永遠の都イタリアローマ観光で外せないスポット7選
イタリアのローマは「永遠の都」と表現される美しい街。世界中の観光客が訪れるローマは街の至る所に古代ローマ時代から様々な年代の史跡が残されています。初めてローマを訪れる方はどこから訪ねるべきか迷ってしま...
更新日:2024年9月11日
古代ローマの競技場跡に造られた細長い楕円形のナヴォーナ広場、古代ローマ建築の粋であるパンテオン、大貴族の遺品ドーリア・パンフィーリ美術館から美しいトレヴィの泉を巡りましょう。
地図の上でも不思議な形をしているナヴォーナ広場は、古代ローマ・ドミティアヌス帝時代の競技場跡の上に造られたもの。ルネサンス時代には市民の生活の場として市が立ち、17世紀に現在とほぼ同じ姿となり、競技会やカーニバルなどの祭りのメイン会場として機能した。3基ある噴水のうち、オベリスクをいただく広場中央と南にあるものはジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作だ。学生や地元民がのんびりと散歩したり、おしゃべりに興じる姿も多く見られ、活気のあるスポットだ。広場を囲むようにカフェやレストランが並び、旅行者にとっては待ち合わせや休憩の場としても便利。ナヴォーナ広場から東へカラヴァジョの名作を有するサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会の横を通ってパンテオンへ。一見すると神殿のような、荘厳な雰囲気の建物は、古代ローマ時代の遺跡。古代ローマ皇帝が建立し、7世紀初頭に聖母と殉教者に捧げた教会となったここには、画家ラファエロの墓や、イタリア統一王の墓もある。内部を見学したら、正面広場にあるカフェテラスでその外観を眺めるのもいいだろう。周辺には上院議会をはじめ、政治の中心となる建物が集まっている。
ナヴォーナ広場にはカフェが並ぶ。ローマで最も夜景が美しい場所のひとつとされる
ナヴォーナ広場にある、雄壮なベルニーニの『四大河の噴水』
古代ローマ競技場跡に造られた大きな広場。だ円形の細長い広場には3つの泉がある。
紀元前27年にアグリッパが建て、のちにハドリアヌス帝が全面的に改築した教会。
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パンテオン正面左からサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会横を抜けてコルソ通りに向かう。工房や小さなブティック、老舗のチョコレート店などが点在する道を抜け、コルソ通りに出る手前右手に入口があるのは、ドーリア・パンフィーリ美術館 。大貴族が建てた館の一部で、その私蔵コレクションを公開。16〜18世紀の絵画と豪華な家具調度品を一度に堪能できる稀有な美術館だ。コルソ通りを北上するとコロンナ広場が見えてくる。国会議事堂などがこの広場に面して建っている。また、コルソ通りを途中で右に折れれば、みやげ物店が並ぶムラッテ通り、さらにその先にはその数400を超えるといわれるローマの噴水のなかでも最も美しいとされる、トレヴィの泉に出る。
ジェノヴァとグッビオ出身の大貴族が姻戚関係を結び、権勢を誇った名家の私設美術館。
現在、イタリアの政治の中心地といえばここ。テレビの中継地としても登場する。
3つの噴水が演出する劇場空間ローマを代表する広場のひとつ
紀元1世紀末、ドミティアヌス帝がこの場所にローマ最初の競技場を建設したのが始まり。当時はここで騎馬戦車競技などが行なわれていたという。南北に細長い楕円形をしていて、長径260m、短径50m。16世紀に教皇シクストゥス5世が広場として整備し、17世紀の教皇イノケンティウス10世の時代に3基の噴水が造られた。中央に『四大河の噴水』、北に『ネプチューンの噴水』、南に『ムーア人の噴水』が配されている。とくに注目は『四大河の噴水』で、高さ17mのオベリスクがそびえるシンボル的な存在だ。ナイル川、ガンジス川、ドナウ川、ラプラタ川をバロック彫刻で擬人化したベルニーニの傑作。これは世界におけるキリスト教の勝利を意味しているという。オベリスクはマクセンティウス帝の競技場にあったもので、ローマ時代の作品。噴水には、オリーブの枝をくわえた鳩をモチーフにした教皇の家紋があしらわれている。
ローマらしい魅力に満ちた広場でのんびりと噴水を眺めて過ごす
北側にある『ネプチューンの噴水』は、ジャコモ・デッラ・ポルタが16世紀に水盤のみを造り、のちにネプチューンやキューピッドなどが付け加えられた。南側にある『ムーア人の噴水』も同様に、先に水盤が造られ、あとからベルニーニのデザインをもとにしたイルカと戦うムーア人の彫刻が加えられた。現在、広場は大道芸人と似顔絵描きが集まるローマ有数の観光スポットであり、昼夜を問わず地元の人と観光客で賑わう。この広場をぶらぶらするだけでも活気に満ちたローマの息吹は感じとれるはず。今も昔もお祭りが行なわれ、19世紀までは、夏には広場中央に水を張り、馬車を走らせるなどしていたという。
4体の像は、それぞれが世界の四大河を表している
広場北側にある「ネプチューンの噴水」
聖アグネスが殉教した場所に8世紀に造られた。ナヴォーナ広場に面して建つ。17世紀にボッロミーニやベルニーニらが少しずつ手を加えて現在の姿となった。
クーポラはボッロミーニの
ローマ最大のクーポラをいただくミケランジェロが賛美した建築
ラテン語でパンテオンとはすべての神を意味し、すべての神を祀る神殿のことをいう。古代ローマの将軍アグリッパが紀元前27~25年にかけて建てたが80年に焼失。その後、120年頃に、ハドリアヌス帝がほぼ現在の姿に再建した。円筒に半球体をのせたような形をしており、ミケランジェロはその美しさを「天使の業」といって讃えたという。床面の直径も高さも約43mという大きなクーポラで覆われた空間は威厳に満ち、訪れる者を圧倒する。この多量な石材の重量を支えるために、周囲の壁は6.2mもの厚みがあるという。パンテオンは現存する古代ローマ建築のなかでも最も完全な姿を残す遺跡だが、こうしてほかのローマ時代の建造物と違って破壊を免れたのは、ビザンチン皇帝フォカスが教皇ボニファティウス4世に献上し、609年に「殉教者の聖母マリア教会」としてキリスト教会となったためだ。
数々の著名な芸術家たちが眠る心が洗われる静謐な巨大空間
ドームの頂上には直径9mの円窓があるが、これがパンテオン唯一の光源。そこから差し込む日の光が床のモザイクを照らし出し、神秘的な雰囲気を醸し出している。かつて神々の像が飾られていた壁龕(装飾用に施された壁のくぼみ、ニッチ)は今は礼拝堂として使用されており、その5番目と6番目の間にはラファエロの墓がある。そのほかにも、イタリア王国統一後の初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世やその息子であるウンベルト1世などもここに埋葬されている。ロレンツェット作の『石の聖母』像や、メロッツォ・ダ・フォルリ作の『受胎告知』などの多数の絵画も飾られている。
ローマのすべての神々に捧げられたパンテオン
隠しアーチ
ドームを支える厚い壁には、石材の重量を分散させるためにアーチが埋め込まれている。
ドーム内部
サン・ピエトロ寺院を凌ぐ巨大なドームだが、製法は木製の枠にコンクリートを1度打っただけ。
ラファエロの墓
37歳の若さで死去した天才。墓にはロレンツェットの聖母像が飾られている。
柱
太さ4.5mのコリント式の花崗岩の円柱16本が並んでいる。
パンテオン前のロトンダ広場にあるジャコモ・デッラ・ポルタ作の噴水の中央にそびえるシンボル的存在。これはイシス神殿から運ばれてきたものだ。
噴水周辺にはいつも人が集まっている
イタリア内閣総理府のある広場
広場中央に立つ高さ30mのマルクス・アウレリウスの記念柱が目印。このドーリア式の円柱は、2世紀末、マルクス・アウレリウス皇帝の死後、その栄誉を讃えて、トラヤヌスの記念柱を手本にして建造されたものだ。柱の表面にはらせん状に戦闘シーンのレリーフが刻まれており、皇帝自身の顔や恐怖に怯える兵士の表情などが見てとれる。1575年にはグレゴリウス13世がデッラ・ポルタに噴水を造らせ、1630年には広場に面してキージ宮殿が完成。広場として整備されたのは18世紀後半になってからのことだ。キージ宮殿は当初アルドブランティーニ家が所有していたが、1659年にキージ家の手に渡り、その後、1917年には政府の所有となった。現在は内閣総理府が置かれ、テレビの政治ニュースなどで中継地としてよく登場する。
ローマが1870年に首都となって以来、政治の中心地だった
高さ30mの円柱はマルクス・アウレリウス帝に捧げるために造られた
色とりどりの野菜や果物、食品を売る露店が並ぶ賑やかな広場。キッチン用品を売る店もあり、おみやげ調達にも便利。広場の中央に立つのは、かつて地動説を唱え、1600年にこの広場で火あぶりにされた哲学者ジョルダーノ・ブルーノの銅像。
風格あるたたずまいのルネサンス建築
16世紀にローマ教皇パウロ3世を輩出した有力貴族ファルネーゼ家の宮殿。コロッセオやカラカラ浴場などから石材を調達し、完成にほぼ50年かかったという。荘厳なファサードはミケランジェロによるもので、以降多くのルネサンス建築のモデルとなった。現在はフランス大使館が置かれている。
美しいファサードは、ミケランジェロの手による
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