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月山富田城の戦い~元就は堅固な山城を いかにして落としたのか?

その後、永禄8年(1565)には、毛利軍は2万5000の大軍を動員して三方から月山富田城に攻め寄せます。しかし、この城はかつて大内義隆の大軍でも落とせなかった難攻不落の要害でありました。

通常の力攻めで陥落させることが難しいと判断した元就は、攻略を急がずに兵糧攻めに切り替えます。元就は、尼子氏の支城を次々と攻略すると、月山富田城への物資輸送の拠点である白鹿城も落とし、宍道湖を介した補給線を断ちました。さらに中海なら十神山城(とかみやまじょう)を経て月山冨田城へ至る補給線も遮断し、城を孤立させます。

そのうえで月山富田城内の尼子の重臣たちに調略を仕掛けていきました。

補給路を断たれた尼子義久は、1年6か月にわたる籠城の末、永禄9年(1566)に降伏し、城を明け渡しました。こうして尼子氏は、実質的に滅亡し、毛利氏は中国をほぼ平定しました。

戦国の豆知識:月山富田城の戦い

元就の嫡男・隆元は永禄6年(1563)8月、尼子攻めに向かう途中、備後の和智誠春の饗応を受けた直後、急死。月山富田城の戦いで、元就の後継者となる輝元が初陣を飾っています。

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『地図でスッと頭に入る戦国時代』見どころ

【〝北条早雲〟の伊豆制圧―1493年】
地図:北条早雲の台頭を許した関東の情勢(北条早雲の関東進出の戦略がわかる)
【鉄砲伝来―1543年】
地図:火縄銃の波及(種子島に伝来した新兵器が多方面に広まっていく様がわかる)
【三好政権―1549年】
地図:三好政権の支配地(信長以前の畿内を支配した政権のしくみと失敗の構造がわかる)
【キリスト教伝来―1549年】
地図:イエズス会の布教体制(教区)(カトリックの布教体制とキリシタン大名の関係がわかる)
【桶狭間の戦い―1560年】
地図:合戦後の東海情勢(義元没後に起こった今川家崩壊の過程がわかる)
【第4回川中島の戦い―1561年】
地図:疑問だらけの大会戦(川中島の戦いに関する通説のウソがわかる)
【堺の降伏―1569年】
地図:堺の硝石と金(信長が畿内進出後真っ先に堺を押さえた理由がわかる)
【長篠の戦い―1575年】
地図:長篠の戦い戦況図(武田軍を鉄砲の前へ誘き寄せた信長の高度な戦術がわかる)
【大坂の夏の陣―1615年】
地図:徳川軍の進軍経路と大坂の陣(なぜ大坂城の南側が戦場となったのか?がわかる)

『地図でスッと頭に入る戦国時代』監修者

小和田哲男(おわだてつお)
1944年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。現在、
静岡大学名誉教授。(公益財団法人)日本城郭協会理事長。専門は日本中世史。著書に
『家訓で読む戦国 組織論から人生哲学まで』(NHK 出版)、『戦国武将の生き方死に
ざま』(新人物往来社)、『明智光秀・秀満:ときハ今あめが下しる五月哉』(ミネルヴァ書房)
など多数。

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