永遠の都イタリアローマ観光で外せないスポット7選
イタリアのローマは「永遠の都」と表現される美しい街。世界中の観光客が訪れるローマは街の至る所に古代ローマ時代から様々な年代の史跡が残されています。初めてローマを訪れる方はどこから訪ねるべきか迷ってしま...
更新日:2024年11月14日
歴代教皇の貴重なイタリア美術コレクションがそろうバチカン美術館。
世界で最も有名な絵画のひとつ『最後の審判』や、システィーナ礼拝堂など見どころも多く、事前にしっかり見学の順序を立てておくことが満足度を左右するカギとなります。
ここでは、見どころはもちろん見学モデルコース3選をマップ付きでご紹介します。バチカン美術館に訪れる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
市国内にある大小20以上の博物館や美術館の総称が「バチカン美術館」。
見学コースは全長7㎞、総面積4万2000 ㎡にも及びます。有名なミケランジェロのシスティーナ礼拝堂をはじめ、貴重な文化遺産が海外に流出することを防ぐため、歴代の教皇たちが積極的に芸術作品を収集してきたものです。
近年はチケットの争奪戦が激しく、予約しないで行くと当日券の長蛇の列に並ぶことになり、滞在中の貴重な時間を無駄にすることになってしまいます。予約は必須と考え準備しておくようにしましょう。
ホームページ上で必要事項を記入し、クレジットカードで料金を支払うことができます(入館料のほかに、€5が人数分かかるので注意)。
60日前から受付、1~10人まで同時に申し込み可能。言語は英語とイタリア語のみとなっています。
予約確認書(バウチャー)がメールで送られてきます。見学当日は、プリントした予約確認書か、電子QRコードを忘れないように持参しましょう。
当日は一般の列ではなく予約者専用の列に並び、チケット窓口で予約確認書もしくは、QRコードを提示。チケットを受け取って入場することができます。
予約していない場合、開館直後か14時過ぎ頃、時季は冬のオフシーズンが狙い目!
反対に、休館日の前日と翌日、午前中が入場無料の毎月最終日曜は終日混雑しています。夏季休暇にあたる8月15日前後も人が多いので避けるのが無難です。
地上階と上階に分かれ、チケット売り場やクローク、セキュリティチェックなどは地上階より一段低いところにあります。そこから地上階までエスカレーターを上り、見学ルートへ。オーディオガイドが借りられるのも地上階です。
ルートマップは無料配布しています。公式ガイドブック(有料、日本語)は売店で購入することができます。
オーディオガイド(ネット予約、有料、日本語)は上の階に上った貸し出しカウンターで借り、出口で返却。オペラグラスもあると便利です。
エアコンの無いところが多く、夏場はたいへん暑くなることがあるので、飲料水は多めに準備しましょう。
広大な敷地に数多くの展示が集まっているのがバチカン美術館。すべてをじっくり見て回るには丸1日あっても足りないくらいのボリュームです。
見どころを抑えて効率よく鑑賞しましょう!
ピウス11世が設立した絵画館で、12〜19世紀の絵画やタペストリーが時代順に展示されています。
展示室は全部で18室。フラ・アンジェリコの作品は3室(C)、ラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画は8〜9室(H・I)に展示。なかでもラファエロの『キリストの変容』は必見です。
お役立ちメモ
オーディオガイドの貸し出しカウンターの先は道が二手に分かれています。
別館のピナコテカ(絵画館)の見学を予定している場合は、先に見学するほうが順路としてはわかりやすくおすすめです。
ラファエロ最後の作品。聖書のエピソードを題材にしたものです。
絵の下部で悪魔に取り憑かれた少年にイエスが奇跡を起こす場面を描いた2部構成になっています。
レオナルドの未完作品のひとつといわれており、荒野で修行をしている聖ヒエロニムスが石を打ち付けて改悛している場面が描かれています。修復された跡がよくわかる作品です。
バチカンが所蔵する古代ギリシャ・ローマ時代の作品のうち、最も重要なものが収容されています。いきいきとした肉体表現の彫刻や、床のモザイク画も素晴らしい!
お役立ちメモ
美術館で案内されている順路は1〜12の部屋番号を12から(左図のAから)順にまわることになっているので、注意が必要です。
1506年にコロッセオ近くで発見。ギリシャ神話のトロイアの神官であるラオコーンと、その息子2人がウミヘビに巻きつかれた場面を描写した作品です。
15世紀にイタリアで再発見されました。前340年頃のレオカレスの作品を模して制作されたといわれています。
※2023年8月現在 修復中
ハドリアヌス帝の時代に作られたフィレンツェのアルノ川の神の像で、ギリシャ彫刻に見られる典型的なポーズをしています。噴水の一部として中庭に飾られていました。
1508年に制作開始。ラファエロが37歳で亡くなったのち、弟子たちが1524年に完成させました。4部屋から構成され、合計16枚の壁画があり、制作順は館内地図CBDAの順となっています。
お役立ちメモ
ラファエロは「アテネの学堂」に、その時代に活躍した画家や作家などを登場させています。ラファエロ自身やラファエロの恋人であった女性、マルゲリータも描かれているといわれているので探してみましょう。
ラファエロの最高傑作といわれる壁画です。
登場人物は古代ギリシャの賢人たちで、肖像はラファエロの時代の画家たちがモデル。モデルが誰かは諸説あり、まだ全容は解明されていません。以下はその一例です。
①アリストテレス
②プラトン(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
③エピキュロス
④ピタゴラス
⑤ヘラクレイトス(ミケランジェロ)
⑥ユークリッド(ブラマンテ)
⑦(ソドマ)
⑧(ラファエロ)
壁画のテーマは神学。地上の大司教たちが天上のイエス・キリストをあがめ、そのまわりを聖人たちが囲み、三位一体を表す場面が描かれています。
建築を命じたシクスト4世にちなんで命名された礼拝堂。ここに描かれたミケランジェロの『最後の審判』は、礼拝堂内はもとより世界でも最も有名な絵画のひとつです。
お役立ちメモ
システィーナ礼拝堂は、サン・ピエトロ大聖堂に隣接する礼拝堂で、教皇を選出するための選挙「コンクラーベ」はここで行なわれます。
大天井画や壁画など芸術的に価値の高い装飾でも有名。神聖な聖堂内では撮影や私語が禁止されていて、警備員も配置されています。静かに鑑賞をしましょう。
教皇ユリウス2世に命じられてミケランジェロが描いた、ルネサンスを代表する芸術作品。
旧約聖書を題材にたったひとりで1508年からわずか4年間で描き上げられました。中央の核となる部分には創世記をテーマにし、そのまわりに巫女や預言者を配置されいています。
お役立ちメモ
高いところに描かれている天井画など、つぶさに眺めたい場合は、室内用の双眼鏡などを用意しておくと便利です。
蛇にそそのかされて知恵の実を食べてしまい、楽園から追い出されるアダムとイヴが描かれています。
創造主がアダムに生命を吹き込む瞬間を描いた天地創造の物語の一節。
堂内側面の壁画はボッティチェッリやベルジーノなど当時の名だたる画家たちが手がけました。
『最後の審判』を正面に、左側にモーゼ伝、右側にキリスト伝が描かれています。
黙示録による「最後の審判」を描いたミケランジェロ晩年の大作。
祭壇側の壁一面に400人近い人々が描かれ、向かって左側に天国へ昇る者、右側には地獄へ落とされる者が描写されています。
近年は混雑が激しく、早足コースでも3時間は見ておくのがおすすめです。
あらかじめ観たい作品やエリアを決めて自分なりのプランを立てておくようにしましょう。
ここでは、モデルコース3選をご紹介します。見学時間や見たい作品を選定したうえで、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①早足コース(3時間❶❺❿⓬)
②定番コース(5時間❶❷❺❼❽❿⓫⓬)
③1日どっぷりコース(❶〜⓮)
12〜19世紀の絵画やタペストリーを時代順に展示。西洋美術の歴史の流れを目で確認することができます。
歴代教皇がエジプトから集めた美術品を9室にわたって展示しています。
長い廊下に皇帝たちの胸像をはじめ何百もの大理石の像が並んでいます。最奥の石碑ギャラリーは事前予約が必要です。
ブロンズ製の松ぼっくり(ピーニャ)が目印の中庭。1〜2世紀に噴水として造られました。
バチカン美術館のなかで、もっとも優れた古代彫刻の展示を見ることができます。
豪華な装飾の回廊の両脇に古代ローマ時代の美術品が並んでいます。天井画も美しく必見です。
ラファエロと弟子たちの下絵によるタペストリーがあります。
グレゴリウス13世が天文学者に描かせた下絵をもとにした、1580年代の地図のフレスコ画が並びます。
12〜19世紀の絵画やタペストリーを時代順に展示。西洋美術の歴史の流れを目で確認することができます。
ユリウス2世の依頼により、ラファエロとその弟子が教皇の居室4部屋分の壁画を描きました。
パウロ6世の呼びかけにより収集された20世紀のキリスト教美術作品を展示しています。
ミケランジェロの『最後の審判』があるヴァチカン美術館のハイライト。天井画も必見。ここのみ撮影は禁止されているので気をつけましょう。
図書館の入場は許可制。いくつかの展示室に入ることが可能です。現在、扉があって内部を見ることはできません。
初期キリスト教美術が中心。ラテラーノ宮殿にあった彫像、モザイクを展示しています。
ボリューム満点のバチカン美術館の見どころやお役立ちアドバイス、見学モデルコースをご紹介しました。まずは、絶対に作品をピックアップのうえ、予約状況などを合わせて当日までにコース決めをしておくことがおすすめです。
せっかく訪れるバチカン美術館を満喫するためにも、事前の準備を忘れないようにしてくださいね!
【筆者】まっぷるトラベルガイド編集部
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