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佐竹氏の不遇の時代~権力争いや家督争いが続く~

元弘(げんこう)の乱を経て南北朝の動乱期に突入すると、佐竹氏は早くから北朝方(足利氏)に与し、南朝方に加担した小田氏と対立します。1335(建武2)年に足利氏によって室町幕府が成立した結果、北朝方の佐竹氏が常陸国守護に任じられるのでした。

しかし、室町時代には、鎌倉公方が幕府や関東管領と対立し、関東の諸氏は複雑な権力争いに巻き込まれていきます。加えて、佐竹氏では家督争いが起きます。

当主の義盛に後継者がなく、その死後に関東管領上杉氏から婿養子を迎え入れると、庶家の佐竹山入家がこれに反発します。1407(応永14)年に、家中を二分する山入一揆へと発展しました。この「佐竹の乱」と呼ばれる内紛は、およそ1世紀続くのでした。

佐竹義重時代についに一族統一!支配領域を拡大し南奥州での地位を確立

佐竹氏の内紛は、義舜(よしきよ)の代に終止符が打たれます。陸奥岩城氏の支援を得た義舜は、1504(永正元)年に山入氏を破って太田城を奪還。佐竹氏を統一して常陸北部を制圧し、戦国大名化に成功して「佐竹中興の祖」と呼ばれました。また、「鬼義重(よししげ)」との異名を取った19代当主(当主の数え方には諸説あり)・義重の代には常陸全域にまで支配領域を拡大し、南奥州の盟主的な地位を確立します。

佐竹義宣の代で大名となるも父祖代々の地を離れることに

義重の子・義宣(よしのぶ)は、1590(天正18)年に豊臣秀吉の小田原征伐に参陣しました。豊臣政権下で所領が安堵され、太閤検地で54万5800石の大名となりました。ですが、1600(慶長5)年の関ヶ原の戦いでは、義宣は中立的な態度を取り、戦後に家康から出羽国への国替えを命じられてしまいます。上杉景勝とのあいだに密約があったとの説もありますが、江戸に近い場所に54万石の外様大名がいるのは危険と判断されたのでしょう。結果、佐竹氏は父祖代々の地を離れることになったのです。

この転封に際して、当初は石高が示されることはありませんでしたが、1664(寛文4)年になって20万5800石(実高は40万石とされる)に正式に決定しました。なお、国替え後の佐竹氏は久保田城(秋田県秋田市)を拠点とし、久保田藩は分家(支藩)を出しながら幕末まで命脈を保ち続け、明治維新を迎えることになります。

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・地形・地質総論 茨城県域の地質って?
・東の名峰・筑波山はもともと地下の巨大マグマの塊だった!?
・国内で2番目に大きい湖、霞ヶ浦はどのようにしてできた?
・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
・平磯海岸の恐竜時代の地層から、アンモナイトや国内初のサメ化石!
・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史

…などなど茨城のダイナミックな自然のポイントを解説

【見どころ】Part.2 茨城を駆け抜ける鉄道網・交通網

・特急「はつかり」「ひたち」が走る大幹線・常磐線
・第二常磐線構想で生まれたつくばエクスプレス
・奥久慈清流ラインの異名をもつ魅力あふれる水郡線
・めずらしい非電化通勤路線、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線
・鹿島参宮鉄道に始まった、鹿島鉄道鉾田線の在りし日
・水戸~石岡を結ぶ計画も……幻の水戸電気鉄道とは?
・阿見線に加え谷田部線? 常南電気鉄道による幻の計画

…などなど茨城ならではの鉄道事情を網羅

【見どころ】Part.3 茨城で動いた歴史の瞬間

・水に恵まれた茨城に人が定住 権力が生まれる
・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
・常陸で成長した武家の二大勢力 常陸平氏と佐竹氏
・源頼朝が佐竹氏・平氏討伐! 鎌倉御家人たちが入国
・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展

…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける

【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化

・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
・東洋一の航空基地 霞ヶ浦海軍航空隊が置かれた街・阿見町
・2000万人超が来場した科学博、つくば万博の熱狂と跡地の変身
・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
・陸の孤島だった鹿島が臨海工業地帯になるまで
・野菜産出額日本一の街が茨城に!? 鉾田市で農業が盛んな理由とは

…などなど茨城の発展の歩みをたどる。

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