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姫路市のまちづくり:姫路城と景観の調和を考慮した道路づくり
大手前通りは戦災復興事業として計画され、1955年に完成しました。姫路市はこのときから通りの無電柱化を実施し、城と景観の調和を考慮した道路づくりに着手していたのです。
姫路市のまちづくり①:道路幅の確保と建築物の上限規制
1983年度~1987年度には、市の整備事業として大手前通りの道路幅を50mとし、さらに大手前通りに面した土地に建設する建築物の上限を約35mとする規制をもうけました。タワービルの建設により世界遺産の景観が損なわれることがないよう、事前に手を打ったわけです。
姫路市のまちづくり②:トランジットモール化
2015年4月から大手前通りでは、公共交通機関だけが優先的に通行できる「トランジットモール化」が導入されました。その狙いは城に続く道路の渋滞の緩和です。これにより駅の北口側は、一般車両の出入りができなくなり、駅を出た歩行者は姫路城に到着するまで渋滞の光景を見ることはなくなりました。
姫路市のまちづくり③:歩道の拡張
トランジットモール化と同時に、車道の削減(幅50mの車道を2車線に縮小)と歩道の拡幅工事(合計約18mから約34mへ)も実施され、姫路城まで続く道路の半分が歩行者専用となりました。通りには姫路城の土塁のほか、観光案内所やヨーロッパ風のオープンカフェなどがあるため、ゆったりと散策できるよう工夫がほどこされています。
姫路市のまちづくりは大手前通りから離れた地帯にも広がる
2019年1月、姫路市は大手前通りから15~25m離れた地帯の建築物の上限を約35mとする高さ規制を決めました。2019年度以降の「高度地区」指定を目指しています。高度地区とは、都市計画法で規定される「環境維持のため建築物の高さを制限する」地区のことです。
これまでは、大手前通りから奥に入った場所で高さ制限を上回る建物が建てられても罰則がなかったことに対応したのです。さらに、姫路市は大手前通りから25m以上離れた地帯でも、高さを姫路城の大天守石垣(約50m)までとするよう規制しています。
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