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静岡県最古の古代人の生活

当時、日本列島は一部が大陸と地続きであり火山活動が活発でした。氷河期なので、山中には針葉樹林や草原が広がり、ゾウなどの大型動物やシカなどの中型動物が現在より多く生息していたと考えられます。

住居のような跡は確認されていませんが、長泉町の野台(のだい)遺跡向田(むかいだ)A遺跡、沼津市の休場(やすみば)遺跡などで石囲炉がいくつか確認されています。

石器で作った槍で獲物を追って仕留めるハンターのような人々が、山麓で生活していたのかもしれません。

静岡県最古の古代人独自の旧石器文化

また、長泉町の富士石遺跡や三島市の初音ケ原(はつねがはら)遺跡八田原(やつたはら)遺跡などでは、約3万年前の配列された土坑の存在が確認されています。

特に初音ケ原遺跡では、遺跡全体で総数71個の土坑が列状に丘陵地に分布しています。これらは、土坑と土坑の間に垣根のようなものを巡らし、シカ、イノシシなどの動物を穴に落として捕獲する、落とし穴としての役割があったと考えられます。

古代人は集団で、見晴らしの良い高原で狩猟をしながら、短期間の遊動生活をしていたのではないかと想像されます。

しかし、酸性が強い火山灰層の土壌のため、動物の骨や植物などの有機物はほとんど融けてしまい発見されず、具体的に何を食べていたかまでは判明していません。炉や土坑は、関東などでも確認されていますが、今のところこれほどまとまって確認されているのは静岡県のみであり、独自の旧石器文化を印象づけています。

愛鷹山麓の地層から発掘された細石器文化の遺跡

発掘された打製石器の槍の年代は、地層の上下関係から推測することができます。特に愛鷹山麓の地層は、火山灰が何層にも堆積して横縞模様になっているため、より地層の区別がしやすいのです。

地層の下部で発掘された槍と上部で発掘された槍を比べると、上層部の槍は薄くて細かいものが多いことがわかります。細石器(マイクロリス)は旧石器時代の終わり頃に出現し、薄くて細かく剥ぎ取られた石片が、木や骨の軸に埋め込まれて用いられていました。

ベースの軸が健在であれば、石片が破損したり欠けたりしても交換することで性能を保つことができるため、「替刃式」とも表現されています。おそらく古代人は細石器専用の替刃を効率よく生産する技術を持ち、それを幾度も槍先に装着し直しながら狩りを続けたのではないでしょうか。

これら大量の細石器や石囲炉が発見された休場遺跡は、以来、日本の細石器文化の代表的な遺跡として著名となりました。

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Part.1 地図で読み解く静岡の大地

・富士山が標高日本一、駿河湾が深海日本一になった理由
・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網

・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート

などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間

・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり

などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 静岡で育まれた産業や文化

・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説

…などなど静岡の発展の歩みをたどる。

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