更新日: 2024年12月6日
「兵庫県は日本の縮図」といわれる理由~地形、地質、気候でわかる全体像
多様な気候と風土から「日本の縮図」と称される兵庫県。この項目では、兵庫県を旧5国(摂津(せっつ)、播磨(はりま)、丹波(たんば)、但馬(たじま)、淡路(あわじ))に分け、地形や地質、気候など自然環境の面から日本の縮図らしさを紹介していきます。
「兵庫県は日本の縮図」を地形から探る
北の但馬地方は日本海に面し、南の播磨、摂津地方は瀬戸内海に接しています。さらに淡路地方は大きな島で、その南端は太平洋に面しています。広域県であるため、地形は山地、盆地、平野、沿岸、島嶼(とうしょ)など、じつにバラエティに富んでいます。日本の縮図と呼ばれる理由の1つは地形の多様性にあります。
兵庫県の地形:山地が多く平野が少ない森林県
中国山地の延長である播但(ばんたん)山地が県のやや北寄りを東西に貫いています。東部では丹波高地が京都府北部とつながっています。この播但山地と丹波高地の稜線が境界となり、兵庫県を日本海側と瀬戸内海側に大きく分けています。
鳥取との県境に氷ノ山(ひょうのせん)(標高1510m)など、標高1000mを超える山が連なっている以外に、高い山脈はありません。それでも、県域の約8割を播但山地、六甲山地、京都府にまたがる丹波高地など、山地や丘陵地が占めています。平野は播磨灘に接する播磨平野と、大阪平野の一部がある程度。つまり、兵庫県は山地が多く平野が少ない森林県なのです。
兵庫県の森林率は、群馬県や富山県と同じ67%。じつはこの割合は全国平均と一致しています。この点もまた日本の縮図と呼ばれる由縁です。
兵庫県の地形:日本側と瀬戸内側で対照的な海岸線をもつ
日本海側の但馬地方では、山地が直接海に接する沈降(ちんこう)海岸が多く、一部ではリアス海岸が発達しています。それらは、第三紀(6430万~260万年前)という比較的新しい地質時代に2度の火山活動があり、地殻変動が起こったことで土地が沈んでできた海岸です。
海岸地域の起伏は激しく、岬は鋭く海中へ突き出ています。これらは瀬戸内海側では見かけない景観です。但馬地方と播磨地方とでは、対照的な海岸線が形成されています。
兵庫県の地形はバラエティに富んでいて、まさに「日本の縮図」
バラエティに富んだ地形がもたらす自然の恩恵は多く、夏は日本海側と瀬戸内海側のどちらでも海水浴ができます。神鍋(かんなべ)高原(豊岡市)やハチ高原(養父(やぶ)市)、六甲山(神戸市)などでは1年中、アウトドアスポーツを楽しめます。
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