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東北本線旧線跡は明治時代の鉄道の面影が残る

東北本線旧線が廃止されてすでに1世紀の歳月が経ちますが、軌跡をたどると、今も往時の面影が残っています。東北本線旧線はほとんどが道路に転用されていますが、小川に架かる橋を覗き込むとレンガ造りの橋台が旧線を支えており、明治時代の香りを醸し出しています。

急曲線だけでなく一直線部分も多く、アップダウンのようすなどもよくわかります。そのハイライト区間は、豊原~白坂間です。この区間は道路が単線の線路分しかないこともあり、鉄道の面影が強烈に残っています。明治時代にタイムスリップした感覚に浸れる、とてもロマンチックな旧線跡です。

東北本線旧線の列車と沿線の人々のエピソード

当時、車両は英国製を中心とした輸入蒸気機関車が客車や貨車を牽引していました。列車にはブレーキをかける制動手も乗務し、蒸気機関車も編成の前後に複数台連結して急勾配に挑みました。急勾配をいく蒸気列車は「歩くような速度」で、勾配を上りきれず逆戻りしてしまう列車も多かったといいます。

列車を坂の下で子どもたちが待ち「汽車を押すのを手伝った」「汽車の煙の火の粉で家が火事になった」といったエピソードもあり、沿線の人々に語り継がれています。線路跡は道路になった今も「旧線」と呼ばれており、鉄路は長く愛されています。

東北本線旧線と新線が交差する黒川橋梁は東北本線撮影のハイライト!

豊原~白坂間には、新線の黒川橋梁が架けられています。大きな上路式トラス鉄橋で、東北本線の撮影名所として広く知られています。鉄橋は地上よりはるかに高い位置にあり、東北本線旧線との高低差がよくわかります。東北本線旧線は黒川橋梁をくぐって交差しており、黒川橋梁との対比は同区間のハイライトといっていいでしょう。

東北本線旧線はここより急曲線で勾配を上り、地形図などを見ると鉄道らしい弧を描いているのがわかります。新白河駅では東北本線旧線は駅の東側の市街地を通り、ここで面影を失ったまま白河に達します。

東北本線の黒田原~白河間の今と昔

東北本線の黒田原~白河間の今と昔

かつての東北本線(下り線)は、黒田原駅を出ると東進、弧を描くように北進し豊原駅、さらに谷を縫うようにいくつもの曲線を描いて黒川橋梁を渡り福島に通じていました。渡河したのちもカーブを描きながら白河駅へ至る線形でした。

その後、黒田原駅は約500m、白河駅は旧駅から約120m西へ移設。新線の黒田原~白坂間は相当に直線化したのがわかるでしょう。

東北本線は時代とともに発展してきた

新白河駅には東北新幹線も通り、明治時代の旧線に隔世の感を覚えますが、旧線、新線、新幹線の3線が、時代とともに重要な交通路として発展してきたことを改めて思い知らされます。

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Part.1:地図で読み解く福島の大地

・阿武隈山地や奥羽山脈が境目!浜通り・中通り・会津の3地域
・いわきで発掘された首長竜化石フタバスズキリュウとは?
・福島市がぽっかり入る福島盆地はどうやってできた?
・福島発展の礎を築いた常磐炭田
・磐梯山の大噴火と裏磐梯・五色沼湖群の形成
・猪苗代湖畔からウニ化石!?劇的な会津の地形の成り立ち
・石川町が日本三大産地のひとつ ペグマタイトとはどんな岩石?
・大改修から100年が経過 暴れ川・阿武隈川の今と昔

などなど福島のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2:福島を駆け抜ける鉄道網

・東北本線旧線の黒磯~白河間には明治時代の面影が残されている!?
・日本最大のC62形SL牽引「ゆうづる」が走った常磐線
・かつては東京と新潟を結ぶ架け橋、会津地方の大幹線・磐越西線
・東京・浅草から特急が直通しトロッコ列車も走る会津鉄道
・かつて硫黄輸送で活躍した猪苗代町の沼尻鉄道とは?
・只見川に架かる数々の鉄橋ほか 魅力いっぱい絶景鉄道・只見線

などなど福島ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3:福島で動いた歴史の瞬間

・人間の歯や骨をペンダントに!?原始福島の不思議な弔い
・東北地方最古の前方後円墳!会津大塚山古墳が示す会津の力
・浜通りに古代製鉄遺跡を発見! なぜ大規模な製鉄が行われた?
・中世史総論(関東武士が進出し国盗り合戦!白河・伊達・蘆名・岩城氏の攻防)
・南北朝時代に南朝が拠点とした幻の寺院城郭・霊山寺とは?
・伊達氏のルーツは福島にあり!奥州制覇を果たす道のり
・相馬地方を約700年統治した古豪・相馬氏とはどんな一族?
・奥州きっての城下町・若松はどのようにして生まれた?
・会津若松城で籠城戦を続けた会津藩が開城に至るまで

などなど、激動の福島の歴史に興味を惹きつける。

Part.4:福島で育まれた産業や文化

・最澄と大論戦した僧・徳一が開祖!慧日寺から始まった会津の仏教文化
・猪苗代湖の水を郡山へ! 幹線延長52㎞の安積疏水事業
・県境には二ツ小屋隧道が残る 福島と米沢を結んだ万世大路
・東北唯一の中央競馬場が福島市につくられたわけ
・幕府直営の半田銀山 明治時代は五代友厚が経営
・感染症と闘い続けた細菌学者・野口英世の生涯
・日本酒の金賞受賞数日本一!福島の地酒はなぜすごい?

などなど福島の発展の歩みをたどる。

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