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渋谷にトロリーバスがあった時代

少年B:
渋谷駅の周りには謎の路線?みたいなものがたくさんありますね。

▲気になる路線を発見。正体は都電(実線)とトロリーバス(破線)だった(クリックで拡大)

今和泉:
それは都電とトロリーバス(※)ですね。

少年B:
トロリーバス!? 日本では立山黒部アルペンルートでしか走っていないはずでは……!

※ガソリンではなく電気を動力源としてモータで走るバスのこと。路面電車と同じように路上に張られた架線から集電して走行するため架線のない道路は走れない。

今和泉:
現在はそうですが、戦後は大都市にトロリーバスが走っていたんですよ。東京のトロリーバスは案外知られていない気がします。渋谷を走ってたのは、私も初めて知りました。

▲凡例にはしっかり「都電」と「トロリーバス」の文字が

今和泉:
戦後、ガソリン不足だったのでバスが増発できなかったんですよね。かといって、都電を拡張するのもお金がかかって大変です。なので、1950年代半ばに東京ではトロリーバスが爆誕したようで。

少年B:
ガソリン不足でバスが増発できないなんてことあるんだ……!

今和泉:
今からは想像もできないですが、そんな時代があったんですよね。

少年B:
当時のルートはどのようになっていたんですか?

今和泉:
「102」という系統が池袋から新宿、道玄坂を通って中目黒を通り、品川までを南北方向に結んでいたようです。現在は北半分が「池86」系統として残っていますね。

▲現在のバス路線。細いオレンジと水色で描かれている「池86」系統は渋谷駅で折り返す(出典:東京都交通局)

少年B:
ちょっと違うけど、おおむね現在の副都心線のようなルートだったわけですね。

今和泉:
そうですね。路面電車からバス、地下鉄へと交通手段は変わっても、求められるルートはそこまで変わりません。

渋谷にも都電が走っていた

少年B:
一方の都電はどこを走っていたんですか?

今和泉:
渋谷を通る系統は4つあって、新橋、浜町中ノ橋(日本橋浜町)、須田町(秋葉原)、金杉橋(浜松町)まで走っていたようです。

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【筆者】少年B

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1985年生まれのフリーライター。地図自体に造詣が深いわけではないが、地図を見ながら「こことここの間に道路ができたら便利だなぁ」などと妄想を膨らませるのが趣味のひとつ。(Twitter:@raira21

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