更新日: 2023年11月24日
蒲田駅前にあった映画の街 【東京都大田区】
こちらは1968年昭文社発行の大田区地図です。ご覧の範囲は、ターミナル駅である蒲田駅と京浜蒲田駅(現在は京急蒲田駅)とに挟まれたエリア。当時も今も変わらず、大田区を代表する繁華街です。
その中に「高砂香料工業」という文字があります。ターミナル駅のほぼ駅前という好立地にある大きな工場・・・少々気になったので早速調べてみました。
高砂香料工業は日本有数の香料メーカー
高砂香料工業は、その名の通り、香料やその関連製品を製造する会社です。この地で1920年に操業を開始し、100年以上の歴史をもつ世界的香料メーカーです。2021年の香料業界・国内売上高ランキングでは、首位となっています。高砂香料工業の製品は、私たちの身近なものに使われています。その例を挙げてみると、香水、化粧品、洗剤、医薬品、歯磨き粉、たれ、ドレッシング、コーヒー、ラーメン、アイスクリーム・・・等々多岐にわたり、一日の生活で接しないことが無い品々、と言ってもよいでしょう。
創業者は化学者・甲斐荘 楠香(かいのしょう ただか)。その名に「香」という字が入っているのも、何かの縁を感じます。また、社外取締役として、近年ノーベル化学賞を受賞した野依良治氏が名を連ねています。
では、この工場が建つ前、ここには何があったのでしょうか。もう少しさかのぼってみましょう。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】オフィス プラネイロ
SNS
現住所は地図雑学系ライター、本籍は地図実踏調査員。昭文社地図の現地調査歴15年以上の、自称「地理のプロフェッショナル」チームです。これまで調査・取材で訪問した市区町村は、およそ500以上。昭文社刊『ツーリングマップル』『全国鉄道地図帳』等の編集に参加しています。休日は、国内外の廃線、廃鉱など「廃」なものを訪ねる「廃活」、離島をめぐる「島活」中。好きな廃鉱は旧羽幌炭鉱、好きな島はサンブラス諸島(カリブ海)と大久野島。特技は「店で売ってる野菜の産地名⇒県名を当てること」。