室町幕府と足利将軍の関連人物
足利将軍の関連人物:足利直義(あしかがただよし)(1306~52)
足利尊氏の同母弟で、鎌倉幕府討伐、建武政府樹立に貢献しました。室町幕府創設後も兄と二頭政治を展開しますが、高師直が台頭すると尊氏と対立。最後は尊氏に毒殺されたとも伝えられています。
足利将軍の関連人物:北畠親房(きたばたけちかふさ)(1293~1354)
後醍醐天皇の信頼が厚かった、南朝方の政治・軍事の中心人物です。建武政府に仕え、子の顕家とともに奥州や東国を転戦しました。南朝の正統性を主張した『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』の著者としても知られています。
足利将軍の関連人物:足利持氏(あしかがもちうじ)(1398~1439)
4代鎌倉公方。上杉禅秀の乱平定後、勢力を拡大して幕府と対立を深めます。5代将軍足利義量の亡き後、次期将軍の座を望んだとされ、義教が後継者になったため幕府との対立が深刻化。永享の乱へと至りました。
足利将軍の関連人物:赤松満祐(あかまつみつすけ)(1373~1441)
播磨(はりま)出身の武士で、播磨・備前(びぜん)・美作(みまさか)の守護をつとめていました。赤松氏は南北朝時代の則村(のりむら)の頃に台頭し、幕府の要職を担うなど存在感を放っていましたが、嘉吉の乱で満祐が死に追いやられたことで勢いを失いました。
足利将軍の関連人物:山名持豊(宗全)(やまなもちとよ:そうぜん)(1404~73)
3代将軍足利義満によって但馬、備後、因幡の3カ国まで減らされた山名氏の所領を、足利4代将軍足利義教を暗殺した赤松満祐を討ったことで、播磨などを含む9カ国まで回復させた実力者。応仁・文明の乱では西軍の総大将として細川勝元率いる東軍と争い、戦乱のなかで病死しました。「宗全」は出家後の法名です。
足利将軍の関連人物:畠山義就(はたけやまよしひろ)(?~1490)
応仁・文明の乱で西軍きっての戦上手(いくさじょうず)とされた武将。大乱の主因となった従兄弟政長との家督争いを長年にわたり繰り広げる一方、河内と大和を支配して独立国状態にしました。そこから戦国大名の先駆けともいわれます。
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2022年のNHK大河ドラマは『鎌倉殿の13人』。日本の中世は『平家物語』『太平記』などの記述を頼りにしてきましたが、不鮮明な部分が多くありました。近年、文献の研究が進み、軍記物が伝えてきたのとは異なる実像が浮かび上がり、いまもっとも注目される時代です。
鎌倉・室町時代を地図でたどるとともに、明らかになった新事実をクローズアップ。従来の鎌倉・室町観との違いを示しながら新たな視点で中世史を紹介。おなじみのわかりやすい解説と豊富な図解で読み解きます。
見どころ―目次から抜粋:鎌倉時代
■源氏の挙兵/宿命のライバル、平氏と源氏が全国各地で戦を繰り広げる
■一ノ谷の戦い/平氏の野望を打ち砕く 源義経の奇襲「鵯越の逆落とし」
■壇ノ浦の戦い/日本史上初の本格的海戦が勃発 戦局を左右したのは潮の流れ!
■奥州合戦/源平合戦で大活躍した源義経を兄の頼朝が排斥した理由とは?
■鎌倉幕府成立/全国に守護が設置され、頼朝の征夷大将軍任命で幕府が成立!
[中世史の最前線]あの肖像画は将軍ではない?源頼朝の本当の顔
■幕府の統治機構/封建制のはじまりとなった鎌倉幕府の統治システム
■13人の合議制/カリスマ源頼朝の死後、幕政の主導権を握った13人とは?
■比企能員の乱/「13人」のメンバーの北条時政が粛清の嵐で源氏将軍の独裁を阻む
■和田合戦/鎌倉で大規模な市街戦が勃発!北条義時と古参の御家人の戦い
■将軍断絶/3代で途絶えた源氏将軍の系譜 ますます勢いを増す北条氏の権勢
■後鳥羽上皇の企み/目指すは公武合体による親政 後鳥羽上皇がついに動き出す!
[中世史の最前線]言葉のイメージはよくないが、院政は悪いシステムではなかった?
■承久の乱/公武の力関係を大きく変える中世最大級の大乱が起こる!乱の結果、幕府が勢力を拡大し、公武二元体制を終わらせた
■執権政治/武家政権を安定させたのは稀代の名執権・北条泰時!
■文永の役/日本侵略の危機!そのとき幕府はどう動いた?
■弘安の役/モンゴル軍が再び襲来するも、またもや暴風雨によって失敗!
[中世史の最前線]元寇で「神風」は吹いたのか、吹かなかったのか?
■鎌倉新仏教/上流階級から庶民のものへ……次々に誕生した新しい仏教宗派
[中世史の最前線]鎌倉新仏教と旧仏教はどんな関係だった?
■得宗専制政治の確立/将軍にならず得宗として権力を掌握した北条氏一族
■両統迭立/皇位継承が不安定に……皇統が持明院統・大覚寺統に分裂!
■正中の変・元弘の変/幕府に戦いを挑み、2度も失敗……それでも信念を貫いた後醍醐天皇
■鎌倉幕府の滅亡/幕府方の足利高氏が謀反!新田義貞も活躍し幕府が滅びる
見どころ―目次から抜粋:室町時代
■建武の新政/武家軽視の方針が仇に……挫折した後醍醐天皇の夢
■中先代の乱/ついに後醍醐天皇と決別!政府打倒を目指す尊氏
[中世史の最前線]黒い馬にまたがる騎馬武者は足利尊氏ではない?
■南北朝の分立/朝廷が分裂して天皇も2人に!北朝と南朝の攻防がはじまる
■観応の擾乱/尊氏と直義の骨肉の争い!史上最大の兄弟喧嘩の顛末は?
■将軍権威の確立/武家と公家両方の頂点に立ち、幕府を全盛期に導いた足利義満!
■幕府統治機構の確立/鎌倉幕府を踏襲した統治機構が義満の時代にようやく確立する
■南北朝合一/南北に分裂していた朝廷が約60年のときを経てひとつに!
■日明貿易/優先すべきは名より実 巨大ビジネスをものにした義満
[中世史の最前線]足利義満は本当に天皇の地位を奪おうとしていたのか
著者紹介
山田 邦明(やまだ・くにあき)
1957年、新潟県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学史料編纂所教授などを経て、現在愛知大学文学部教授。日本中世史を専門とする。主な著書に『鎌倉府と関東』(校倉書房)、『日本の歴史8 戦国の活力』(小学館)、『日本中世の歴史5 室町の平和』『戦国のコミュニケーション』『人物叢書 上杉謙信』(以上、吉川弘文館)、『日本史のなかの戦国時代』(山川出版社)、『鎌倉府と地域社会』(同成社)などがある。
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