三好長慶の戦略地図~畿内の当主を四国の兄弟が二元体制で支える
長慶は京を押さえながら、京には入らず摂津芥川城を本拠に、山城、摂津、丹波(たんば)、和泉(いずみ)、淡路(あわじ)、阿波、讃岐、河内、大和、そして播磨と伊予の一部を支配しました。
また、四国や淡路には、三好実休(じっきゅう)、安宅冬康(あたぎふゆやす)、十河一存(そごうかずまさ)といった3人の弟たちを配して水陸両軍の軍事力を背景に、四国と畿内で二元政治を展開。バックアップ体制を整えていました。
しかし、嫡男・義興(よしおき)が若くして亡くなると、台頭著しい家臣の松永久秀(まつながひさひで)にとって代わられてしまうのでした。
戦国の豆知識:三好長慶の戦略地図
三好長慶の堺商人との結びつきも特筆すべき戦略です。長慶は貿易によって財政基盤を安定させ、潤沢に軍需品を補充することに成功しています。
『地図でスッと頭に入る戦国時代』好評発売中!
『地図でスッと頭に入る戦国時代』本書の特長
◎イラストや写真を使ったわかりやすい地図と図解で、下克上を繰り広げた複雑な戦国史が一目瞭然!
◎武将たちの戦略と合戦の布陣をビジュアル化!戦国時代を舞台にした小説・映画・ドラマがより一層楽しめる
◎群雄割拠した武将それぞれの戦いをトーナメント表にした巻頭特別折込付録
『地図でスッと頭に入る戦国時代』見どころ
【〝北条早雲〟の伊豆制圧―1493年】
地図:北条早雲の台頭を許した関東の情勢(北条早雲の関東進出の戦略がわかる)
【鉄砲伝来―1543年】
地図:火縄銃の波及(種子島に伝来した新兵器が多方面に広まっていく様がわかる)
【三好政権―1549年】
地図:三好政権の支配地(信長以前の畿内を支配した政権のしくみと失敗の構造がわかる)
【キリスト教伝来―1549年】
地図:イエズス会の布教体制(教区)(カトリックの布教体制とキリシタン大名の関係がわかる)
【桶狭間の戦い―1560年】
地図:合戦後の東海情勢(義元没後に起こった今川家崩壊の過程がわかる)
【第4回川中島の戦い―1561年】
地図:疑問だらけの大会戦(川中島の戦いに関する通説のウソがわかる)
【堺の降伏―1569年】
地図:堺の硝石と金(信長が畿内進出後真っ先に堺を押さえた理由がわかる)
【長篠の戦い―1575年】
地図:長篠の戦い戦況図(武田軍を鉄砲の前へ誘き寄せた信長の高度な戦術がわかる)
【大坂の夏の陣―1615年】
地図:徳川軍の進軍経路と大坂の陣(なぜ大坂城の南側が戦場となったのか?がわかる)
『地図でスッと頭に入る戦国時代』監修者
小和田哲男(おわだてつお)
1944年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。現在、
静岡大学名誉教授。(公益財団法人)日本城郭協会理事長。専門は日本中世史。著書に
『家訓で読む戦国 組織論から人生哲学まで』(NHK 出版)、『戦国武将の生き方死に
ざま』(新人物往来社)、『明智光秀・秀満:ときハ今あめが下しる五月哉』(ミネルヴァ書房)
など多数。
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