更新日: 2024年7月22日
小野小町の恋と実像~権力争いの渦のなかで消された平安時代の絶世の美女
美しい女性というものは、世間から羨望を集め、不幸な生涯を送りがちのようです。
今や美女の代名詞として名高い「小野小町」は、そのもっともたる例ではないでしょうか。
歌人としても評価が高い「小野小町」の知られざる実像を、残された歌や歴史背景、明治以降の研究書物から紐解いていきます。
目次
小野小町は「ひどい女」という伝説は実像とは異なる?
平安時代の絶世の美女・小野小町は、千年もの間、世間から「ひどい女」と言われ続けています。
明治の終わりになって、作家であり新聞記者の黒岩涙香(くろいわるいこう)がようやく小野小町の名誉回復の小説を新聞に連載して、世間の見る目も変わったかと思いましたが、学者の先生方はあまり認めようとはしませんでした。それでも、近年では万葉学者の中西進氏が黒岩涙香の著書『小野小町』を「なかなか示唆に富む本」として、評価の弁を述べるまでに至っています。
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【筆者】能勢初枝
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1935年、岡山市に生まれる。岡山県立操山高校・奈良女子大学国文科卒業。結婚後、東京に約20年、途中札幌に3年間、さらに千葉県市川市に2年居住。夫の転勤で大阪府高槻市に移り約30年、夫の定年後岡山市に3年、その後兵庫県神戸市に移り、現在は大阪市内に在住。
【著書】
・『ある遺書「北摂能勢に残るもうひとつの平家物語』2001年発行(B6版218ページ)
・『右近再考高山右近を知っていますか』2004年発行(A5版277ページ)
・カラー冊子『歴史回廊歩いて知る高槻』(共著)2007年発行(A4変型版&ページ)