東海村は「日本の原子力発祥の地」となった
決定後は急ピッチで施設建設が進められ、1957(昭和32)年7月に原研の東海研究所を設置し、翌8月に臨界実験に成功。日本で初めて「原子の火」が灯り、「日本の原子力発祥の地」となりました。1963(昭和38)年10月26日には原子力発電の試験に成功。これを記念し、この日は「原子力の日」に定められました。
電力大手各社の出資により、1957(昭和32)年に設立された日本原子力発電(原電)は、1966(昭和41)年に日本初の商業用原発である東海発電所の営業運転を開始。1978(昭和53)年には日本初の大型原発・東海第二発電所も稼働しました。
東海村は原子力施設とともに発展
道路整備や街づくりは原子力施設を中心に進められ、昭和40年代には原子力災害時の避難路として、海沿いの国道245号と内陸の国道6号を結ぶ「原電通り」「原研通り」「動燃通り」が設置されました。
昭和50年代を中心に、多くの原子力関連企業や施設が進出。海沿いの立地は飽和し、隣の那珂市(なかし)にまで施設が並び、原子力について学べる普及・啓発施設も開館しました。
原研や原電で開発・蓄積された技術、経験、人材は、日本の原子力利用の基礎を築き、その発展を支えてきました。2001(平成13)年には東海発電所が日本初の商業用原発廃止措置に着手。廃炉研究・技術においても、新たな挑戦に取り組んでいます。
また、2008(平成20)年に供用を開始した大強度陽子加速器施設「J-PARC」では素粒子・原子物理学、物質・生命科学など、幅広い分野で最先端の研究が行われています。
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・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
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・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史
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【見どころ】Part.2 茨城を駆け抜ける鉄道網・交通網
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・第二常磐線構想で生まれたつくばエクスプレス
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・めずらしい非電化通勤路線、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線
・鹿島参宮鉄道に始まった、鹿島鉄道鉾田線の在りし日
・水戸~石岡を結ぶ計画も……幻の水戸電気鉄道とは?
・阿見線に加え谷田部線? 常南電気鉄道による幻の計画
…などなど茨城ならではの鉄道事情を網羅
【見どころ】Part.3 茨城で動いた歴史の瞬間
・水に恵まれた茨城に人が定住 権力が生まれる
・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
・常陸で成長した武家の二大勢力 常陸平氏と佐竹氏
・源頼朝が佐竹氏・平氏討伐! 鎌倉御家人たちが入国
・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展
…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける
【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化
・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
・東洋一の航空基地 霞ヶ浦海軍航空隊が置かれた街・阿見町
・2000万人超が来場した科学博、つくば万博の熱狂と跡地の変身
・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
・陸の孤島だった鹿島が臨海工業地帯になるまで
・野菜産出額日本一の街が茨城に!? 鉾田市で農業が盛んな理由とは
…などなど茨城の発展の歩みをたどる。
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