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三保松原の地形の成り立ち

三保半島は、東北方向に伸びた砂嘴(さし)で、かつては「島」だったといいます。安倍川がもたらした土砂と、久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)のある有度山(うどやま)の南斜面の海食崖から削り取られた大量の砂礫が、東に流れて運ばれて三保島を形成したと言われています。安倍川の上流で見られる蛇紋岩(じゃもんがん)(通称ビロード石)が三保で見つかることからそれが有力な説となっています。

砂嘴(さし)とは?

半島や岬に続く砂の堆積によってできた、海に突き出た細長い堆積地形のこと。鳥のくちばし (嘴) のような形をしていることが多いことから名付けられました。

海岸線が屈曲していて、一方の海岸から砂が運ばれると、砂の堆積部分が海面上に現れます。砂嘴の先端の内側が小さく分岐したものを分岐砂嘴といい、三保半島はこちらにあたります。海岸のみならず、湖岸にも形成されることがあり、猪苗代湖の鬼沼、霞ヶ浦の和田岬などに見られます。

三保松原は江戸時代ごろに現在とほぼ同じ姿に

三保島がいつ陸地に接続したかは明確ではありませんが、戦国時代の1567(永禄10)年には、里村紹巴(さとむらじょうは)の紀行文『紹巴富士見道記』の中に、三保から半島の付け根にある駒越(こまごえ)まで徒歩で浜づたいに渡ったとの記載があります。つまり、この時期には島の西端の折戸(おりど)と、対岸の駒越との海峡であった「瀬折戸」が次第に埋まり、浅瀬が形成されていたものと考えられます。

その後、江戸時代には完全に陸地となり半島が形成されましたが、当時はまだ道の整備はされておらず、御穂(みほ)神社への参詣も対岸から船で渡っていたようです。

三保松原は江戸時代ごろに現在とほぼ同じ姿に

三保松原が世界文化遺産になるまで

江戸時代の三保松原は、御穂神社の領地として徳川家康をはじめとした歴代の将軍によって庇護(ひご)を受け、松並木の伐採は禁じられていましたが、明治になると松原の所有権が一般に払い下げられ、売却を目的とした松の伐採が多く行われました。

しかし、1898(明治31)年に保安林に指定されたのをきかけに保護運動が始まり、1922(大正11)年には、国から京都の天橋立(あまのはしだて)とともに日本初の名勝に指定され、観光地として一躍その名が全国に知れ渡りました。2013(平成25)年には世界文化遺産にも登録され、今日では世界中から観光客が訪れるようになっています。

三保松原

住所
静岡県静岡市清水区三保1338-45
交通
JR清水駅から静鉄ジャストライン三保方面行きバスで25分、三保松原入口下車、徒歩15分
料金
情報なし

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・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

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・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
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・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
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