永遠の都イタリアローマ観光で外せないスポット7選
イタリアのローマは「永遠の都」と表現される美しい街。世界中の観光客が訪れるローマは街の至る所に古代ローマ時代から様々な年代の史跡が残されています。初めてローマを訪れる方はどこから訪ねるべきか迷ってしま...
更新日:2020年4月13日
終着駅という名のローマの中心駅から、共和国広場をめざす。ディオクレティアヌス帝の浴場跡、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会を経て、クイリナーレ宮までをゆったりと歩く。
【街歩きコース】
START A・B線 テルミニ駅 5分
①共和国広場
↓ 3分
②ディオクレティアヌス帝の浴場跡
↓ 5分
③サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会
↓ 10分
④クイリナーレ宮
↓ 6分
GOAL A線 バルベリーニ駅
移動時間約30分
1867年、時の教皇ピウス9世の「イタリア首都の駅」の宣言のもと開業したテルミニ駅。幾度かの拡張を経て、現在の姿となったのは2000年、聖年を記念しての大改装だった。大きくモダンな駅を出るとおびただしい交通量に少々たじろぐが、かまわず400mほど歩けば左前方にロータリー式の共和国広場が現れる。中央にはナイアディの噴水、広場の左半円は回廊式の建物、広場の右側にはディオクレティアヌス帝の浴場跡がある。4世紀初頭にトラヤヌス浴場式にのっとって造られた、集会場、庭園、いくつもの浴槽からなる広大な遺跡で、現在は国立博物館の一部。浴場の痕跡はほとんど残っていないが、古代ローマの石碑や出土品が数多く展示されている。16世紀に一部がサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会として改装されたが、遺跡をそのまま利用した珍しい例だ。共和国広場に戻り、さらに100mほど前進すると右手に見えるのがサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会。プロテスタント軍との戦いを勝利に導いたという聖母に捧げるため、1620年に造られた。交通量の多いバルベリーニ通りなど、5つの通りが交差する場所にあり、つねに賑わう真の意味でのローマの中心地だ。
ローマ四大聖堂のひとつ、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
私邸だったバルベリーニ宮は、現在は絵画館として利用されている
サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会の見事な円天井
車が行き交うロータリー広場。エセドラと呼ばれる半円形のアーケードが特徴。
298〜306年に公共浴場として建設。19世紀終わりからは国立博物館として機能している。
『聖テレーザの法悦』をはじめ、ベルニーニの彫刻作品が多く、連日たくさんの人が訪れる。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会の脇を斜め左に進めばバルベリーニ広場へと続くが、まずは9月20日通りを南西へと進む。背筋を伸ばしたような感のある陸軍省の建物を左に見ながらさらに行くと、やがてサン・カルロ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会が、そして、右手にクイリナーレ宮が見えてくる。大統領官邸として使用される現在は、宮殿前広場にカラビニエリの姿も見られる。また、撮影スポットとしても人気がある。宮殿はローマの7つの丘のひとつ、クイリナーレの丘に建ち、同名の広場からはサン・ピエトロ寺院方面を眺望できる。中央にたたずむのはオベリスクがそびえるモンテカヴァッロの泉だ。
ローマを一望できるクイリナーレの丘に建つ。イタリア大統領官邸。
美しい妖精たちが舞う噴水広場
車が行き交うロータリーに囲まれた広場。もとはディオクレティアヌス帝の造った大浴場跡の円形広場だったが、それをもとに、イタリアが統一された1861年に造られた。柱廊のある半円形のアーケードに囲まれており、中心には4人の妖精たちが水を噴き上げる「ナイアディの噴水」がある。これは20世紀初頭に彫刻家マリオ・ルテッリが手がけたもので、夜にはライトアップされ、いっそう優美な雰囲気に。アーケードにはバールや商店があり、夏にはステージで音楽会が催される。観光バスや路線バスの発着所もある。
広場中央にあるのはダイナミックな「ナイアディの噴水」
夜には広場全体がライトアップされてきらびやかな雰囲気
幹線が交わる旧市街の交通の要
多くの通りが交差する交通の要衝で、広場中央にはバルベリーニ家の依頼でベルニーニが制作した「トリトーネの噴水」がある。4頭のイルカに支えられた半人半魚の海神トリトーネの彫像から水が噴出している。
「トリトーネの噴水」が広場の中央に鎮座している
世界の旅行者が集うローマの玄関口
教皇ピウス9世の発案で19世紀末に造られたローマ中央駅が前身となっている。のちに、ムッソリーニが改修を命じ、1950年に完成した。ガラスと大理石を用いた近代的な建物で、ローマ最大の駅。名画『終着駅』(1953年)の舞台となったことでも有名だ。
2000年、機能的に改装された
聖母マリアに捧げられた最初の教会
紀元356年の夏、教皇リベリウスの夢に現れた聖母マリアの「数日のうちに雪が降る地に教会を建てよ」とのお告げにより、5世紀に創建された。幾度もの増築と修復で時代様式もさまざまだが、それらが見事に調和している。とくに堂内で見逃せないのは身廊の梁上のモザイク画。5世紀の作で、旧約聖書の36場面が描かれた、初期キリスト時代の貴重な作品だ。ローマはこの教会を中心にして都市計画が進められたといわれており、周囲にはまっすぐな道路が延びている。
迫力あふれる北西ファサード。入口は南東の広場側にある
聖母の戴冠のモザイク
13世紀末のヤコポ・トリッティ作。色彩豊かなローマ・モザイクの代表作。
主祭壇
17世紀初頭にパウルス5世が建造。グイド・レーニのフレスコ画が見逃せない。
ベルニーニの傑作を所蔵する
17世紀初頭にボルゲーゼ枢機卿の依頼によって、カルロ・マデルノが建立した教会。もとは聖パウロのために造られたものだったが、三十年戦争の際、聖母マリアの奇跡によってカトリック軍がプロテスタント軍に勝利すると、それを記念し、新たに聖母マリアに捧げられた。左右にそれぞれ3つの礼拝堂があるが、なかでも左翼廊にあるコルナーロ礼拝堂は必見。祭壇上に飾られている大理石彫刻『聖テレーザの法悦』はベルニーニの代表作で、バロック芸術の傑作といわれている。
熱心なベルニーニファンが訪れることで知られる小さな教会
ベルニーニの傑作『聖テレーザの法悦』はリアルな表情に注目
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