永遠の都イタリアローマ観光で外せないスポット7選
イタリアのローマは「永遠の都」と表現される美しい街。世界中の観光客が訪れるローマは街の至る所に古代ローマ時代から様々な年代の史跡が残されています。初めてローマを訪れる方はどこから訪ねるべきか迷ってしま...
更新日:2020年4月13日
古代ローマ社会最大の娯楽スポットとして建設された巨大な闘技場の遺跡。今にも観客たちの歓声が聞こえてきそうな圧倒的な迫力がある。
Q 誰がいつ建てたもの?
A 西暦72年にヴェスパシアヌス帝が着工、80年にティトゥス帝が完成させた。4万人の奴隷を使い、8年で完成させた。
Q 何のための建物?
A 剣闘士同士や猛獣を相手にした戦いを観衆に見せる闘技場。約5万人を収容する規模の施設だった。捕虜となった兵士や、解放を目当てに出場した奴隷たちが剣闘士として出場。猛獣や剣闘士を相手に命を懸けて戦った。負けた剣闘士は観客に命乞いし、観客がその剣闘士の生命を決めることもあった。罪人の処刑も見世物として行なわれた。
Q なぜ闘技会が行なわれた?
A その昔のローマ社会は「パンとサーカス」という言葉で揶揄される。当時のローマ皇帝は、民衆の人気を集め政治的な問題から目をそらすために、無料で小麦を配給し、演劇や闘技会を開催。いずれも無料だった。
Q いつまで開かれた?
A 5世紀の中頃、ホノリウス帝のキリスト教時代に入ると残酷な闘技は中止された。その後、中世から近代にいたるまで白大理石やレンガなどが建築資材として持ち去られていたが、19世紀にようやく歴史的価値が認められ保存態勢が進んだ。
夜はライトアップされて迫力が増す
名前の由来は、この地に立っていたネロ帝の巨大な像(コロッソ)によるものといわれている
コロッセオには古代ギリシャの異なる建築様式が用いられている。それぞれの特徴を見比べて、当時の技術の高さを推し量ってみるのも面白い。
4F コリント式の角柱がある壁 Corinthian Order
レンガを積み上げて柱に見立てた建築様式。かつては日よけの天幕を張るため、外壁にロープを渡していた。
3F コリント式 Corinthian Order
柱頭にアカンサスの葉をモチーフにした彫刻が施された柱などが特徴。装飾が細かく、繊細で優美な印象を与える。
2F イオニア式 Ionic Order
柱頭の左右に垂れ下がる渦巻き模様の彫刻が印象的。完成当時は各アーチの下に彫像が1体ずつ置かれていた。
2F ドーリア式 Doric Order
装飾の少ないシンプルな柱が特徴。ドーリア人がもたらした建築様式とされ、下部へゆるやかにふくらみ、力強い。
かつてコロッセオの中央には穴の開いたキャンバス製の巨大な天蓋があり、闘技場全体を覆っていた。こうした工夫により、観客には1日20分以上日光が当たらないようになっていたという。
完成当時、白大理石の装飾が施されていたコロッセオ。かつての面影は、修復された観客席の一部で見ることができる。客席は身分や性別によって厳しく分けられていた。
闘技場の舞台のことで、ラテン語の砂(=アレーナ)に由来する。取りはずし可能な板張りの床の上に砂を敷き、剣闘試合などで血に染まるたび新しい砂がまかれた。
出入口と席の番号がきっぷと対応していて、スムーズに移動できる工夫が施されていた。
向かって右がチケット売り場、左がローマ・パス所持者の入口となっている
大道具の倉庫や世界各地の猛獣を入れた檻、試合を待つ奴隷たちの土牢などがあった。猛獣はせり上げ式で登場させるなど高い技術が用いられていた。迷路のように仕切られた壁は、床板の支えになっており、今でもその一部を見ることができる。
行列回避術は3つ
チケット売り場の行列の回避法として、まずはチケットをWEBで事前購入する方法(www.coopculture.it英語あり)。次にローマパスで入場する方法。そしてパラティーノの丘かフォロ・ロマーノでコロッセオとの共通券になっているチケットを購入する方法。いずれの方法でもチケット購入の列に並ばず直接入場口に行ける。
オーディオガイドを借りる
チケット売り場の左の窓口では、オーディオガイド(日本語あり)の貸し出しあり。料金は€5.50。
コロッセオは現在修復中
コロッセオは2013年10月から大規模な修復工事中。2016年には外壁の修復が終了。その後の修復作業も予定されている。
コロッセオの前には剣闘士の格好をした人たちがいる。彼らと一緒に写真を撮るのは有料で、とくに日本人は料金をふっかけられることもあるので、記念撮影の際には事前に料金を確認しよう。
紀元315年、ミルヴィオの戦いの勝利を讃えて建てられた高さ28mの凱旋門。ローマでは最も大きい門で比較的保存状態も良い。
古代ローマ帝国の中心地だったこのエリア。必見のフォロ・ロマーノとコロッセオのあとは、近辺の見どころにも足を延ばしたい。
コンセルヴァトーリ宮とヌオーヴォ宮、セナトリオ宮の3つの美術館を総称してカピトリーニ美術館と呼ぶ。教皇シクストゥス4世のコレクションが中心で、古代ローマの彫像や16〜18世紀のヨーロッパ絵画が充実している。
ローマ建国の祖の双子と狼の彫像『牝狼』
ミケランジェロが設計したカンピドーリオ広場に建つ
ヴェネツィア広場に面して威風堂々と建つネオ・クラシック様式の巨大な建造物。市民からは「ヴィットリアーノ」と呼ばれる。1861年のイタリア統一の立役者、イタリア王国の初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の偉業を讃え、1911年に完成した。最上階の展望台からはローマ市街を一望できる。
Monumento Vittorio Emanuele II, ROME, ITALY, by Atibordee_K, CC BY-ND
白亜の殿堂のデザインは市民から募った
古代、井戸の蓋として利用されていたとされる「真実の口」は、6世紀に建てられたサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の左の柱廊にある。映画『ローマの休日』にも出た観光スポット。教会内部、礼拝堂の聖母子のモザイク画や主祭壇の天蓋も見逃せない。
海神トリトーネの姿が彫られているとか
見学アドバイス 入口に注意
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会と真実の口は入口が別。真実の口への入口は行列ができていることもある。柵の間から見学するだけなら並ばなくてよい。
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