鹿島線と大洗鹿島線の観光資源
1993(平成5)年3月、収容人数約1万5000人の茨城県立カシマサッカースタジアムが完成すると、最寄り駅になる北鹿島駅を鹿島サッカースタジアム駅に改称し旅客営業を開始。試合当日は、Jリーグのサポーターらで賑わうようになり、鹿島線、大洗鹿島線はさらに注目路線となりました。
エリアの観光資源は豊富で、鹿島線は水郷地帯に線路が延び、潮来(いたこ)では、常陸利根川(ひたちとねがわ)と与田浦(よだうら)に挟まれた加藤洲(かとうず)に架けられた12本の橋「加藤洲十二橋」を巡る遊覧船が運航されています。十二橋駅は、広大な水田地帯に高架橋とホームがぽつんとあるだけのひっそりとした無人駅で、秘境駅としても全国的に知られています。延方(のぶかた)〜鹿島神宮間の北浦には、東海道新幹線富士川橋梁に次ぐ全長1236mの北浦橋梁が架かり、雄大で美しい風景が展開しています。また、電気機関車が牽引する長い貨物列車もこの鉄橋を渡りますが、その姿は壮観です。
茨城を代表する観光地・大洗を通る大洗鹿島線は、乗客も多く華やかです。人気アニメ『ガールズ&パンツァー』は大洗が舞台となり、作品には鹿島臨海鉄道の大洗駅や6000形車両も登場。劇場版の映画が公開されると、聖地巡礼で同線を訪れるファンで賑わうようになり、鹿島臨海鉄道もラッピング車両を走らせています。ガルパン人気は高まるばかりで、定期外旅客の運賃収入が大幅に増えたといわれています。
鹿島線と大洗鹿島線の今後
鹿行エリアを走る両線ともに、線路規格は高く、特急が高速で走れるように建設されているので乗り心地が大変によく、スピードも速い。新型車両も投入され、今後のさらなる発展が期待されています。
『茨城のトリセツ』好評発売中!
地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から茨城県を分析!
日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。茨城の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!
【見どころ】 Part.1 地図で読み解く茨城の大地
・地形・地質総論 茨城県域の地質って?
・東の名峰・筑波山はもともと地下の巨大マグマの塊だった!?
・国内で2番目に大きい湖、霞ヶ浦はどのようにしてできた?
・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
・平磯海岸の恐竜時代の地層から、アンモナイトや国内初のサメ化石!
・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史
…などなど茨城のダイナミックな自然のポイントを解説
【見どころ】Part.2 茨城を駆け抜ける鉄道網・交通網
・特急「はつかり」「ひたち」が走る大幹線・常磐線
・第二常磐線構想で生まれたつくばエクスプレス
・奥久慈清流ラインの異名をもつ魅力あふれる水郡線
・めずらしい非電化通勤路線、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線
・鹿島参宮鉄道に始まった、鹿島鉄道鉾田線の在りし日
・水戸~石岡を結ぶ計画も……幻の水戸電気鉄道とは?
・阿見線に加え谷田部線? 常南電気鉄道による幻の計画
…などなど茨城ならではの鉄道事情を網羅
【見どころ】Part.3 茨城で動いた歴史の瞬間
・水に恵まれた茨城に人が定住 権力が生まれる
・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
・常陸で成長した武家の二大勢力 常陸平氏と佐竹氏
・源頼朝が佐竹氏・平氏討伐! 鎌倉御家人たちが入国
・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展
…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける
【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化
・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
・東洋一の航空基地 霞ヶ浦海軍航空隊が置かれた街・阿見町
・2000万人超が来場した科学博、つくば万博の熱狂と跡地の変身
・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
・陸の孤島だった鹿島が臨海工業地帯になるまで
・野菜産出額日本一の街が茨城に!? 鉾田市で農業が盛んな理由とは
…などなど茨城の発展の歩みをたどる。
『茨城のトリセツ』を購入するならこちら
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!