更新日： 2023年11月24日
「六本木ヒルズ」「東京ミッドタウン」ができる前は何があったのか？【東京都港区 六本木】
古い地図には様々な情報が描かれています。昔そこに何があったのか、どんな街や風景だったのか…昔を知ることは、今を知ること、未来を考えることにもつながります。
ちょっと昔の地図に、ちょっと想像を巡らせて、昭和・平成時代に思いを馳せてみませんか？
こちらは1969（昭和44）年昭文社発行の港区地図です。
港区・六本木（ろっぽんぎ）地区は、麻布、青山といった高級住宅地に隣接し、外国人の姿も目立つ国際色豊かな街です。「六本木ヒルズ」「東京ミッドタウン」という巨大な複合商業施設が建ち並び、上質で洗練されたイメージで語られることが多くなりました。
そんなエリアですが、かつては別の顔をもっていました。そして、この半世紀で大きく変容した地域でもあります。
『ちょっと昔の地図さんぽ』、さっそく古地図を携えて、その歴史を少したどってみましょう。
半世紀前の六本木ヒルズ NETテレビ放送所とは？
こちらが、冒頭の地図から、現在「六本木ヒルズ」となっているエリアを拡大したものです。地図の中央部、ちょうど町名「六本木六丁目」文字の辺り。それが現在のヒルズの場所です。
「NETテレビ放送所」というのは、当時の「日本教育テレビ」。現在のテレビ朝日の前身です。開局は1959年、当時の町名は麻布材木町でした。その後テレビ放送に関係する、芸能人、芸術家、若者たちが次第に集まるようになり、日本有数の繁華街へと発展していったといいます。
しかし、当時の地図を改めて見ると、他に目立った施設はありません。周囲にはいくつかの学校が見える程度です。テレビ局の南側は、道路の道幅も狭く、児童遊園があるところを見ると、案外静かな住宅地だったのかもしれません。
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【筆者】オフィス プラネイロ
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現住所は地図雑学系ライター、本籍は地図実踏調査員。昭文社地図の現地調査歴15年以上の、自称「地理のプロフェッショナル」チームです。これまで調査・取材で訪問した市区町村は、およそ500以上。昭文社刊『ツーリングマップル』『全国鉄道地図帳』等の編集に参加しています。休日は、国内外の廃線、廃鉱など「廃」なものを訪ねる「廃活」、離島をめぐる「島活」中。好きな廃鉱は旧羽幌炭鉱、好きな島はサンブラス諸島（カリブ海）と大久野島。特技は「店で売ってる野菜の産地名⇒県名を当てること」。