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「神戸線」といえば①…阪神高速3号神戸線

名神高速道路の工事と並行し、1962年に阪神高速道路公団が発足します。大阪市内の環状線とその周辺路線に続いて、大阪市と神戸市を結ぶ高速3号神戸線の工事が着手されました。そのルートは、大阪市西区の阿波座ジャンクションを起点とし、神戸市須磨区の月見山で第二神明道路に接続しています。

大阪と神戸をつなぐメインの道路は、なんと言っても阪神高速3号線だ。

阪神高速神戸線の開通~復旧工事

公団は、まず神戸市兵庫区の柳原から中央区の京橋までを開通させました。この区間を含め、灘区の摩耶から須磨区の若宮までは国道2号と並走しています。

1970年には摩耶から西宮に至る区間が開通、西宮インターチェンジで名神高速道路に接続します。1981年、阿波座までの全線が開通しました。

1995年に起こった兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で神戸市内の高架線が倒壊するなど多大な被害を受けましたが、早くも翌年には全面復旧して橋脚も強化されました。ですが、初期に開通した部分はすでに半世紀以上が経ち路面やコンクリートの劣化が進んでおり、2019年には湊川から京橋までの区間で大規模な改修工事が行なわれました。

阪神高速神戸線は渋滞ランキングの上位常連

阪神高速3号神戸線の特徴といえば、渋滞の多さです。国土交通省による「渋滞ランキング」の都市高速道路の部門では、西宮から第二神明接続部までの区間が上位の常連。ゴールデンウィークやお盆には、全長30kmもの大渋滞が発生することもあります。

阪神間は帰省客などが非常に多く通行するのに、南北の幅が狭い地形でほかに主要な道路がないためです。同じく一般道の国道2号、国道43号も交通量が多い。阪神高速31号神戸山手線から7号北神戸線へ抜けるなどの迂回路もありますが、高速と一般道のどのルートを使うかは、混雑状況やドライバーの判断しだいといえるでしょう。

「神戸線」といえば②…JR神戸線

JRでは、東海道本線の大阪~神戸間と、山陽本線の神戸~姫路間を通称「神戸線」としています。1874年に官設鉄道の大阪~神戸間が敷設されました。神戸より西は、1888年から民間の山陽鉄道(現在の山陽電鉄とは別の会社)が敷設し、1906年に国有化されました。

大阪から三ノ宮までは、JR神戸線の北を阪急電鉄、南を阪神電鉄が並走しています。まず、JRの強みは新快速です。神戸線は40の駅がありますが、新快速は大阪・尼崎・芦屋・三ノ宮・神戸・明石・西明石・加古川・姫路にのみ停車します。大阪~三ノ宮間は24分で、阪急電鉄・阪神電鉄より約10分も早いのです。

JR神戸線「三ノ宮駅」は「神戸三宮駅」に改名

三ノ宮駅の利用者数は1日平均24万人にのぼり、県内では最多、JR西日本でも屈指だ。阪急電鉄と阪神電鉄は駅名が「三宮」なのにJRは「三ノ宮」なのは、「さんみや」と誤読されるのを防ぐためでした。しかし、2013・14年にそれぞれ「神戸三宮」と改称されています。

JR神戸線に2016年に開業した「摩耶駅」

2016年に開業した摩耶駅は、かつて明治時代から貨物専用の駅として使われていました。ここから神戸港へ至る貨物専用の神戸臨港線が延びていましたが、2003年に廃止されました。新駅の誕生にともない、周辺は摩耶シティとして再開発が進められています。

JR神戸線通勤特急「らくラクはりま」

2019年3月には、大阪~姫路間で通勤特急「らくラクはりま」が運行を開始しました。運行は平日の朝と夕方のみで、チケットレス特急券を使えば割安で利用できます。

「神戸線」とは付かない阪神本線

阪神電鉄の阪神本線は、1905年に大阪の出入橋から神戸の岩屋までの区間が最初に開通し、1936年に大阪の梅田から神戸の元町までの全線が開通しました。阪神電鉄は、沿岸の下町エリアに路線を敷いています。駅の数は32と阪急神戸線の倍もあり、路線はカーブが多くあります。このためスピードはやや劣りますが、「待たずに乗れる」という発着本数の多さと、加速にすぐれたジェットカーでカバーしています。

なお、これは阪急電鉄にも共通しますが、レールの軌間は1435mmで、JRの1067mmより幅が広い。JRよりも車両のサイズが大きく、車内は少しゆったりしています。

「神戸線」といえば③…阪急神戸線

阪急電鉄の神戸線は、大正時代の1920年に、現在の十三(じゅうそう)(大阪市)から王子公園の区間が最初に開通しました。先に開業した阪神電鉄よりも速いことをアピールするため、社名を「阪急(阪神急行電鉄)」としました。三宮までの全路線が開通したのは1936年のことです。

阪急神戸線と阪神本線それぞれの特徴

沿岸部を走る阪神電鉄に対し、阪急電鉄は六甲山地に面する山側に路線を敷設し、沿線を高級住宅地として開発しました。阪急電鉄の大きな特徴は、直線の区間が多いためスピードを出しやすい点です。阪神本線の特急が最高で106km/hなのに対し、阪急電鉄の特急は115km/hで運行されます。

逆に阪急電鉄の難点といえるのは、朝夕のラッシュアワー以外の時間帯は運行本数がおおむね10分に1本で、JRや阪神電鉄に比較して本数が少ないことです。

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