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空海伝説は静岡県内のあらゆるところに

空海伝説は静岡県内のあらゆるところに

【静岡の空海伝説①】独鈷の湯(とっこのゆ)(伊豆市)

伊豆最古の温泉とされる修善寺温泉。その元となったのが空海の伝説です。

空海が807(大同2)年、修善寺を訪れた際、桂川で父親の体を洗う少年を見かけました。病を患っている父親を治そうとする少年の孝行心に空海は感心。「川の水は冷たいだろう」と、仏具(独鈷杵(とっこしょ))で川の中の岩を打ち砕いたところ、霊泉が噴き出しました。空海は少年に、温泉が病に効くことを教え、この湯によって、父の病気は癒えたといいます。ここから湯治療養が知られるようになりました。現在は法律上の理由から入浴はできません。

【静岡の空海伝説①】独鈷の湯(とっこのゆ)(伊豆市)

伊豆市の修善寺川の川中に姿を残す独鈷の湯。

独鈷の湯

住所
静岡県伊豆市修善寺
交通
伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から東海バスまたは伊豆箱根バス修善寺温泉行きで8分、終点下車、徒歩3分
料金
情報なし

【静岡の空海伝説②】奥の院と桂大師(伊豆市)

各地を行脚していた空海は791(延暦10)年、湯舟地区の奥にある桂谷山寺(奥の院)にたどり着きました。修行をしようとしたところ、天魔地妖が邪魔をするため、空に向かって大般若(だいはんにゃ)の経文を書きました。すると、文字が空中に浮き出して金色に輝き、天魔はことごとく去ったといいます。

この奥の院からさらに山中に入ると、空海が唐から持ち帰った桂の杖を刺して芽生えたと伝わる桂の木があります。静岡県指定の天然記念物に指定されており、大師の石仏は「桂大師」として祀られています。

【静岡の空海伝説③】宝蔵院(ほうぞういん)(伊豆市)

伊豆市にある宝蔵院は800(延暦19)年、空海の創建と伝えられます。境内の「いの字石」は、空海が山門前で発見し、法力によって「い」を刻んだと伝えられます。弘法大師の命石として無病息災にご利益があると信じられているほか、日本三筆の一人と名高い空海にあやかって、触れると書道学芸に通ずるともいわれます。

宝蔵院

住所
静岡県伊豆市下船原362
交通
伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から東海バス松崎行きで18分、宝蔵院下車すぐ
料金
大人100円、小人無料

【静岡の空海伝説④】三度栗(菊川市)

諸国巡礼をしていた空海が、三沢村(現在の菊川市三沢)を通りかかったとき、村の子どもたちが栗をおいしそうに食べるのを見かけました。「1つ分けてほしい」と頼んだところ、彼らは快く栗を差し出しました。空海は喜び「これから、この村に年に三度栗を実らせてやろう」と言い残して旅立って行きました。それ以来、三沢にある栗の木は年に3度実をつけると言われています。

【静岡の空海伝説⑤】弘法井戸(榛原郡荻間村/現牧之原市)

空海がこの地にたどり着いた際、水を所望しましたが断られました。しかし、親切なおばあさんが谷で水を汲んできて、空海に飲ませてくれました。喜んだ空海は「水が不便そうだから、井戸を作ってやろう」と掘らせたところ水が湧き、その後涸れることがありませんでした。人々は感謝して「弘法井戸」と呼びました。

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Part.1 地図で読み解く静岡の大地

・富士山が標高日本一、駿河湾が深海日本一になった理由
・南から来た、火山の贈り物、伊豆半島ジオパーク
・交通の難所「大崩海岸」は海底噴火によって作られた!
・「日本三大人工美林」数えられる天竜の杉林は川の氾濫に関係があった?
・磐田市にトンボの楽園があった!
・湖?川?海?浜名湖の正体を探れ!
・世界遺産「三保松原」は江戸時代に「島」から「半島」になった!

などなど静岡のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 静岡を駆け抜ける鉄道網

・静岡県の鉄道の歴史は沼津市内の貨物線から始まった
・かつては「東海道本線」だった由緒正しき(?)御殿場線
・JRと私鉄が一体となって形成する伊豆半島東海岸の鉄道ルート
・意外なエピソードを秘めた東海道本線・静岡鉄道の並行区間
・「政令指定都市・静岡」の市内も走る山岳鉄道、大井川鐵道井川線
・軍事上の要請が背景にある天竜浜名湖鉄道(旧国鉄二俣線)のルート

などなど静岡ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 静岡で動いた歴史の瞬間

・静岡最古の古代人は愛鷹山付近にいた!
・日本考古学の聖地・登呂遺跡
・日本書紀に見る静岡とヤマトタケルの伝説
・源頼朝も流された流刑地伊豆
・下田が開港の舞台になったのはなぜか
・江戸城よりも大きかった駿府城天守台
・日本にたった一つしかない形の城・田中城
・家康の遺体は日光ではなく久能山にある?
・徳川慶喜と渋沢栄一の意外なつながり

などなど、激動の静岡の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 静岡で育まれた産業や文化

・模型の首都!静岡が生まれたワケ
・バイクに楽器。浜松のものづくりは綿花の栽培から
・ボールは友達!サッカー王国しずおか
・富士山麓の湧水が育てた製紙業
・月ではなく富士山に帰ってしまう「かぐや姫」
・仏教界のスーパースター空海が静岡に残した伝説

…などなど静岡の発展の歩みをたどる。

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