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大崩海岸の成り立ちを物語る枕状溶岩
また、大崩海岸の崖では、直径50cm~1mの丸い形の岩石が積み重なったような模様を見ることができます。枕を重ねたような形状から、これを「枕状溶岩(まくらじょうようがん)」といいます。玄武岩のように粘性が低く流れやすい溶岩が海水と接して急に冷えると、表面積を小さくするように丸く縮み、このような形になります。
焼津市側の浜当目(はまとうめ)では、地下から上昇してきたマグマが枕と枕との間を通ったことがわかる岩脈も散見され、海底噴火の凄まじさや山塊の成り立ちを間近に観察することができます。
大崩海岸は崩落を繰り返す交通の難所
かつては交通の要衝として知られ、国道150号でもあった(2004年に県道に降格)大崩海岸は、波の激しい浸食が岩肌を削った海食崖です。切り立った急傾斜は足元を波にえぐられ、岩盤は気温の変化や風雨に晒されて劣化し、幾度となく崩落を繰り返してきました。落石や崖崩れが頻発し、そのたびに防災工事が行われましたが、1971(昭和46)年に岩塊が崩落して通行中の自動車が押し潰される事故が起きます。
これを機に静岡側の一部は崖下を避け、海上橋の迂回路が設けられましたが、その後も崩落は止まず、2013(平成25)年には台風によって完全に通行止めとなってしまいました(2017年に浜当目トンネルが開通し、現在は通行可能)。
大崩海岸と周辺の交通
2003(平成15)年に焼津バイパスが全通するとそちらが国道150号となり、翌年大崩海岸は県道416号に降格しました。
大崩海岸は自然の美しさと厳しさを併せ持った場所
独特の造形美から「日本の地質百選」や「駿河三大崩れ」に数えられる大崩海岸。天気が良い日は駿河湾越しに富士山や伊豆半島も見える景勝地ですが、時に牙を剝き大きな災害をもたらし、自然が持つ雄大さと厳しさを、私たちにまざまざと見せつけています。
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Part.1 地図で読み解く静岡の大地
・富士山が標高日本一、駿河湾が深海日本一になった理由
・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!
などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網
・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート
などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。
Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間
・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり
などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。
Part.4 静岡で育まれた産業や文化
・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説
…などなど静岡の発展の歩みをたどる。
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