紀元前8世紀半ばに街を建設したとされる丘。高級住宅地として繁栄し、アウグストゥスの家などの遺跡が残る。丘の北側にあるファルネジアーニ庭園からフォロ・ロマーノの全景を眺められる。敷地は広大で、サン・グレゴリオ通りの入口からフォロ・ロマーノまでは迷いやすいので注意。
フォロ・ロマーノ、コロッセオとの共通券で入れる
交通ⓂB線コロッセオ駅から徒歩6分
チルコ・マッシモからは、パラティーノの丘に連なる古代ローマ時代の遺構を見渡せる
ローマの3守護神の神殿が建造された神聖な場所だった。
芸術家のサロンが開かれ、古代文芸の発信基地だった。
カエサルを皮切りに歴代皇帝がフォロを建造した丘。
旧市街の南端で、共和制末期から住宅街として開けた。
最も標高が高く、共和制期、帝政期には住宅街だった。
テヴェレ川を通商に使っていた古代の頃の交通の要衝。
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